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【質問】代謝が悪くて汗をかかない、皿洗いで瞑想、脂漏性湿疹を改善するライフスタイル、シッサスはダイエットに効くか

 

このブログには読者さまからの質問が定期的に届くんですが、「この回答は1つのエントリにまとめるほど情報量がないなー」ってものがいくつかありますんで、そこらへんをピックアップして、まとめておきまーす。

 

 

代謝が悪くて汗をかかないのですが

私は、25才の女ですが、代謝が悪く、普段から汗をかかないのです。ブログにあったことなどを実践しましたが効果が見られず、少し効果があったHIITはマンションに引っ越したためできなくなりました。

 

今後のことや、ダイエットを考えるとこの代謝の悪さは不安になります。この年でもできる代謝改善の習慣、マンションでも追い込めるHIITはあるでしょうか。

 

まず「マンションでも追い込めるHIIT」については、以前に「静かに室内でHIITを行う方法はないでしょうか?」ってエントリを書いてますんで、 こちらを参考にしてください。 可能な限り音を立てないメニューでプログラム組んでますんで。

 

で、汗をかかない問題についてですが、 こちらについては何とも言いがたいところです。 と言うのも、汗をかかない原因は、代謝の悪さだけにとどまらず、他にも無数の要因が考えられるからです。たとえば、

 

  • 先天的に遺伝子の問題がある(汗腺が先天的に少なかったりとかファブリー病とか)
  • 皮膚の状態がトラブっている(乾癬とか)
  • 中枢神経系がトラブっている(ストレスで自律神経系がうまくはたらいてなかったりとか)

 

みたいな感じですね。これはあくまで 原因の1部でして、今回の質問だけだと、本当に代謝の問題なのかは、 判断しづらいところです。

 

もし不安なのであれば、病院で体温調節や 交感神経の反応などを調べるテストをしてくれますので、 そちらをお試しいただくのもいいんじゃないでしょうか? まぁ他人よりもちょっと汗の出が悪いなぁぐらいの問題であれば、HIITを 続けることで改善する可能性もありますので、上記のプログラムをお試しください。

 

 

 

皿洗いで瞑想をする場合の注意点

作務の際にDMNの活動量が上がり、食事や皿洗いよりも思考のほうが意識を向けやすいのですが、食事や皿洗い中に発生する思考を観察するやり方でも問題ありませんか?

 

質問の中にある「作務」「DMN」ってのは拙著「無(最高の状態)」に 出てくるワードでして、

 

 

  • DMN:ぼんやりと安静にしている状態で、脳が行なっている神経活動のこと。 うまく使うと創造性アップに貢献するが、下手に使うとメンタルの悪化につながる。

 

みたいな感じです。 要するに、家事を使った瞑想の最中に、皿洗いで感じられる水流やスポンジの感覚に意識を向け続けるべきか、それともその最中に浮かぶ感情や思考を観察するべきかといった疑問ですね。

 

これについては、ぶっちゃけどっちでもいいです。マインドフルネスと言うのは、現在の時点で起きていることに対して意識を向け続けることなので、その条件さえ満たしていれば、 集中する対象は何でも構いません。

 

まぁ、せっかく皿洗いで瞑想するのだから、家事に意識を向け続けてみたほうが新しい発見があって楽しかったりしますけど(皮膚を流れるぬるま湯の感覚ってこんな感じだったのか!みたいな)、そこはあくまで個人の趣味の問題ですね。

 

 

 

脂漏性湿疹を改善するライフスタイルは?

10年ぐらい前から頭が痒くて、掻くと粉のようなフケがポロポロ落ちてくるようになりました。病院で診てもらったら「脂漏性湿疹(脂漏性皮膚炎)」と診断されました。

 

思い返してみれば昔から眉も痒くてフケが出るし、小鼻の横やこめかみあたり、股間、耳も痒くて赤くなっています。処方してもらったステロイド入りの塗り薬を使ったらバッチリ効いて痒みもフケも収まったのですが、お医者さんによると治ることはなくて薬を使って症状を抑えるしかないとのことでした。


実際に塗り薬が切れると症状が復活します。検査でカビ菌や水虫菌はいないとわかってホッとしたものの、治らないと言われるとショックです。

 

鈴木さんに質問なのですが、たとえば運動や腸内環境の改善などによって脂漏性湿疹がよくなったという論文はありますでしょうか?どうにか症状をおだやかにしたいと思っており、自分にできることはないかと暗中模索しています。

 

これはお医者さんのおっしゃるとおりで、脂漏性湿疹ってのは完治が難しい症状なんですよねぇ。塗り薬で押さえ続けるしかないのが現状で、気落ちしちゃうのも無理ないですね。

 

でもって、運動や腸内環境の改善で症状がどうなるか?と言われれば、判断が難しいところです。いちおう脂漏性湿疹ってのは特定の菌への炎症なので、健康なライフスタイルはすべて症状の抑制に効くだろうとは思いますが、「これをやれば改善する!」ってのはないんですよ。

 

ただし、そんな状況でも言えるのは、脂漏性皮膚炎への影響が最も大きいライフスタイル要因は“ストレスだってところです。これは割と意見が一致する話で、

 

  • 仕事のストレス
  • 疲労
  • ホルモンの変化
  • 寒く乾燥した天候、または季節の変わり目

 

のようにストレスフルな状況では、どうしても症状が出やすくなりますんで。なので、このブログでよく書いているストレス解消法は、すべてお役に立てるでしょう。たいへんだとは思いますが、脂漏性皮膚炎の症状を抑えることは難しくありませんし、専門家のアドバイスがあれば、外用薬を長期間使用しても安全なので、『うまくつきあって行くか!』ぐらいの気持ちで臨んでいただければと。

 

 

 

シッサスはダイエットに効くのか?

シッサスというブドウ科の植物から抽出される成分がリパーゼを抑制してダイエットに効くと韓国系サプリであったのですが、シッサスという成分は、エビデンスはありますか?

 

シッサスはアーユルヴェーダで昔から使われてきた植物で、一説には、ダイエットに効くとかコレステロールの改善作用があるなどと言われております。様々な生理活性物質を持っているんで、健康にも 良いのではないかと言われてるんですね。

 

では、 実際の効果はどういうものかと言うと、 現段階での科学的な根拠は限られていて、十分に構造化されたヒト試験はほとんどなかったりします。いまの時点で 有名な研究は一件(R)のみで、

 

  • 153人の男女に300mgのシッサス(2.5%ケトステロイド)、または1日15mg、さらにはCORE(シッサス+緑茶+大豆アルブミン、クロム、ビタミンB群)って3つのグループを設けたところ、シッサスを1日300mg摂取したグループは体重が有意に減少したが(6週間で118.6kgから113.8kg)、脂肪量には変化がなかった。

    また、総コレステロールと中性脂肪にも有意な減少が認められたが、LDL-Cは有意ではなかった。

 

みたいな結果になっております。いちおう有意な結果は出ているものの、いまのところ目立った実験はこれぐらいだし、参加者はめっちゃ肥満体の人だけだし、この研究ではカロリー制限も組みあわせているしで(1日2100kcal) 、正直、まだダイエットのために買うレベルではないかなーという印象ですね。


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1976年生まれ。サイエンスジャーナリストをたしなんでおります。主な著作は「最高の体調」「科学的な適職」「不老長寿メソッド」「無(最高の状態)」など。「パレオチャンネル」(https://ch.nicovideo.jp/paleo)「パレオな商品開発室」(http://cores-ec.site/paleo/)もやってます。さらに詳しいプロフィールは、以下のリンクからどうぞ。

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