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「ココナッツオイルでアルツハイマーが治る!」は本当か?


近ごろ書店で「ココナッツオイルでアルツハイマーが治る!」って本をよく見かけるわけですが。

ちょっと斜め読みしてみたところ、アルツハイマーは脳が上手く糖質を使えない状態で、いわばガス欠の状態になっているんだとか。そこへ、ココナッツオイルが作り出すケトン体が別の燃料として脳に送り込まれるため、アルツハイマーが改善するんだ、と。



これだけを見ると、さもありそうな理屈なんですが、アルツハイマーズアソシエーションの見解を読んでみると、

アルツハイマー患者と介護者のなかには、カプリル酸(ケトン体の素材)を摂取するための安価で手ごろな素材としてあつかっている。ココナッツオイルでアルツハイマーが改善したという数件の報告はあるが、臨床試験が行われたことがないため、科学的な根拠は存在しない。

とのこと。いまのところは、まだいくつかの症例をもとに騒いでいるレベルの状況っぽい。


ただしFOX Newsによると、いまココナッツオイルのテストが始まった段階らしいので、これから何か良い結果が出てくれればいいな〜、というところ。といっても中鎖脂肪酸が体に良いのは間違いないところなので、食生活にココナッツオイルを取り入れても別に損はしないはず。わたしも豚肉をソテーしたりするのに使っておりますし。


いずれにせよ、アルツハイマーの改善に関しては過度な期待はせずに、ココナッツオイルを楽しむのが現状ではよろしいかと存じます。


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1976年生まれ。サイエンスジャーナリストをたしなんでおります。主な著作は「最高の体調」「科学的な適職」「不老長寿メソッド」「無(最高の状態)」など。「パレオチャンネル」(https://ch.nicovideo.jp/paleo)「パレオな商品開発室」(http://cores-ec.site/paleo/)もやってます。さらに詳しいプロフィールは、以下のリンクからどうぞ。

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