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ストレスで肌が荒れる!って説はどこまで本当か?を調べた研究の話

  
 

ストレスがたまると肌が荒れる!」みたいな話が昔からあるわけです。メンタルと皮膚の状態はつながっていて、ストレスや不安が強くなるほど、肌のトラブルも悪化しやすい!みたいな考え方ですな。

 

たしかに、実感としても忙しい時期ほどニキビが増えたり、かゆみが強くなったりする人は多い気がするわけですが、果たしてこの考え方は正しいのかってことで、ブラジルで行われた良い研究(R)が出ておりました。

 

これは、ブラジルに住む成人305人を対象にしたオンライン調査で、参加者の平均年齢は約28歳で、全体の72%ほどが女性だったそうな。調査では、参加者に以下のような質問票へ回答してもらっております。

 

  • 不安、抑うつ、ストレスの強さ
  • 皮膚の問題が仕事や人間関係、日常生活に与える影響
  • ケフィアやコンブチャ、味噌などのプロバイオティクス食品を食べる頻度

 

でもって、すべてのデータをひっくるめて分析して、どんな結果が出たかと言いますと、

 

  • 不安や抑うつ、ストレスの数値が高い人ほど、皮膚の問題による生活への悪影響も大きい傾向が確認された!

 

だったそうです。これまで言われてきたとおり、やはりメンタルの状態が悪い人ほど、皮膚の問題にも悩みやすい傾向があるわけですな。

 

とはいえ、データを見てみると、両者の関連は「弱いが統計的には有意」というレベルなんで、そこは注意したいところっすね。なので、ここから言えるのは、メンタルが悪い人は必ず肌も悪いわけではないものの、両者は完全に無関係でもなさそう………ぐらいの解釈になるでしょうな。とりあえず、美肌を目指す人はメンタルもケアしたほうがよさげ。

 

では、なぜメンタルと肌はつながるのか?ってとこが気になりますが、ここで近年よく言われるのが「腸・皮膚・脳軸」って考え方であります。これがどういう話かと言いますと、私たちの、

 

  • 腸内環境
  • 皮膚
  • 脳や神経系

 

ってのは、それぞれが独立して働くのではなく、免疫系やホルモン、神経などを通して影響し合っている、みたいなモデルなんですな。

 

これがどういうことかと言いますと、たとえば、

 

  1. 強いストレスが続く
  2. 体内でコルチゾールなどのストレスホルモンが増える
  3. 皮膚のバリア機能や免疫反応に変化が起きる
  4. ニキビや湿疹、乾癬などの炎症性疾患が悪化!

 

みたいな流れですね。これが続いちゃうと、

 

  1. ストレスで肌が荒れる →
  2. 肌が荒れてさらにストレスが増える!

 

という嫌な悪循環が起きる可能性があるわけです。もちろん、「ストレス→肌荒れ」って流れだけではなく、皮膚症状や慢性的なかゆみがあるせいで他人の視線が気になったり、外出を避けたくなったりして、不安や抑うつが強まるっていう逆のメカニズムもあるでしょうが、いずれにしても、肌とメンタルが双方向に影響し合う可能性は高いんじゃないでしょうか。皮膚の治療を考える際には、症状そのものだけでなく、自分が感じている不安や生活上の負担にも目を向けたほうがよい、とは言えるでしょうな。

 

ちなみに、研究チームは、プロバイオティクスの摂取頻度についても調べてまして、

 

  • プロバイオティクスを取っているからといって、メンタルや皮膚の状態が良いってことはなかった。

 

みたいな結果だったんだそうな。いちおうおさらいしておくと、プロバイオティクスってのは、ケフィアや発酵食品、サプリメントなどに含まれる、生きた微生物のこと。腸内環境を整えることで、炎症や免疫、さらにはメンタルや皮膚にも良い影響が出ると言われてるんですよ。なので、今回の結果はちょっと残念っすね。

 

ただし、これをもって「プロバイオティクスは肌やメンタルに効かない」とは言いづらいとこがあるでしょうな。というのも、週に1回以上プロバイオティクスを取っていた参加者は、全体の19%ほどしかいなかったみたいなんで。さらに言えば、

 

  • どの菌株を取っていたのか
  • どれぐらいの量を取っていたのか
  • どの程度の期間続けていたのか

 

といった点も統一されてないもんなんで、ここらへんは今回の調査では、プロバイオティクスの効果をうまく検出できなかった可能性もあるぐらいに考えておくのが無難でしょうな。

 

そんなわけで、この研究から何が言えるのか?ってところまとめておくと、

 

  • メンタルと皮膚の状態は、ある程度連動する可能性が高い

  • 肌の治療では、不安やストレスも同時に確認したほうがよい

  • プロバイオティクスの効果については、今回の研究だけでは判断できない

 

といったところでしょう。なので、この研究をふまえて日々のスキンケアに活かせそうな知見を得るのであれば、もし自分の肌荒れが気になったときは、

 

  • ここ最近、仕事や人間関係のストレスが増えていないか
  • 睡眠不足や生活リズムの乱れが続いていないか
  • 肌の症状によって外出や人付き合いを避けていないか
  • かゆみや炎症のせいで、気分の落ち込みや不安が強まっていないか
  • 忙しくなると、ニキビや湿疹、かゆみが悪化する傾向はないか
  • 肌の不調が起きる前に、大きな悩みや環境の変化がなかったか
  • イライラや不安を感じるたびに、無意識に肌を触ったりかいたりしていないか
  • 肌の状態が気になって、鏡を何度も確認していないか

 

みたいなセルフチェックはしてみてもいいでしょうね。肌の不調が続くと、スキンケア用品や食事ばかりを見直したくなりますがその裏に慢性的なストレスが隠れているケースもありえますからね。逆に、不安や気分の落ち込みが続いている人は、皮膚のかゆみや炎症が生活の負担になっていないかを確認してみるのもよさそうであります。


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1976年生まれ。サイエンスジャーナリストをたしなんでおります。主な著作は「最高の体調」「科学的な適職」「不老長寿メソッド」「無(最高の状態)」など。「パレオチャンネル」(https://ch.nicovideo.jp/paleo)「パレオな商品開発室」(http://cores-ec.site/paleo/)もやってます。さらに詳しいプロフィールは、以下のリンクからどうぞ。

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