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コラーゲンで筋トレのダメージがやわらぐのか?問題を調べた研究の話

 


  

コラーゲンってわざわざ飲む意味あるの?って問題についてはまだ謎が多くて、

 

 

といったデータが出てたりします。いちおう美容と運動に効く可能性はあるんだけど、なんせ研究例が少なすぎるもんで、まだまだ「コラーゲンを飲もうぜ!」とは言いづらいんですよねぇ。

 

 

で、新しいデータ(R)もコラーゲンの話で、今回は「コラーゲンが筋トレの回復に効くかも?」みたいな話になっておりました。コラーゲンは筋膜や腱に豊富な成分なので、サプリを使うことで筋トレで受けたダメージが回復しやすくなるのでは?って発想は当然あるわけですね。

 

 

これは15人の若い男性を対象にしたテストで、まずは全体を2つのグループに分けております。

 

  1. 加水分解コラーゲンペプチドを1日15グラム飲む
  2. コーンスターチ由来のプラセボサプリを飲む

 

研究の期間は12日間で、参加者は過去2年間で週に3回の筋トレをしてた人だけを選んだそうな。

 

 

でもって、全員には20回のドロップジャンプを5セット指示(各セット間の休憩は2分)。トータル100回のドロップジャンプで筋肉を痛めつけたとのこと。

 

 

筋トレからの回復力を評価するにあたっては、24時間後、48時間後、120時間後にジャンプテストを実施。さらに主観的な筋肉の痛みを100点満点で採点してもらったうえで、血中のコラーゲン合成および分解のマーカーも評価しております。

 

 

では、最終的な結果をまとめるとこんな感じです。

 

  • ジャンプの高さについては、プラセボグループは筋肉を痛めつけてから24時間後に有意に低かったが、他のどの時点でもベースラインと差はなかった。コラーゲングループは、どの時点でもベースラインと比較しても差はなかった

 

  • 痛みの知覚については、両グループのあいだで有意差はなかった

 

  • コラーゲン合成と分解のマーカーには、いずれの時点でもPREと比較して、どちらのグループでも有意な差はなかった

 

ということで、最終的には「もしかしたらコラーゲンは筋肉の回復に効くかもだけど、その効果は非常に小さい」って感じの結果っすね。うーん、残念。

 

 

ちなみに、ちょっと前にはマクマスター大学がホエイプロテインとコラーゲンの比較を行なってまして(R)、「運動後の筋タンパク質合成はホエイプロテインのほうが高い」って結論が出てたりします。まぁコラーゲンは筋タンパク質合成の増加をうながしてくれるロイシンが少ないので、非常に当たり前の結論ですが。

 

 

要するに、ホエイプロテインは「コラーゲンに入ってるアミノ酸+さらに有用なアミノ酸(メチオニンとかロイシンとか)」って感じなので、普通に考えれば「コラーゲンを飲むならホエイプロテインを飲んでおいたほうがいいんじゃない?」って結論になっちゃうんですよ。いちおうコラーゲンに関しては「他のサプリメントより結合組織の修復に役立つのでは?」って仮説もあるんですけど、いまんとここの考え方を支持するデータもないのが現状なんですよねぇ。

 

 

ってことで、現時点では「運動のためにコラーゲンを使う」ってのはおすすめできない感じっすね。その代わりに、ぜひ適切な量のホエイプロテインをお試しください。


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1976年生まれ。サイエンスジャーナリストをたしなんでおります。主な著作は「最高の体調」「科学的な適職」「不老長寿メソッド」「無(最高の状態)」など。「パレオチャンネル」(https://ch.nicovideo.jp/paleo)「パレオな商品開発室」(http://cores-ec.site/paleo/)もやってます。さらに詳しいプロフィールは、以下のリンクからどうぞ。

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