ジムで動くだけでなく、普段からこまめに軽く動いている人ほど筋肉が増えやすい!という研究の話
「座りっぱなしは健康に悪い!」ってのはもはや常識で、このブログでも、過去に以下のようなエントリを書いております。
どのデータでも、座りっぱなしの時間が長い人ほど体調を崩すのは間違いなく、こまめにウォーキングやランニングをはさんだほうがいいのは間違いないんですよ。
でもって、新しいデータ(R)は、「普段からこまめに動いている人ほど筋肉が増えやすい!」という結論になってておもしろかったです。要するに、普段からジムによく行く人でも、もし日常の仕事でずっと座っている場合は要注意だよ!って話ですな。
これは若くて健康そうな成人12名(~23歳)を対象にした試験で、3つの試験をそれぞれ8時間ずつ行っております。
- ただただ8時間座り続ける
- 30分ごとに15回の「自重スクワット」をはさみ、あとは8時間座り続ける
- 30分ごとに2分間のウォーキング(時速5km)をはさみ、あとは8時間座り続ける
そのうえで、各実験の前後に筋生検を行い、筋タンパク質合成マーカーを調べたとのこと。
また、スクワットとウォーキングは同じ量のカロリーを消費するように設計し、参加者が食べるタンパク質や炭水化物のバランスも同等になるよう調整したそうです。「こまめな運動が重要!」って研究はこれまでもたくさんあったんですが、筋肉の成長に対する効果を検証した研究は初なので、非常にありがたいですね。
では、結果を見てみましょうー。
- スクワットとウォーキングを行った場合、座りっぱなしの場合よりも筋タンパク質の合成率が有意に高かった(≒筋肉が増えやすくなった)
- 筋タンパク質合成に関連するいくつかの分子マーカーは、グループ間で有意な差はなかったが、「リボソームタンパク質s6」と呼ばれる1つのマーカーは、スクワットを行った場合にもっとも多く発現していた
ということで、1日のなかでスクワットとウォーキングを定期的にはさんだ人は、座りっぱなしの試験と比較して、筋タンパク質の合成率が高かったそうな。簡単に言えば、ときどき座りっぱなしを中断して短時間の運動を行うことで、筋肉量の維持が促進され、筋肉サイズも上がるかもってことですね。
もちろん、それぞれの実験は8時間ずつしかやってないので、長期的に筋肉が大きくなるかどうかはわからんのですが、おそらく普通に考えれば長期的にも意味がある結果が出るだろうと思っております。ジムには通っているんだけど、それ以外では長時間座っていることが多い人は、筋肉と代謝の健康をサポートするために、定期的に短時間の軽いアクティビティを行うのは十分ありじゃないかと。
ちなみに、このような断続的な軽い運動の効果は、ほかにもいろいろと確かめられていて、
- 1日あたりの歩数が3000歩未満の人は、8000歩以上歩いた人よりも、高脂肪な食事をしたあとの脂肪を燃やす能力が大きく低下していた(R)。
- 別の研究(R)では、4日間続けて1日あたり1650歩しか歩かなかった人は、1日17,000歩を4日間継続した人よりも、やはり血中の脂肪が燃えにくくなった。
ということでして、やはりこまめな運動って欠かせないんだなーと思うわけです。それも、2分のウォーキングや15回のスクワットぐらいの軽い運動をはさむだけでもだいぶ違いますんで、ぜひお試しください。