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ChatGPTを使いこなせる人は、実は最初に「自己効力感」を鍛えてるんじゃないか説

 
 

AIが全盛の現在ですが、当然ユーザーにはいろんなタイプがいるわけです。

 

  • 自分からいろいろとAIについて調べて、ガンガンに使い倒すタイプ
  • 「AIは気になるけど、どう使えばいいのかわからん……」「間違った答えを出されたら怖いし、結局ググったほうが早くない?」みたいに、いまひとつ手が伸びないタイプ

 

どちらも周囲に心当たりがあるでしょうが、果たしてこの違いはどこから来るのか?ってことで、そのへんを調べた研究(R)が出ておりました。「AIを使いこなせる人」と聞くと、なんとなく好奇心が強くて、新しいものが大好きのようなイメージがありますけど、それはどこまで正しいのかってことですな。

 

この研究は、ChatGPTを一度でも使った経験がある中国の若者・学生・社会人784人を対象にしたもので、性格特性とAIの利用頻度を調査しております。ここで注目したのは、性格心理学でおなじみのビッグファイブのうち、

 

  • 外向性:人と関わるのが好きで、刺激を求めやすい
  • 開放性:新しいアイデアや経験への好奇心が強い
  • 誠実性:計画的で、物事をきっちり進める傾向

 

の3つでして、これに加えて「ChatGPTを使うと周囲から先進的に見られそうか?」という社会的イメージと、「自分はこの手のツールをちゃんと扱える」という自己効力感も測定して、実際の利用頻度との関係を見たんだそうな。

 

すると、ここでまずハッキリわかったのが、

 

  • 外向性が高い人ほど、ChatGPTをよく使う!

 

という結果であります。これはまぁ納得で、外向的な人ってのは、そもそも会話そのものが好きですからね。人間相手ではないにせよ、「質問すれば反応が返ってくる」「アイデアを投げると会話が続く」みたいな環境は、自然にのめり込みやすいんでしょう。ChatGPTを、「ちょっと反応のいい会話相手」として使っているようなイメージですな。

 

で、もうひとつ確認された傾向としては、

 

  • 開放性と誠実性は、ChatGPTの利用頻度と直接には結びついていなかった!

 

ってのもあったそうな。一般には「新しいものが好きな人ほどAIを使う!」というイメージはありますが、実際にはそう単純ではないみたいっすね。

 

なんでこういう傾向が出たかは謎ですけども、研究チームは以下のように推測しておられます。

 

  • 開放性が高い人は、AIの出力を「無難すぎる」「発想が平均的すぎる」と感じやすいのかも? 生成AIは大量データのパターンをもとに文章を作るので、尖った独創性を求める人には、ちょっと物足りない可能性があるんじゃない? みたいな理由。この理由はよくわかるなー。

 

  • 誠実性が高い人は、ツールの不安定さや誤情報を嫌ってるんじゃない? 計画的に仕事を進めたい人ほど、「たまに平気で間違える道具」をメインの作業フローに組み込むのは抵抗があるのでは? みたいな理由。これも納得感あるなー。

 

ということで、意外にもAIってのは必ずしも「新しいものが好きだから使う!」とか「真面目だから使う!」って話ではなく、その性格が「AIを使う意味」や「AIに対する安心感」につながるかどうかが重要なんでしょうな。

 

でもって、さらにこの分析では「AIを使いまくる人」の特徴も出てまして、

 

  • 「ChatGPTを使えると、周囲からテックに強い人だと思われそう」と感じている人は、「じゃあ自分も使いこなしてみよう」と思いやすくなり、結果としてAIの操作への自信がアップ。これによって、さらに利用頻度が上がるという流れが確認された。

 

って話も出ておりました。「AIを使うと評価が上がりそう」って人は、それによってAIを使うようになり、そこで自信がアップしてさらにAIを使うのだ、と。逆に言えば、人間ってのは、何か新しいテクノロジーが出現した時には、「これをやれば得をしそうだ!」「自分にもできそうだ!」「周囲から変に見られなさそうだ!」と思えないと、なかなか新しいことに手を出そうとはしないんだってことですね。これはAI以外にも適用できそうな教訓でしょうな。

 

というわけで、この知見に照らしてみると、もし「AIを使ってみたいけど、なんかめんどい……」みたいに思っている方は、いろんな人の活用法を学んだり、プロンプト術を勉強したりするよりも、まずは「AIが使えた!」って感覚を養うのが先決だってことになるでしょうね。たとえば、

 

  • 長いメールの下書きを3分で作れた
  • 読みにくい文章を、わかりやすく直せた
  • アイデア出しで、自分ひとりでは出なかった案が出た
  • 面倒な情報整理が少しラクになった

 

みたいに小さな成功を積む感じ。これが続くと、「自分でもAIを扱えるな」って感覚が生まれて、一気に好奇心もわいてくるわけっすね。研究でいう自己効力感ですな。

 

逆に、最初からAIに期待しすぎると、ちょっとした誤答やズレでガッカリして終わっちゃうんで、最初はもっとしょうもない使い方からはじめるのがよさげ。「今日の献立を冷蔵庫の余り物から考えて」とか「この文章の誤字だけ直して」「会議メモを箇条書きにして」みたいな感じっすね。これぐらいから始めて、「あ、これは使えるな」と思える経験を増やすと、AIの利用がどんどん日常になっていいんじゃないでしょうか。

 


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1976年生まれ。サイエンスジャーナリストをたしなんでおります。主な著作は「最高の体調」「科学的な適職」「不老長寿メソッド」「無(最高の状態)」など。「パレオチャンネル」(https://ch.nicovideo.jp/paleo)「パレオな商品開発室」(http://cores-ec.site/paleo/)もやってます。さらに詳しいプロフィールは、以下のリンクからどうぞ。

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