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科学的に正しい「あげまん」の条件は「誠実性」だった

Th Single

 

ワシントン大学が、「良い配偶者を選ぶと仕事でも成功するよ!」って面白い論文(1)を出してたんでメモ。



これは、4,500組のカップルを5年にわたって追いかけた調査で、全員にビッグファイブモデルを使った性格テストを行ったんですね。ビッグファイブは、もっとも信頼できると言われる心理テストでして、開放性、誠実性、外向性、調和性、神経症的傾向の5つで性格を判断します。

 

 

すると、「誠実性」が高い配偶者を持っていた人ほど、年収が高く、上司からの信頼も厚めで、さらには仕事への満足度も高い傾向があったんだとか。ここでいう「誠実性」とは、たんにマジメな性格ってわけじゃなくて、自己のコントロール能力が高くて、目先の利益に飛びつかない傾向を持った人のこと。責任感や意志の強さなんかも、この性格に関連しております。

 

 

研究者いわく、

 

これまでの研究によれば、多くの人たちは、配偶者に対して調和性(共感能力の高さ)が高く、神経症的傾向(気分屋)が低い性格を求める傾向が強かった。しかし、今回の研究は、誠実性が高い配偶者を探したほうが得策だということがあきらかになった。

 

 とのこと。誠実性が有利にはたらく理由は、以下の3つなんだそうな。

 

  1. アウトソーシング:誠実性が高い配偶者はきちんと家事をこなす傾向があるので、そのぶんの時間を仕事に使うことができる。
  2. エミュレーション:配偶者のポジティブな側面を自然とマネするようになるので、自分にも良い影響が現れる(配偶者が整理整頓の好きな人なら、自分も少しずつ整理が好きになる)
  3. 関係性の満足度:誠実性が高い配偶者は親切なことが多いため、自然と2人の関係性もよくなる。

 

うーん、なるほど。過去の研究によれば、誠実性が高い人はダイエットにも成功しやすかったり頭もよくて長生きの傾向が高かったりなんてデータもありまして、近ごろの心理学では「誠実性こそが成功のカギ!」って感じになりつつあるみたい。

 

 

ちなみに、意志力を鍛えて誠実性を高める方法については、

 

 

なんて話を過去に紹介しておりますので、あわせてご参照くださいませ。

 

credit: Kike Romero via FindCC

 

 

 


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1976年生まれ。サイエンスジャーナリストをたしなんでおります。主な著作は「最高の体調」「科学的な適職」「不老長寿メソッド」「無(最高の状態)」など。「パレオチャンネル」(https://ch.nicovideo.jp/paleo)「パレオな商品開発室」(http://cores-ec.site/paleo/)もやってます。さらに詳しいプロフィールは、以下のリンクからどうぞ。

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