「テストでは最初の直感を信じるのが一番!」は大間違い?答えは変えたほうが正答率はあがる
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「テストでは最初の直感を信じるのが一番!」なんて話をよく聞きますが、「不確かな自分の案内書(Handbook of the Uncertain Self )」って本をペラペラめくってたら、この説って心理学的には完全に否定されているらしい。
Robert M. Arkin Psychology Press 2009-12-15
本書にいわく、
最初の直感にしたがったほうが、本当にテストの成績は良くなるのだろうか? 膨大な量の科学的なデータによれば、直感にしたがわずに回答を変えたほうが逆に良い結果が出ることを示している。
とのこと。 なんでも、古くは1948年(1)から1990年台(2,3)まで70年にわたって大量の実験が行われてまして、いずれも「直感を信じないほうが成績はよくなるよ!」って結論だったとか。なかには50%も成績があがったケースもあったようで、答えに自信がなかったら、とりあえず回答は変えたほうがいいみたい。
まぁ、要するに「しっかり考えたほうが成績は上がるよ!」っていう当たり前の話なんですが、それでもヒトには直感を信じたくなっちゃう心理的な傾向があるらしい。
そのへんに関しておもしろいのが2005年の論文(4)で、この現象を「第一感の誤信」と呼んでおります。そもそも、ヒトは得することより損することに対してより恐怖を感じやすい生き物でして、たとえば、
- 必ず1万円をもらえる
- 1/2の確率で2万円をもらえる
の2パターンだと1番を選ぶ人のほうが断然多いんですね。1円ももらえない(損)よりも、確実な1万円(得)のほうが魅力的に映るわけです。
経済学の世界では「損失回避」と呼ばれる現象ですけども、これはテストの答え選びにも当てはまっちゃう。たとえば、
- AからBに答えを変えたら間違っていた
- AからBに答えを変えたら正解だった
の2パターンを経験した場合、1番めのほうがより強く記憶に残りやすく、答えを変えて正解した体験はすぐに忘れてしまうんですな。「自分が外に出ると必ず雨が降るな…」みたいな思い込みと似たようなもんですかね。
というわけで、 選択式の答えに迷ったら、よく考え直して回答を変えたほうた吉。これはテスト以外にも言えそうな話ですねぇ。
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