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「仕事がやりたくない…」の大原因「非正当タスク」を解決する4ステップ

   

 

「この仕事、なんで自分がやってるんだろう……」みたいな瞬間ってあるじゃないですか。たとえば、意味があるのかよくわからない書類作成、誰の責任なのか曖昧な雑用、明らかに自分の役割から外れている尻ぬぐい……みたいなやつで、いわゆる「ブルシットジョブ」ってやつですな。

 

まぁ、当然ながら、世の仕事なんて大半が面倒な作業の連続なわけですが、それでもこういった仕事が我々のモチベーションを下げてくるのは事実。近ごろの職業心理学では、こういう仕事を「非正当タスク(illegitimate tasks)」と呼びまして、

 

「これ、自分がやるべき仕事なの?」
「これは明らかに不公平では?」
「こんな無駄な作業、そもそも必要ある?」

 

と感じるようなタスクの悪影響が指摘されるケースが増えてるんですな。

 

で、新たに東フィンランド大学から出てきた研究(R)もこのテーマを扱ってまして、非正当タスクが仕事のモチベーションにどう影響するかを調べてくれております。具体的には、411人のビジネスパーソンを対象に、1年間にわたって複数回のオンライン調査を行い、非正当タスクと仕事への動機づけの関係を追跡した感じっすね。

 

その結果、何がわかったかと言いますと、

 

  • 非正当タスクが多い人ほど、アモチベーション(無動機)が高くなりやすい。
  • そして、アモチベーションは、「私は攻撃されている!」という感覚によって起きていた。

 

みたいになります。アモチベーションってのは、簡単に言えば「もう、なんのためにやってるのかわからん」という状態でして、非正当タスクがこの状態を引き起こすのは当たり前でしょうな。

 

ただし、この結果で興味深いのが、ここでアモチベーションが「攻撃されている感」によって発生してるって結論が出てるとこでしょう。なんでも非正当タスクってのは、単に「面倒くさいからモチベーションが下がる」みたいな話ではなく、このような仕事ってのは、指示された側に対して、

 

  • この会社は、私の時間は軽く扱っていいと考えている
  • この会社は、私の専門性は尊重しなくていいと考えている
  • この会社は、私が困っても気にしないと考えている

 

みたいなメッセージとして伝わってしまい、それによってモチベーションの低下を引き起こすみたいなんですな。非正当タスクは単にめんどい作業ではなく、自己への攻撃として感じられちゃうわけですね。確かに、そうかもですなぁ。

 

ただし、この研究には希望もありまして、データをよく見てみますと、自律的なモチベーションが高い人ほど、その後に非正当タスクを抱え込みにくくなる傾向も見られたんですよ。つまり、最初は「なんで自分がこんな仕事を……」と思うような状況でも、自分の役割や価値観をちゃんと言語化しておくと、不合理なタスクを減らしたり、仕事の意味を再設計したりできる可能性があるってことですね。そこで、ここでは非正当な仕事に立ち向かうために、以下のような手順で対策してみるといいでしょう。

 

 

対策1:まず「嫌な仕事」を2種類に分ける

非正当タスクへの最初の対策は、嫌な仕事をひとまとめにしないことであります。おすすめは、以下の2分類でして、

 

種類特徴対応
正当だけど嫌な仕事面倒だが、役割上は必要効率化・習慣化・意味づけ
非正当な仕事不要・不公平・役割外に感じる交渉・削減・境界線づくり

 

みたいになります。たとえば、経費精算は面倒なもんですが、仕事を回すうえで必要なら「正当だけど嫌な仕事」になります。一方で、誰かのミスを毎回なぜか自分だけが処理しているとか、上司の思いつきで意味不明な資料を量産させられるなら、これは非正当タスクの可能性が高いと考えられましょう。まずはこの区別をするのが対策の第一歩であります。

 

 

対策2:「これは必要ですか?」を攻撃ではなく確認として出す

続いて、非正当タスクに対しては、いったんタスクの必要性と優先順位を確認してみましょう。ただし、いきなり「それ、私の仕事じゃないですよね?」と返すと、まあまあ角が立っちゃうんで、最初は確認の形にするのがよろしいでしょう。たとえば、

 

  • 「この作業の目的を確認してもいいですか?」
  • 「最終的に何に使う資料でしょうか?」
  • 「優先度としては、いま進めているAと比べてどちらが高いですか?」
  • 「今後も私が担当する想定でしょうか?」

 

みたいな感じっすね。ここでのポイントは、「嫌です」と言うのではなくタスクの正当性を可視化することでして、こうすると実は相手もよく考えていなかったことが判明したり、「じゃあ今回は不要で」となったりしますんで。非正当タスクを指示してくる側も、決して悪意があるわけじゃなくて、だいたい仕事の振り方が雑なだけだったりしますんで、まずはそこらへんを言語化するだけでも、けっこう効果があるはずであります。

 

 

対策3:意味づけできるものは“正当化”する

もちろん、すべての嫌な仕事を消せるわけがないんで、その場合はタスクを自分の価値観に接続して、正当な仕事として再定義するのも有効であります。たとえば、

 

  • 書類作成 → 判断の精度を上げるための情報整理
  • ダブルチェック → ミスを防ぐプロ意識の訓練
  • 顧客対応 → 現場のニーズを拾うリサーチ
  • 雑務 → 組織のボトルネックを観察する機会

 

みたいに、少しでも自分の目的に接続してみるわけですね。これは「何でもポジティブに考えよう!」って話じゃなくて、その仕事が本当に自分の価値や成長に接続できるかを見極めるのが大事だよーってことです。

 

対策4:「自分の仕事の輪郭」を言語化しておく

非正当タスクに飲まれやすい人は、そもそも自分の仕事の輪郭が曖昧になっていることが多め。そこで、対策のために、以下の3つを書き出しておくと便利でしょう。

 

  • 自分の主要な役割:本来、何に責任を持っているのか?
  • 成果につながる仕事:どの作業が本当に価値を生んでいるのか?
  • 引き受けすぎている仕事:本来は誰がやるべきなのか?

 

これをやっておくと、「なんとなく頼まれたからやる」が減りますんで、ぜひ事前にやっておきたいところっすね。

 

ってことで、いろいろ書いてきましたが、なにより大事なのは「これは嫌だけど、自分が引き受ける意味がある」「これは嫌なうえに、引き受ける正当性がない」って線引きをちゃんとしておくことでしょうな。この区別ができれば、あとは後者は交渉して減らせばいいだけなんで。お試しくださいー。

 


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1976年生まれ。サイエンスジャーナリストをたしなんでおります。主な著作は「最高の体調」「科学的な適職」「不老長寿メソッド」「無(最高の状態)」など。「パレオチャンネル」(https://ch.nicovideo.jp/paleo)「パレオな商品開発室」(http://cores-ec.site/paleo/)もやってます。さらに詳しいプロフィールは、以下のリンクからどうぞ。

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