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ウコンの力は本当に効くのか?

酒飲みは「ヘパリーゼ」に金を出してはいけないよ」なんて記事を書きましたが、じゃあウコンの力はどうなんや!と思って調べてみました。




1・ウコンが肝臓に良いのは間違いない


ウコン否定のページはいくつかあって、その急先鋒がこれ。

そんなものが体にいいと本気で思ってんの?[Webマガジン 月刊チャージャー]
ウコン全否定



それではウコンはどの部分の肝機能に改善作用があるんじゃ? ワシャわからん。言えることは、もしウコンで肝機能良くしたらコレステロールが上がってメタボになっちまうじゃねーか。はたしてどこが体にいいモノなんじゃ? まあ、現実にはコレステロールは上がらない。はっきり言ってそんなモノ、「効果がない」からじゃ。


と、かなりバッサリであります。

ただし、調べてみるとウコンが肝臓に良いというデータは結構あるんですな。

Turmeric can help regenerate the liver, groundbreaking new research
ウコンが肝臓を再生させる



ウコンに入っているクルクミンが、ダメージを受けた肝臓を再生してくれるらしい。すげー。

さらに2013年には「ウコンがアルコールでダメージを受けた脳の機能を回復する」なんて研究も。

Protective effect of curcumin against chronic alcohol-induced cognitive deficits and neuroinflammation in the adult rat brain
ウコンがアルコールでダメージを受けた脳の機能を回復する



2012年には、ウコンサプリを使った人体実験が行われて、糖尿病のリスクを減らす効果も確認されている模様。

Curcumin capsules found to curb diabetes risk | Reuters
クルクミンのサプリは糖尿病の危険を減らす





2・ただしウコンは体に吸収されない

やっぱウコン体にいいんじゃん!って話ですが、ただし上で行われた実験はクルクミンが250ミリグラムも入ったカプセルを1日6個も飲み続けるというスパルタンなものでして、クルクミンが30ミリグラムしか入ってない「ウコンの力」とは戦闘力が違う感じ。

 

さらに問題になるのが、クルクミンの吸収率の悪さ。なにせ「1日12グラムのクルクミンを飲んでも安全!なぜなら人体にほとんど吸収されないから!」って研究があるぐらいなんですよね。

Bioavailability of Curcumin: Problems and Promises - Molecular Pharmaceutics (ACS Publications)
クルクミンの生物学的利用



ただしクルクミンは油に溶けるので、オリーブオイルで炒めたり、大豆や卵にふくまれるレシチンと一緒に摂れば吸収率が全然アップするらしい。つまり、ウコンはカレーとして食うのがいいってことですな。

3・まとめ:もう「ウコンの力」は買わない

そんなわけで、本日のまとめ。

  • ウコンはやっぱり肝臓に良い
  • ただしウコンは体に吸収されない
  • 「ウコンの力」はクルクミンの量が少ない上に、とくに吸収率を上げる工夫もない
  • 個人的は「ウコンの力」を飲み会に使うのは止めておく
  • ウコンを摂るならカレーを食べるか、レシチンが一緒に入ったサプリを使う

ということになりました。とりあえず私は今後「ウコンの力」は買いません

ただ、レシチンが入ったクルクミンサプリに関してはまだ希望がありそうなので、こちらはまた別に試してみることにします。というか、そんなに調べる前に深酒を止めろよって話だけど!




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1976年生まれ。サイエンスジャーナリストをたしなんでおります。主な著作は「最高の体調」「科学的な適職」「不老長寿メソッド」「無(最高の状態)」など。「パレオチャンネル」(https://ch.nicovideo.jp/paleo)「パレオな商品開発室」(http://cores-ec.site/paleo/)もやってます。さらに詳しいプロフィールは、以下のリンクからどうぞ。

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