「CCCスタック」で体脂肪が燃えまくる!はどこまで本当か
CCCスタックで体脂肪が燃えまくる?
ダイエット系サプリに関するご質問をいただきました。
友人がカルニチン、コリン、カフェインの組み合わせで体脂肪が減ると言って大量に飲んでいます。これは本当なのでしょうか?
とのこと。実はカルニチン+コリン+カフェインは筋トレの世界では有名な組み合わせで、俗に「CCCスタック」などと呼ばれております。いまも一部のビルダーさんなんかに愛用されている印象。
どの成分もそこそこのデータはある
それぞれの成分がどんなものかというと、
- カルニチン:アミノ酸の一種。疲労回復に一定の効果が確認されている。
- コリン:ビタミンBの一種。脂肪の代謝に関係していて、ある程度は体脂肪の減少が確認されている。
- カフェイン:言わずと知れた興奮系のアルカロイド。代謝の上昇については、現時点でもっとも研究例が多い。
って感じです。どの成分にも、そこそこの代謝アップ効果が報告されてまして、これらを組み合わせたらもっと凄いことになるんじゃないの?って考え方があるんですな。
ヒトの実験では体脂肪の燃焼が確認された
では、実際にこのスタック話題になり出したのは2000年のことで、CCCを飲んだラットは、エクササイズをしてないのに体脂肪が減り、中性脂肪と血糖値が改善したって結果が出たんですよ(1)。
これで話が盛り上がりまして、今度は2003年にヒトで追試が行われております(2)。これは肥満体の女性19人を対象にした実験で、年齢は18〜54才ぐらい。全員にカルニチンとコリンを21日間だけ飲んでもらったうえで、中程度のエクササイズをしてもらったんですな。なぜかカフェインを使ってないんですけど、そのへんの理由は不明であります。
で、どんな違いが出たかというと、
コリンとカルニチンを飲んだグループは、脂肪の燃焼量が多くなり、エクササイズ時により多くのエネルギーを消費した。
だったそうです。どうやらコリンとカルニチンの組み合わせで、より体脂肪をエネルギーとして使いやすくなるみたいなんですな。でもって、ここにカフェインによる体脂肪の燃焼作用が合わされば、さら脂肪が削れるかもしんないわけっすね(あくまで理論上の話ですけど)。
CCCスタック実験には難点も多い
ただ、残念ながら、これはダイエット効果を調べた研究じゃないので、果たしてコリン+カルニチンで本当に体脂肪が減るかは不明。この実験でわかるのは、あくまで「コリン+カルニチンが運動の脂肪燃焼を助ける」ってことだけであります。
また、この実験の難点はもうひとつあって、「ラット実験より低容量のサプリを使っているので、最適な使用量がよくわからん」ってのもあります。ラット実験で使われたコリン+カルニチンとくらべると、かなり用量が少ないんですよねぇ。うーん、悩ましい。
CCCスタックを使う際の注意点
ってことで、いまいちハッキリしたデータがない話なんですけど、前述のとおりいずれも体脂肪の燃焼については割と定評があるので、試してみてもいいのかなーとは思われます。参考までに、ラット実験のサプリ量をヒトに換算すると、
- コリン=体重1kgあたり98mg
- カルニチン=体重1kgあたり52mg
- カフェイン=体重1kgあたり1mg
になりますんでご参考までに。ただし別のデータを見ると、コリンについては1日3gを超すと吐き気や高血圧といった副作用が出るかもなんでご注意を。同様に、カルニチンについては1日2〜5gがベスト。カフェインは個人のカフェイン代謝によりますが、1日に200mgから様子を見ていくのがいいんじゃないでしょうか。