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メンタルの回復力を高めるにはどうすればいいのか?を判断する24問

 


このブログでは、レジリエンスは大事よねーみたいな話をよくしております。 レジリエンスってのは、メンタルのダメージから速やかに回復する能力のことで、近年では米軍のメンタルトレーニング にも採用されている概念だったりします。 そりゃ生きてればストレスは避けられないので、鋼のメンタルを作ろうとか思うよりは、ダメージから速やかに回復する方法を考えた方が良いですもんね。

 

ただ、これまでの研究は、レジリエンスの測定法にいまいち不安があったのも事実。 レジリエンスはあくまで本人の主観にもとづいた 状態なので、 どうやって評価すべきかと言う点については、まだ議論があったんですよ。

 

と言ったところで、近ごろ、 レジリエンスを正しく評価する「 マウントサイナイ・ レジリエンス・スケール」ってのが 発表されたので、内容を見ておきましょう(R)。著者のひとりであるS.M.サウスウィック先生は、「レジリエンス:人生の危機を乗り越えるための科学と10の処方箋」で有名な先生で、 この分野の第一人者であります。

 

このテストは24の項目で構成されてまして、 私が見たところ、自分のレジリエンスレベルを評価するだけではなく、 自分がさらにレジリエンスを伸ばそうと思ったときに、 追加で何ができるのかを特定する手段としても役立つなー とか思いました。 レジリエンスを高めるための指針にもなるので、メンタルトレーニングのガイドラインとして使ってみるのもいいんじゃないでしょうか。

 

それでは、この研究チームが作成した、レジリエンス判断テストの 内容を見てみましょう。各項目には、レジリエンスを高めるのに 役立つ行動や考え方が 書かれており、 それぞれの文章について、つい「まったく当てはまらない」(0点)から「ほとんどいつも当てはまる」(4点)までの4点満点で評価 してください。

 

 

  1. 私は、自分の恐れや問題に直接向き合うことができる。

  2. 私は、自分自身や他人に対する否定的、批判的な考えを積極的に変えようとする。

  3. 私は、困難に対処している他の人のため似も、前向きな模範となるよう努めている。

  4. 困った時は、友人、指導者、家族、教師などに、困難に対処するためのアドバイスを求める。

  5. 私は、未来に希望を持とうと努力している。

  6. 私は、他人のサポートを積極的に求める。

  7. 私が現実に行った選択と行動は、自分が持っている正しさの信念と一致している。

  8. 私は、人生における挑戦は、自己の成長につながるものだと自分に言い聞かせている。

  9. 食べ物を選ぶ機会を与えられたとき、私は栄養価の高いものや健康的なものを選ぶ。

  10. 十分な睡眠をとるためにベストを尽くしている。

  11. 私は人生の意味と目的を与えてくれる活動に参加している。

  12. ストレスが多いときには、自分の感情や身体の変化に気づき、その変化を理解する時間をとっている。

  13. 世の中には、今すぐには変えられない難しい感情や状況、人がいることを受け入れている。

  14. 自分の人生観や精神性が、私の人生のさまざまな分野にポジティブな影響を及ぼしている。

  15. ストレスの多い状況から回復するために、積極的に行動することにしている。

  16. 困っている人たちに、精神的、金銭的、その他の種類の支援や寄付をしている。

  17. 私は他の人たちにサポートを提供している。

  18. 激しいネガティブ感情に対処するため、私は「ネガティブな感情が動いた瞬間」に自分のペースを落とすことにしている。

  19. 自分が自分の価値観に合わないことをしても、他人が自分の価値観に合わないことをしても、許すように努めている。

  20. 趣味や興味のあることに時間を費やしている。

  21. 新しい技術や興味のあることを学ぶために時間を割いている。

  22. 運動するよう努力している。

  23. 自然やアートなどで、自分を超えるような対象と触れる感覚を持つようにしている。

  24. 私は、瞑想や哲学といった精神的なトレーニングを行っている。

 


ということで、 レジリエンスのテストは以上です。 合計点がいくつを超えれば良いと言う性質のテストではないので、定期的にチェックしてみて、自分のレジリエンスレベルが、 過去と比べてどう変わったのかを確認する手段として使うのがいいんじゃないでしょうか。

 

それと同時に、先にも書いたように、今の自分がレジリエンスを高めるためには、何が必要なのかを 把握するためのガイドラインとして使う方が、個人的にはオススメです。 点数が低かった項目をチェックしてみて、「他の人たちにサポートを提供する ことを心がければ、もっとレジリエンスが上がるんだなぁ。そのためには、何をすればいいのかなぁ」 みたいに考えていくわけですね。お試しあれ。

 


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1976年生まれ。サイエンスジャーナリストをたしなんでおります。主な著作は「最高の体調」「科学的な適職」「不老長寿メソッド」「無(最高の状態)」など。「パレオチャンネル」(https://ch.nicovideo.jp/paleo)「パレオな商品開発室」(http://cores-ec.site/paleo/)もやってます。さらに詳しいプロフィールは、以下のリンクからどうぞ。

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