体に良い食品は同時にエコでもある!という結論を出したナイスなメタメタ分析の話
「ヒトの食事が環境に悪影響を与えてるぞ!」という考え方はよく聞くところ。たとえば「畜産が温室効果ガスを出すのでは?」とか「加工食品の廃棄物が土や水を汚すのでは?」みたいな話ですね。
では、具体的に「環境に悪い食事ってなんなの?」ってことで、そこらへんをガッツリと調べたデータ(R)が出てて勉強になりました。
これは過去に出た19件のメタ分析をさらにメタ分析したもので、いわゆる「メタメタ分析」(R)になってまして、かなりの量のデータを扱っております。というか文章がメタだらけですね。
ここでは15種類の食品グループが調査の対象になっていて、
- それぞれ健康への影響はどうなの?(二型糖尿病、脳卒中、冠状動脈性心疾患、大腸がん、死亡率)
- それぞれ環境への影響はどうなの?(温室効果ガス、土地利用、水利用、酸性化、富栄養化)
という2つのポイントをチェック。どんな食品が健康によくて、なおかつ環境にもいいのか?ってところを調べてくれております。
そこでわかったことを一文でまとめると、
- 体に良い食品は環境にも良い!
みたいになります。全体的に見ると、ヒトの体を健康にしてくれるものほど、環境への負荷が少ない傾向があったんだそうな。
具体的にどんなものがエコで健康的な食品だったかと言いますと、
- 全粒粉
- フルーツ
- 野菜
- 豆類
- ナッツ類
- オリーブオイル
- 魚
といった食品グループは、上にあげた5つの健康リスクをすべて下げてくれるうえに、環境にあたえるダメージも非常に少ない傾向があったそうな。まぁいかにも体に良さげなものばっかですよね。
続いて、今度は「エコと健康への影響がまぁまぁだったもの」をあげてみると、
- 乳製品
- 卵
- 鶏肉
だったそうです。これらの食品は「健康にいいとこもあるけど悪いとこもあるかなー」ぐらいの感じで、環境への負荷レベルもそこそこはあるなーってところだったそうな。
さらに、「エコと健康への悪影響が心配されるもの」として名前があがっていたのが、
- 赤肉(牛とか豚とか)
- 加工肉
でありました。この2つについては、全死亡率、糖尿病、脳卒中、心疾患などのリスクをあげ、さらに野菜よりも100倍のレベルで環境への負荷が高い傾向があったそうな。
まぁ近年では「加工肉も言われてるほど悪くないのでは?」って説も出てますんで、どこまで正しくビビるべきかは個人的にも判断がつきかねてるとこではありますが、この研究では従来の知見どおり「肉はヤバい!」って方向が強調されてますね。
ちなみに、そのほかに得られた知見としては、
- 加糖飲料やフルーツジュースが健康に良くないのは当たり前だが、環境にあたえるコストはとても低い
- 葉物野菜は糖尿病リスクの低下と特に強い相関がある
- 魚はフライにすると健康へのメリットが一気になくなる
みたいなところも出ておりました。まぁいずれにせよ、「体に良い食品は同時にエコでもある!」ってのは非常に良い話なので、頭に入れておくと健康的な食生活へのモチベーションも上がってよろしいのではないでしょうか。