スタンフォードの哲学教授が明かす、正しい「先延ばし」の技術
「スタンフォード教授の心が軽くなる先延ばし思考」を読みました。スタンフォードの哲学教授が書いたユーモアエッセイで、「先延ばししたっていいじゃない。人間だもの」と優しくさとす一冊であります。本書から、正しく先延ばしするための心構えをご紹介。
1・「先延ばし」をすれば、過去の偉人の仲間入りができる
ペリー教授いわく、ソクラテス、トマス・ジェファソン、ジェーン・オースティン、マーク・トウェイン、ソロン(古代ギリシャの七賢人)、ナンシー・ペロシ(合衆国史上最初の女性下院議長)などなど、そうそうたる偉人たちが、みんな「先延ばし」に悩んでいたらしい。なので、そもそも「先延ばし」したらかって、偉大な成果が残せないとは限らないわけですな。
2・「先延ばし」は無意識の創造性を刺激する
人間の無意識は、自分が「先延ばし」したものに自然と集中する。そのため、集中して仕事に取り組むよりも、「先延ばし」して無意識にまかせたほうが良いアイデアを思いつく可能性が大きくなる。アインシュタインも、この方法を上手く使っていた偉人の1人だそうな。
3・「先延ばし」をしたほうが、結局はたくさんの仕事がかたづく
もし1つのタスクを「先延ばし」しても、調べ物とかメールの返信とか、他にもやらなきゃいけないことはいろいろあるんだから、そっちをやればOK。で、それから「先延ばし」してたことを片付ければ、最終的には多くの仕事をが片付いていることになる。ペリー教授いわく、「先に重要なタスクを片付けちゃうと、それで1日が終わった気分になって、結局いろんな雑事が残ることが多い」とのこと。これは共感できるなぁ。
4・「先延ばし」をしたほうが良い決断ができる
見方を変えれば、「先延ばし」とは1つの問題にじっくりと時間をかけて取り組んでいるということ。決断をギリギリまで引き伸ばすことで十分な情報が集まり、最終的にはよい結果につながるケースが多い。これも非常に共感できるんですが、情報を集めすぎると完璧主義におちいって何も決められなくなる場合もあるのが難しいとこですねぇ。
5・「先延ばし」をしたほうが、どうでもいいタスクが自然に消える
仕事をしていると、時間が過ぎるうちに「やらなくてもよくなるタスク」が必ず現れるもの。例えば、見積もりの仕様が変わったり、メール返信の意味がなくなったりとか。それらを「先延ばし」しておけば、どうでもいいタスクは自然に消えていくので、あまった時間を大事なタスクに使えばいい。
そんなわけで、スタンフォード哲学教授による正しい「先延ばしの」技術でした。くり返しになりますが、実証研究をもとに理詰めで「先延ばしにはメリットがある!」と主張する本じゃないので、そういう内容をお求めの方は、フランク・パートノイ「すべては「先送り」でうまくいく」をご参照くださいませ(笑)。