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男性ホルモンが増えるとモテやすくなるんじゃないか説

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 男性ホルモンで性格はどう変る?

男性ホルモンの量で性格が変わる!って研究は昔からいろいろありまして、たいていは攻撃性が上がったりとか、意外と正直な人間になったりとか、そんな傾向が出てたりします。男性ホルモンは活力の元なので、当然ヒトのパーソナリティも左右するわけですな。

 

 

で、近ごろ出た論文(1)は、男性ホルモン(テストステロン)と性格の関係について調べたなかでは最大級のもので、なかなか参考になりました。

 

 

テストステロンジェルをすりこんでみた

これはペンシルバニア大学などの実験で、243人の男性を対象にしたもの。ほとんどは大学生で、20代の若者が被験者になっております。

 

 

実験では参加者を2つのグループにわけまして、

 

  • テストステロンのジェル(TestoGel)を肩・二の腕・胸に塗り込む
  • ニセのジェルを塗り込む

 

って感じでどんな違いが出るかを見たんですな。

 

 

男性ホルモンが多いとあんま物事を考えなくなる

この実験では、認知内省テストってのが行われてまして、具体的にはこんな問題が出ます。

 

  •  バットとボールは合計で 1.10 ドルします。バットはボールより 1 ドル高いです。ボール は何セントですか?(5セント)
  •  5 つの機械ならば 5 分で 5 つの製品を作れます。100 の機械で 100 の製品を作るには、 何分かかりますか?(5分)

 

当ブログを長くお読みの方であればおなじみの内容ですね。よく考えればそんな難しくないんですけど、脊髄反射で考えるとつい間違えてしまうタイプの問題であります。

 

 

これで何がわかったかと言いますと、

 

  • テストステロンを塗った男性は答えを間違う確率が20%も高かった
  • さらに正答を出した場合も、プラシーボ群より回答スピードが遅かった

 

みたいな感じ。ざっくり言えば、男性ホルモンが多い人は「あんま考えずに決断を下す傾向が高くなる」ってことですな。

 

 

ちなみに、この実験では数学力のテストも行われてまして、こちらでは両グループに差はなかったとのこと。つまり、テストステロンで数学の能力が下がったわけではなく、あくまで衝動的な決断をしやすくなったわけです。

 

 

男性ホルモンが多いと臆しないぶんだけモテる

研究者いわく、

 

この結論は、テストステロンが人間の認知と決断に大きな影響をあたえる事実を示している。これは状況によって良くも悪くもとらえられる。

 

とのこと。要するに、

 

  • テストステロンが増える→直感的な行動をしやすくなる→ガンガン異性にアタックする→モテの確率が上がる!

 

ってメリットがあるいっぽうで、

 

  • テストステロンが増える→直感的な行動をしやすくなる→あんま考えずに仕事をする→失敗の確率が増える!

 

ってデメリットもあるよー、みたいな話です。臆せず行動できる利点がありつつも、同時に無思慮な行動も増えちゃうわけっすな。確かに、男性ホルモンがムンムンな人は、自信満々なイメージがありますかわね。

 

 

まとめ

まぁその意味ではテストステロンの増加も良し悪しなんですけど、とりあえず数値が低いよりは高いほうが快適には暮らせますんで、ムダに下げないように気をつけたいとこではあります。具体的な対策としては、

 

 

 あたりをどーぞ。ちなみに、50代を超えたらテストステロン補充療法は十分にアリだよ!って話なので、私ももうちょい年を取ったら考えるかもしれません。


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1976年生まれ。サイエンスジャーナリストをたしなんでおります。主な著作は「最高の体調」「科学的な適職」「不老長寿メソッド」「無(最高の状態)」など。「パレオチャンネル」(https://ch.nicovideo.jp/paleo)「パレオな商品開発室」(http://cores-ec.site/paleo/)もやってます。さらに詳しいプロフィールは、以下のリンクからどうぞ。