タバタ式トレーニングの最低ラインは1週間に16分。それだけで体は十分に若返りますんで
こないだHIITのメリットについていろいろ書いたら、「週にどれだけやればいいですか?」といった質問をチラホラいただきましたんで、ちょっと考えてみようかと思います。
ダイエット目的でHIITを使うのはオススメできない
まず大事なのは、HIITの目的をハッキリさせることではないかと。具体的にHIITをおすすめしたいのは、
- 短時間で体力をつけたい
- 外見を若くしたい
- ストレス解消したい
- 生活習慣病を予防したい
といった方々でして、たとえば「痩せたい」や「見た目がいい体を作りたい」などの希望には向いてないように思います。確かにHIITは脂肪の燃焼効果が高いものの、トレーニングの総時間が少ないので、どうしてもダイエットには不向きなんですよね。というか、そもそも運動で痩せるのはかなりの難事業なんですが。
週16分の運動でバッチリ体力がアップした!
以上の話をふまえたうえで参考になるのが、2013年に行われた実験(1)であります。これはクイーンズ大学の研究で、どれだけ短時間のタバタ式トレーニングで体力がつくかを調べたんですね。
タバタ式トレーニングは、日本の田畑泉博士が考案した手法。1セット4分のトレーニングで、通常の有酸素運動よりも体力がつくと言われております。具体的な方法については、「たった4分で60分のエアロビより脂肪が燃える?タバタ式トレーニング初級ガイド」をご参照ください。
で、クイーンズ大学の実験は、以下のような感じで行われました。
- 週4回のペースでタバタ式トレーニングを1日1セット行う
- エアロバイクを最大有酸素パワーの170%の負荷でこぎまくる
つまり週に16分の運動しかしなかったわけですね。というと楽なようですが、運動能力のリミットを超えた負荷でエアロバイクをこぐのは、たった4分でも超ツラいはず。
そして4週間後の結果は、
- 持久力が19%アップ!
- 有酸素運動能力の上限が14%アップ!
- 筋力が13%アップ!
といった感じ。1カ月でたった64分の運動で、ここまで体力がついたわけであります。うーん、すごい。
1カ月に64分の運動でアンチエイジングにもなる
もうひとつおもしろいのが、参加者のミトコンドリアの能力も上がってたとこ。ざっくり数値を並べると、
- mTORが4%アップ!
- PGC-1αが19%アップ!
みたいな感じ。なんのこっちゃわからんかもですが、どちらもミトコンドリアの活動をコントロールする大事な要素であります。
ご存じのとおり、ミトコンドリアは細胞のパワープラントですから、こいつの能力が上がることで活力もアップし、結果としてアンチエイジングにもつながるわけです。ミトコンドリアの能力は筋トレやランニングでも上がるものの、これだけ短時間でハッキリ効果が出るのはタバタ式ぐらいかなぁ、と。
研究者いわく、
おもしろいことに、これまで最大酸素摂取量は心拍出量で決まると思われてきた。しかし近年の研究によれば、インターバルトレーニングを使うと最大心拍出量が増えなくても最大酸素摂取量は上がることがわかった。
とのこと。要するに、これまでは長時間の有酸素運動をしないと体力はつかないと言われてきたけど、実はタバタ式のようなHIIT系のテクニックを使えば十分なんだ、と。
まとめ
そんなわけで、タバタ式トレーニングを生活に取り入れてみたい方は、まずは1日16分のエクササイズを週イチのペースで始めればOK。あとは各自の体力に合わせて回数を増やしていただければと思います。