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人生の成功に欠かせないセルフコントロール能力を2週間で高める3つのステップ



「セルフコントロール能力が高いと、いろいろ良いことが多いよなー」ってのは、よく言われる話です。ざっと主だったデータを見てみると、

 

  • 肥満のリスクが減少-衝動制御能力が高く、満足を遅らせる能力が高いことが一因 (R)
  • 筋力と有酸素運動のフィットネス向上(R)
  • 危険行為や犯罪行為に関与する可能性が低い(R)
  • 収入や仕事への満足度も高い(R)

 

みたいなものがあったりします。まぁ自分をコントロールするのが上手かったら、良いことばかりなのは当然ですよね。

 

ある研究によれば、人は1日に5つの欲求のうち2つは我慢しているとのこと(R)。つまり、人間は平均的な1日の大半を、自分の欲求をコントロールするために費やしていることになるわけっすね。

 

ここでセルフコントロール能力がない人の場合は、自分の欲求の70%を行動に移したのに対し、セルフコントロール能力がある人の場合は、この割合はわずか17%に低下したそうな。おおよその平均だと、人は1日8時間ぐらい欲求とのバトルを続け、そのうち3~4時間は欲望に打ち勝てるものの、30分は欲望に屈しているらしい。人生はほぼセルフコントロールの連続だ!って感じですね。

 

ちなみに、セルフコントロール能力については、かつては「自制心は筋肉のようなもので、使えば使うほど疲れてくる!」などと言われておりました(R)。たとえば、お菓子を食べたい衝動に抵抗すればするほど、どんどん意志力は下がっていくようなイメージっすね。

 

が、その後で、セルフコントロール能力って筋肉とは違って、私たちの態度や信念のほうが大事なんじゃないのかと言われてたりします(R)。意志力が無くなったと思っても、モチベーション管理がうまい人や、「自制心は無限だ!」と信じている人は、意志力のパフォーマンスが常に高かったりする傾向があるんですよ。

 

これはどっちが間違いだって話ではなく、おそらくセルフコントロール能力を発揮するには、モチベーション管理と自制心のリソース管理の両方が不可欠だってことなんでしょうな。

 

で、かように重要なセルフコントロール能力ですが、よく言われるのが、意識的にセルフコントロールのトレーニングを行うことで、欲望に勝つ力を強化できるのだって考え方です(R)。くり返しの筋トレで筋肉を強化できるように、いくつかのセルフコントロール活動に2週間ぐらい取り組むことで、自制心が高まることが研究で示されているんですよ。

 

似たような話は過去にもブログで取り上げたんですけど、そういえば基本的なステップとして説明してなかったので、あらためて基本をまとめておきます。セルフコントロール能力を上げたい方は、ぜひ以下のトレーニングをお試しあれ。

 

 

ステップ1:毎日のセルフコントロール活動を行為を選ぶ

まずは、毎日できる「セルフコントロール活動」をひとつ選びましょう。この活動ってのは、自分にとって小さくて扱いやすいものであれば何でも良くて、あなたが「これなら毎日自制心を発揮できるな……」と思えればOKです。

 

セルフコントロール活動の例は、以下のような感じです。

 

  • 体に悪い食べ物を我慢する
  • 定期的に運動する
  • お金を節約する
  • 良い姿勢をキープする
  • 他人の会話をさえぎりたい衝動を抑える
  • SNSで他人を罵倒したい衝動を抑える
  • 朝起きたらベッドを整える
  • 朝にネットニュースを見たい衝動を抑える

 

 

ステップ2:誰が、何を、どこで、いつするかを決める

あなたが選んだセルフコントロール活動について、以下のポイントを決めてください。いつ、どこで、何を行うかを決めておかないと、なかなか実践しませんからねぇ。

 

  • その活動は、どこで行うのか?
  • その活動は、いつ実行するのか? 1日のどのタイミングで行うのか?
  • 他に誰か参加する人はいるか? もしいるなら、それは誰か?
  • その活動は、どのように終えるのか?

 

 

ステップ3:毎日のセルフコントロール活動を記録する

最後に、毎日の自制心を記録してください。その行為を無事に完了できたらチェックマークをつけ、その行為を完了するのに必要だった意志力のレベルを10点満点で採点しましょう(1=ほとんど意志力を必要としない、10=多大な意志力を必要とする)。

 

1つのセルフコントロール活動を続ける期間は2週間です。この期間に、意志力の採点がずっと5点以下だったら、その活動は自分にとって簡単過ぎるので、もうちょい難しいタスクに切り替えてください。逆に、採点がずっと9点以上(またはほとんど成功しない)な場合は、その活動は難易度が高すぎるので、もうちょい簡単なタスクにしてみるといいでしょう。

 

ここでのポイントは、あくまで小さなセルフコントロール活動から始め、そこから少しずつレベルを上げていくところです。小さな活動を繰り返し成功させることで、勢いと自己効力感が増し、より大きなセルフコントロール能力につながっていきますんで。どうぞお試しあれー。

 


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1976年生まれ。サイエンスジャーナリストをたしなんでおります。主な著作は「最高の体調」「科学的な適職」「不老長寿メソッド」「無(最高の状態)」など。「パレオチャンネル」(https://ch.nicovideo.jp/paleo)「パレオな商品開発室」(http://cores-ec.site/paleo/)もやってます。さらに詳しいプロフィールは、以下のリンクからどうぞ。

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