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仕事中の座りっぱなしを防ぐなら「45分ごとに3分動く」のがいいぞ!という研究の話


座りっぱなしが体に悪い!ってのは、もはや健康界隈ではおなじみの話。長時間イスに座っている人ほど、2型糖尿病や心血管疾患などのリスクが高い傾向がありまして、現代人の生活習慣としては無視できない問題であります。かくいう私も、仕事中はほぼパソコンの前にいるんで、スタンディングデスクを使ってこの問題を防ぐように心がけております。

 

でもって、この問題について考える時に最も気になるのが、

 

長時間座ったとしても、あとで30分ぐらいまとめて運動すれば帳消しにできるのか?

 

という問題でしょう。というのも、「毎日ちゃんと運動してるから、仕事中は座りっぱなしでも大丈夫!」って考え方に物言いがつくことが多く、近年の研究では、運動時間の合計だけでなく、座っている時間をどのように中断するかも重要なんじゃないの?と考えられてるもんで。

 

ってことで、割と最近になって、「30分まとめて歩く場合」と「3分ずつ小分けに動く場合」の健康メリットを比べた研究が出てておもしろかったです(R)

 

研究チームが集めたのは、BMI約29の肥満気味な男性18人。参加者には、別々の日に以下の4パターンで8時間半を過ごしてもらったそうな。

 

  1. 座りっぱなし:8時間半、できるだけ動かずに座る
  2. 30分歩行:途中で時速4kmのウォーキングを30分行う
  3. 3分歩行:45分ごとに3分歩き、合計10回行う
  4. 3分スクワット:45分ごとに3分間スクワットし、合計10回行う

 

ご覧のとおり、運動を行った3グループは、いずれも運動時間の合計が30分なとこは同じ。ただし、30分を一度に行うか、3分ずつ10回に分けて行うかってとこが違うわけっすね。

 

さらに、研究チームは運動で消費されるエネルギーをできるだけそろえ、実験中の食事も統一。大きな筋肉に筋電図をつけ、下半身の筋肉がどれぐらい活動したかも測定したんだそうな。

 

で、8時間半にわたる食後血糖の変化を調べたところ、結果は以下のようになりました。

 

  • 座りっぱなし:10.2 mmol/L/h

  • 30分まとめて歩く:9.2 mmol/L/h

  • 3分歩行を10回:7.9 mmol/L/h

  • 3分スクワットを10回:7.9 mmol/L/h

 

これは、数値が低いほど、食後の血糖上昇が抑えられたことを意味しております。つまり、どの運動も座りっぱなしよりは良かったものの、30分まとめて歩くより、45分ごとに3分間動いたほうが血糖コントロールは良好だったわけですな。運動時間も消費エネルギーもだいたい同じなのに、動くタイミングを分散させるだけで違いが出たのがおもしろいところですね。

 

となると「なぜ小分けの運動のほうが有利なのか?」ってとこが気になりますが、研究チームが筋電図のデータを分析したところ、

 

  • 太ももの筋肉とお尻の筋肉の活動量が多いほど、食後血糖の上昇が小さい!

 

って傾向が見られたんだそうな。これは当然の話で、下半身のデカい筋肉ほど、収縮するときに血液中のブドウ糖を大量に取り込みますんで。そのため、45分ごとに歩いたりスクワットしたりすると、食事で血糖値が上がるタイミングに合わせてブドウ糖をより多く使ってくれるわけです。

 

さらに、座った状態から立ち上がる動作そのものも、下半身の筋肉を使いますからね。小分けに運動したグループは、この動作を何度も繰り返しているため、そのぶん筋肉への刺激も増えたのかもですな。

 

そんなわけで、今回の研究から使える知見を得るなら、以下のような方法が考えられるでしょう。

 

  • 45~60分ごとにタイマーを鳴らす

  • 3分ほど室内や廊下を歩く

  • 外に出られなければ、その場でスクワットする

  • 飲み物やトイレの用事をまとめず、こまめに立つ

 

まぁ、慣れてないと3分間のスクワットはキツいかもしれませんので、その場合は、イスからゆっくり立ち上がる動作を繰り返したり、その場で足踏みしたりするだけでもOK。ここでめっちゃ重要なのは、45分って数字をガッツリ守ろうとすることより、長時間まったく筋肉を使わない状態を減らすことですんで。

 

ちなみに、この実験は参加者が18人だけだし、全員が肥満ぎみの若い男性だったんで、そこはご注意あれ。その他の属性の人たち(高齢者とか標準体重の人とか)でも、同じような結果になるかはわかりませんので。

 

あと、この実験をもとに、「30分まとめて運動しても意味がない!」みたいに解釈しないように気をつけてくださいませ。今回の実験でも、30分歩いた場合は、座りっぱなしよりも確実に血糖状態が改善してましたからね。

 

あくまで今回の実験のポイントは、

 

30分の運動をしたうえで、座りっぱなしも細かく中断すると、さらにメリットが得られるかもしれない

 

ってところでしょう。なので、仕事の前後に運動するだけでなく、仕事中にも3分ほど動くってのは、おそらく良い介入なんじゃないでしょうか。地味な方法ではありますが、デスクワーカーの血糖対策としては、わりと試しやすいのではないかと。


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1976年生まれ。サイエンスジャーナリストをたしなんでおります。主な著作は「最高の体調」「科学的な適職」「不老長寿メソッド」「無(最高の状態)」など。「パレオチャンネル」(https://ch.nicovideo.jp/paleo)「パレオな商品開発室」(http://cores-ec.site/paleo/)もやってます。さらに詳しいプロフィールは、以下のリンクからどうぞ。

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