今週の小ネタ:月経の痛みがオメガ3サプリで改善? ゴースティングでメンタルだだ下がり? 重い毛布でADHDの睡眠障害が改善?
ひとつのエントリにするほどでもないけど、なんとなく興味深い論文を紹介するコーナーです。
月経の痛みがオメガ3サプリで改善?
魚の脂を使ったサプリには、昔からわりと良い報告が多いわけですが、新たに女性の月経困難症にもメリットがあるんじゃないか?ってメタ分析(R)が出ておりました。
月経困難症は、月経のあいだにお腹が痛くなったり、睡眠の質が下がったり、気分が低下しちゃう現象のこと。その原因はいろいろありますが、いまのところは痛み止めでどうにかするのが一般的でしょうか。なので、この問題に少しでもサプリが役立つなら、まことにありがたいことなんですよね。
ってことで、研究チームは、フィッシュオイルと月経痛の先行研究から、質が高めな12件をピックアップ。参加者の数は881人で、EPAとDHAを合わせて300~1,800mgのオメガ3をふくむフィッシュオイルを使っております。実験の期間は2〜3カ月ぐらいが多め。
でもって、結果はこんな感じでーす。
- フィッシュオイル(オメガ3)のサプリは、月経痛を有意に軽くする!(効果量は-1.020)
- フィッシュオイルを飲むと、痛み止めの使用量も減る!
- フィッシュオイルで副作用が出るケースはほとんどない。
ということで、これを見る限り、「これなら試す価値は十分にあるじゃないの!」って印象ですね。ちょっと効果が出やすい人にバラつきがあるので、そこはセルフチェックしてもらうしかないものの、これはなかなか希望が持てるデータです。
ちなみに、何度か書いてるとおり、フィッシュオイル系のサプリは商品選びが難しいんですけど、2016年に書いた「ようやく使ってもよさげなオメガ3サプリが2つ見つかった件」で取り上げた商品はまだ推奨できますんで、気になる方はこちらをお使いください。どうぞよしなに。
いきなり相手との連絡を絶つとメンタルだだ下がり
近ごろ心理系の研究でよく名前を見るのが「ゴースティング」って単語です。これは「説明なしに相手との連絡を絶つこと」を意味していて、ネットのおかげでゆるい人間関係が増えたせいか、近年とみに話題にのぼるようになってたりします。確かに、いちいち人間関係を絶つ連絡をするよりは、いきなり対話を打ち切る方が心理的なプレッシャーは少なそうですもんね。
では、このようなゴースティングは、私たちのメンタルにどんな影響があるのかってことで、そのへんを調べてくれるデータ(R)が発表されておりました。
これはドイツの10代と20代の若者415人を対象にした研究で、「カジュアルな友人関係の相手に、その相手が理由を知らないうちにソーシャルメディア上で突然完全に返信をしなくなったことがありますか?」などのアンケートを実施。ゴースティングの回数をチェックしたうえで、みんなのメンタルがどのように変わったのかを調べたんだそうな。
すると、やっぱりゴースティングはメンタルに良くないようで、
- ゴースティングをした若者は、4ヵ月後にうつ病になりやすい!
- なぜか、恋愛パートナーへのゴースティングには、うつ病との相関が見られなかった(まぁ友人をいきなり絶つ人よりは、恋愛をいきなり絶つ人の方が、周囲への評価が悪化しづらいのかもしれませんが)
って結果だったらしい。ゴースティングってのは、された側だけでなく、した側のメンタルにも悪影響が大きいってことですな。
ちなみに、この研究では、ゴースティングが発生する理由として、
- 相手からスピーディな返信を期待されると、ゴースティングが起きやすいのでは?
- 自尊心が高い人ほどゴースティングをしやすいのでは?(自尊心が高い人ほど、オンライン上の行動をコントロールしようとする傾向があるかららしい)
といったあたりが挙げられておりました。自尊心が高めな人に返信のプレッシャーをかけると、ゴースティングが発生しやすいってことですかねぇ。
研究チームいわく、
ゴースティングはよくあることだが、それが普通になっているのなら、考え直すべきだろう。そうすれば、他人に危害を加えずに済むだけでなく、自分にとってもプラスになる。
とのこと。これは、私のような回避型のコミュニケーションスタイルを取る人は、頭に置いといたほうが良さそうっすね。
重い毛布でADHDの睡眠障害が改善?
重い毛布を使うと睡眠が改善する!って話があって、私も一時期よく7kgのブランケットを使ってたりしました。さすがに取り回しづらいので使わなくなっちゃいましたけど、確かに快眠の効果はあったなーとか思っております。重い毛布を使うと、安心感を得られていいんですよね。
でもって、新しいデータ(R)も久しぶりに重い毛布の話題で、まず結論から言ってしまうと、
- 重い毛布でADHDの子どもの睡眠が大きく改善したぞ!
みたいになります。具体的には、ADHDの子ども94名を対象にした試験で、
- 重い毛布を使って寝てもらうグループ
- 普通の軽い毛布で寝るグループ
に分けて、みんなの睡眠の質をモニタリングしたんだそうな。すると、重い毛布を使用った子供たちの睡眠時間と、入眠後の覚醒時間に大きな改善が見られまして、だいたい16分ぐらい覚醒時間に改善が見られたらしい。これはなかなかの改善ぶりじゃないでしょうか。
もちろん、このような実験は盲検化が難しいので、実験に参加した親の期待が子どもに影響した可能性はなきにしもあらず。ここは注意したいポイントではありますが、やっぱ加重ブランケットってのは、快眠アイテムとして希望が持てるなーと思った次第です。