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初対面で好かれる人の正体。人気者と親友タイプは“別物”だよーという話

   


「あの人は、どこに行っても好かれるなぁ」みたいな人が、どの世界にも必ずいるもんです。飲み会でも職場でも初対面から空気を支配して、しかも嫌味がないみたいな人ですな。

 

しかし、その一方では、「自分はそこそこ会話できるのに、なかなか相手と深い関係に発展しないなぁ?」という人もおりましょう。その場は盛り上がるのに、なぜか次につながらず、連絡先だけ増えていくといったパターンの人ですな。

 

では、このような「人にめっちゃ好かれる人と好かれない人の違いはどこにあるのか?」ってことで、この疑問にかなりストレートに答えた研究(R)がありますんで、内容をチェックしておきましょう。

 

この実験で、研究チームは、“初対面の出会い”を再現して調査を行っております。ざっくりと実験デザインをまとめると、

 

  1. 面識のない参加者同士をペアにする

  2. 会話の様子をビデオ撮影する

  3. その後、互いの「好意」を評価してもらう

  4. さらに第三者が行動を客観的に分析する

 

みたいな感じで、完全にはじめて出会った人にコミュニケーションを取ってもらい、そこから「他人に好かれる人と好かれない人」の特徴をチェックしたわけです。

 

で、大量の会話を分析した上で、研究チームは『「他者からの好意」には2つの軸があることがわかった!』と主張しておられます。その2つがどのようなものかと言いますと、

 

 

他人に好かれる軸1.エージェント性(主導性・自己主張)

堂々としてイニシアチブを取る振る舞いのことで、

 

  • 他人をリードする
  • 自信がある
  • 堂々としている
  • やや支配的

 

みたいな態度を意味しております。いわゆる“デキる感”のある振る舞いのことで、「この人についていけば大丈夫そう」って雰囲気を出す態度ですな。

 

 

他人に好かれる軸2.コミュナル性(温かさ・協調性)

相手を安心させて居場所を作るような振る舞いのことで、

 

  • 礼儀正しい
  • 親切
  • 温かい
  • フレンドリー

 

みたいな態度を意味しております。いわゆる“感じがよい”振る舞いのことで、「この人といるとラクだな」って空気をつくるやつですな。

 

ってことで、この2つの要素が「他人からの好かれ方」に大きく影響するんだってのが、この実験のキモであります。要素が2つあるがゆえに、当然ながら「好意」の種類も2パターンに分かれまして、研究チームは以下のような分類をしておられます。

 

  • 一般的好意:みんなから広く好かれる度合い。クラスや職場で「感じいい人」として平均点以上にウケるかどうかを意味する。

  • 特定好意:目の前の相手から強く好かれる度合い。「この人とまた会いたい」と名指しで思われるかどうかを意味する。

 

この分類に従うと、だいぶ「他人から好かれる人」の見通しがよくなって、良い感じであります。要するに「薄く広く好かれる」と「深く刺さる」は別能力でして、ざっくり以下のようなわけ方ができるんじゃないでしょうか。

 

  • 人気者タイプ:エージェント性+コミュナル性の両方が高い人は、他者から「広く好かれる」傾向がある。自信もあって、しかも感じがいい人は、やっぱり幅広いポピュラリティを得られるのだと考えられる。
  • 親友タイプ:コミュナル性が高い人は、特定の相手から強く好かれる。エージェント性は、そこまで重要ではなかった。やっぱ特定の人と深い関係を生むには、温かさが必須ではある。

 

ってことで、こうしてまとめた上で、研究の知見を実生活に活かすのであれば、私たちの対人戦略は「他人からどう好かれたいか」で変わるって感じになりましょう。簡単にまとめてみると、

 

1.いろんな人に好かれてネットワークを広げたい!と思うなら

  • 自信を持つ
  • 会話をリードする
  • 意見をはっきり言う
  • しかし礼儀は絶対に失わない

 

ってあたりを意識する。エージェント性とコミュナル性のハイブリッドがめっちゃ必要。

 

2.誰か特定の人と親密な関係を築きたい!と思うなら

  • 共感を示す
  • ちゃんと聞く
  • 相手に焦点を当てる
  • 反応を丁寧に返す

 

みたいに、コミュナル性を主役に押し出すのが吉。自己主張の強さは二の次に置くほうがいいでしょう。

 

ちなみに、この理論を背景に置くと、会話術の本などでよく言われる『コミュニケーションが上手い人は「質問」と「傾聴」が上手い』って話にも納得がいきやすくなるんじゃないでしょうか。どういうことかと言いますと、

 

  • 良い質問ができる=相手が「私が会話の中心になっている!」って気分になる=この人は相手を優先する良い人だ!って感覚が生まれる=コミュナル性が上がる

  • 傾聴ができる=相手が「この人は私のことを気にしてくれている!」って気分になる=この人は良い人だ!って感覚が生まれる=コミュナル性が上がる

 

みたいな感じっすね。要するに、質問と傾聴は、どっちもコミュナル性を実践するための技術だと言えるんじゃないでしょうか。

 

が、そういうと「とにかく優しくしてればいいんだな!」と思う方もいるかもですが、これはよくある誤解なので注意してくださいませ。この研究が示すコミュナル性は、迎合、過剰な同調、自己消失とは別物でして、実際に評価されるのは「温かくて、しかし主体性を持って関わる態度」だったりします。相手の顔色だけうかがってヘコヘコするみたいな態度とは別物なんですよね。

 

ってことで、この論文から導ける戦略はシンプルでして、

 

  • いろんな人に好かれたいなら、会話を少しリードし、姿勢と声量で“自信”を醸し出し、礼儀とフレンドリーさは死守するように心がける。

 

  • 一人に深く好かれたいなら、相手の話を決して遮らず、共感を言語化し、追加質問で関心を示すことを心がける。

 

みたいになりますね。要は「広く好かれたいなら強さ×感じの良さ」「深く好かれたいなら温かさ全振り」で良いのではないでしょうか。どうぞよしなに。

 

 


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1976年生まれ。サイエンスジャーナリストをたしなんでおります。主な著作は「最高の体調」「科学的な適職」「不老長寿メソッド」「無(最高の状態)」など。「パレオチャンネル」(https://ch.nicovideo.jp/paleo)「パレオな商品開発室」(http://cores-ec.site/paleo/)もやってます。さらに詳しいプロフィールは、以下のリンクからどうぞ。

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