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お金の不安を減らす、めっちゃシンプルな方法の効果を確かめたぞ!という研究の話

   

 

お金の不安ってのは実に困ったもので、過去にもこんな話を書いております。

 

 

いずれも、お金に関するストレスがいかにメンタルに悪いのかを示してまして、給料、貯金、借金、投資の失敗、子どもの教育費、老後資金などの不安は、できるだけ減らしておきたいところなわけです。

 

が、なにごとも言うはやすしで、そう簡単にお金の不安を消せるなら世話はなし。下手をすれば、考えないようにするほど不安が大きくなったりしますからね。

 

では、お金のストレスはどうすればいいのかってことで、最近の研究(R)では、「お金の悩みは、定期的に言葉にせよ!」って結論になっておりました。

 

この研究は、「お金の悩みを話したらお金の不安は減るのか?」ってテーマについて調べたもので、複数の研究で構成されております。ざっくりまとめておくと、

 

  • イギリスの約10万人、アメリカの711人を対象に、お金の話をしやすい人ほど不安が低いかを調査
  • アメリカの成人898人を、「毎週10分お金の話をするグループ」と「好きな話題を話すグループ」にランダム分け、4週間の経過を見る
  • アメリカの大学生302人を、「週2回お金について書くグループ」と「健康について書くグループ」にランダム分けて、どうなるかをチェック

 

みたいな感じになります。いずれの調査も、「お金の悩みを人に話すと、本当にお金の不安は減るのか?」を、かなり多角的に検証したわけですね。

 

すると、結果はこんな感じになりました。

 

  • どの実験でも、お金についての話をしたグループは、お金の不安が大きく減った!

 

ということで、お金の悩みは、抱え込むよりも定期的に言葉にしたほうがよさそうであります。しかも、ここで面白いのが、お金の不安が改善したのは、誰かから良いアドバイスをもらえた人だけではなく、ほとんどの人は「お金の不安を話すだけで問題が改善した」って結果が出てるとこであります。別に、相手が金融のプロや優秀な相談役じゃなくとも、「話す」って行為そのものが役に立っていたんだ、と。

 

なかなか面白い結果ですけども、「なぜ話すだけで不安が減るのか?」と言いますと、研究チームは、

 

  • お金の問題を言葉にすると、頭の中でバラバラに暴れていた不安が整理され、自分でコントロールできる感覚が戻ってくるからじゃない?

 

みたいに推測しておられます。

 

もうちょい説明すると、たとえばあなたが「貯金がなくて将来が不安だ……」みたいなモヤモヤを抱えていたとしましょう。実によくある悩みではありますが、「なんかお金がなくて嫌だなー」などとボンヤリ考えていたままだと、問題が大きすぎて手の出しようがないじゃないですか。

 

しかし、これを誰かに話したり、メモに書いたりして、

 

「今月はサブスクが多すぎる」
「生活防衛資金があと30万円足りない」
「クレカの使い方がよくない」
「投資額よりも、収支の把握が先だ」

 

みたいに分解できれば、「これなら、対策できそうだ!」みたいな気分になるはずであります。「お金の不安」ってのは、「何が起きるかわからない!」って感覚が強いからこそストレスを生むものなので、誰かに話すことで状況を整理して、「ここは変えられる」と思えるだけでも、心はかなり落ち着くものなんですよ。

 

ただし、ここで話すテーマにはコツがありまして、この実験によると、お金の話のなかでも、

 

  • 節約
  • 支出の見直し
  • 貯金
  • 予算管理

 

みたいに、「自分で比較的コントロールしやすい話題」を言葉にした人ほど、不安が下がりやすかったと報告されております。

 

逆に、

 

  • 突然の解雇
  • 病気や事故
  • 急な出費
  • 景気や物価の悪化

 

のように、「自分では動かしにくい問題」ばかりを言葉にしても、不安は改善しにくかったそうな。まぁ、そりゃそうですよね。

 

なので、お金の不安を吐き出すときは、「政府が悪い!」「物価が高すぎる!」みたいな話をするのではなく、なんらかの愚痴を言ったあとに、「じゃあ、自分が今からできることは何だろう?」みたいに考えることでしょうね。たとえば、もし「食費が高い!」と感じたら次の一週間だけ家計簿アプリで外食費を記録してみたり、「投資が怖い!」なら積立額と生活防衛資金を一度書き出してみたり……みたいに小さな作業を考えてみるイメージっすね。これでも、「自分には何もできない」という感覚を弱めるには十分だったりしますんで。

 

ちなみに、この研究では、「対面で話すよりも匿名のオンライン掲示板に書くほうが、お金の不安の低下が大きかった!」って傾向も確認されてたりします。こちらも面白い話ですけど、おそらくネットでのやり取りってのは、返事を急がなくていいし、文章を何度も直せるし、顔色も気にしなくて済むんで、そのぶんだけ「自分はいま何に困っているのか?」をゆっくり整理しやすいんでしょうな。

 

ということで、いろいろ書いてきましたが、もし今あなたがお金の不安を抱えているなら、

 

  • 信頼できる友人と月に一度だけ話す
  • 匿名の家計コミュニティに悩みを書く
  • ノートに10分だけ「お金の不安」を書き出す

 

みたいな作業をお試しください。これで完全に不安が減るとは言いませんけども、少なくとも、お金の問題から完全に目をそらすよりは、長い目では気持ちが落ち着くと思いますんで。


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1976年生まれ。サイエンスジャーナリストをたしなんでおります。主な著作は「最高の体調」「科学的な適職」「不老長寿メソッド」「無(最高の状態)」など。「パレオチャンネル」(https://ch.nicovideo.jp/paleo)「パレオな商品開発室」(http://cores-ec.site/paleo/)もやってます。さらに詳しいプロフィールは、以下のリンクからどうぞ。

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