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朝食・間食・夕食のタイミングに正解はあるのか?日本人1,000人の食事記録が示した結論

  

 

「朝食を抜くと太る!」「夜遅く食べると健康に悪い!」「間食はなるべく減らせ!」みたいな話は、健康界隈ではもはや定番。食事の時間ってのは、体内時計や血糖、睡眠などに影響するんだよーって考え方で、俗に「時間栄養学」と言われる説ですな。

 

で、ここで気になるのが、「食事のリズムによって、どのような違いが出るのか?」ってとこでしょう。一般的には、朝食を毎日7時に食べ、昼食は12時、夕食は19時までに終える……みたいな生活が推奨されることが多いわけですけども、果たしてこれで本当に健康や体型の差が決まるのか、と。

 

そんななか、東京大学のチームが、「日本人の食事リズム」を調べてくれまして(R)、これが非常にためになる感じでした。

 

研究チームは、20〜69歳の日本人男女1,047人を11日間追跡して、みんなが普段の食事を食べた時刻、食事の回数、起床・就寝時刻などを記録するように指示。そのデータをまとめて分析したところ、日本人の食事リズムは、ざっくり以下の4タイプに分類できたというんですな。

 

 

  • タイプ1. 勤務日に朝食早め・多め型:勤務日には早めに起き、起床してからあまり時間を空けずに朝食をとるタイプ。しかも朝食のエネルギー比率が高く、食事回数も比較的多い。食べ始めから食べ終わりまでの時間も長めで、朝から夜まで一定のリズムで食事を配分する傾向がある。「出勤前にちゃんと朝食を食べ、日中にも必要なぶんを食べながら、仕事の時間に合わせて1日を動かす」という、いわゆる「規則正しい」タイプ。

 

  • タイプ2. 休日に朝食抜き型:平日と休日で食事の時計が大きくズレるタイプ。休日には起きる時間が遅くなり、起床から最初の食事までの時間も長めで、その結果として朝食を抜いたり、最初の食事が昼近くになったりしやすい。全体の食事の時間も、遅い時間帯になりがち。研究では、この平日と休日のズレを「摂食ジェットラグ」と呼んでおり、海外旅行で時差ボケになるのと同じで、休日になると食事の体内時計が後ろにずれてしまう。データでは若年層や男性に多く、これは平日は仕事や学校に合わせて無理に早起きし、休日に寝不足を取り返そうとして、朝食ごと後ろ倒しになるのだと思われる。

 

  • タイプ3. 間食多め・夕食少なめ型:食事の時刻そのものに目立った偏りはないが、午前中から午後にかけて間食をとる回数が多く、間食から得るエネルギーも多いタイプ。そのぶん、夕食で摂取するカロリーの比率は低くなる。間食の中身は、「果物やヨーグルト」から「菓子パンや甘い飲み物」まで様々で、間食が多いからといっても不健康とは言いづらい。このタイプは女性に多かったとのこと。

 

  • タイプ4. 昼食多め・夕食早め型:これは、昼食を1日のメインに置くタイプです。昼食から得るエネルギーが多く、夕食は比較的早く終わる。最後に食べてから寝るまでの時間も長めなので、寝る直前の食事になりにくい傾向があります。休日には、食べ始めから食べ終わるまでの時間も比較的コンパクトです。イメージとしては、「昼にしっかり食べて、夜は軽く済ませ、就寝前には胃を休ませる」スタイルでしょう。

 

ということで、いずれも「あー、こういう人いるよね」と思わされるパターンでして、これをお読みの方もどこかのタイプに当てはまるんじゃないでしょうか。朝食を食べるかどうか、夕食が早いか遅いか、といった単発の習慣ではなく、平日と休日の差、食事回数、食事の配分まで含めて、日本人の食事リズムをチェックしてくれてるのがありがたいですね。

 

でもって、これらの知見をひっくるめて、さらにどんなことがわかったかと言いますと、

 

  • 4つの食事リズムと、食事の質、BMI、腹囲の関係を調べてみても、どの型にも統計的に有意な関連は見つからなかった

 

って感じだったんだそうな。もうちょい詳しくいうと、

 

  • 時間栄養学的には、いちばん“よさそう”に見える「勤務日に朝食早め・多め型」だろうが、決してBMIや腹囲が低いわけではなかった。
  • 夕食を早く済ませている人たちだろうが、それだけで健康的な体型を維持できるわけでもなかった。

 

みたいな感じです。つまり、このデータを見る限りでは、「朝食を抜く人は太りやすい!」とか「間食が多い人は食生活が悪い!」「夕食が早い人は健康!」みたいなことは簡単には言えないわけです。結局のところ、総摂取カロリー、食べ物の中身、運動、睡眠、ストレスなどをまとめて見ないと、答えは出ないってことなんでしょうなぁ。

 

もちろん、この研究は、ある時点の食生活と体格を見比べた観察研究なので、「食事のリズムにたいした影響はない」とは断定できないし、そもそもBMIや腹囲を見ただけでは、血糖値、血圧、脂質、睡眠、メンタル、筋肉量などの差まではわからないのも当然のことであります。そこはくれぐれも注意ですが、少なくとも「食事の時刻だけを取り出して、健康かどうかを議論しても意味がなさそうだなー」って教訓は得られるでしょうね。

 

ということで、この研究を毎日の生活に活かすのであれば、以下のポイントをチェックしとけばいいんじゃないでしょうか。

 

  • 朝食を食べるかどうかより、1日の総摂取量が極端になっていないか

  • 夕食の時刻より、寝る直前のドカ食いになっていないか

  • 間食の回数より、何をどれだけ食べているか

  • 平日と休日のズレが、睡眠や体調を崩すほど大きくなっていないか

 

おそらく、唯一の“正しい食事時間”を目指すことよりは、自分の生活に合わせて、無理なく食事全体を整えるほうが、たぶん現実的でしょう。「理想的な食事リズム」を無理やり実践するよりも、まずは自分の仕事、睡眠、家族、運動習慣のなかで、無理なく続く食べ方を探すほうが大事だよーってことで。


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1976年生まれ。サイエンスジャーナリストをたしなんでおります。主な著作は「最高の体調」「科学的な適職」「不老長寿メソッド」「無(最高の状態)」など。「パレオチャンネル」(https://ch.nicovideo.jp/paleo)「パレオな商品開発室」(http://cores-ec.site/paleo/)もやってます。さらに詳しいプロフィールは、以下のリンクからどうぞ。

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