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カップルが幸せな関係を長く保つにはなにが必要なのか?を調べまくった観察研究の話


  

カップルが幸せな関係を長く保つにはなにが必要なのか?」を調べたデータ(R)が出ておりました。長く幸せでいられるカップルは、個人の性格が良い人たちが付き合ったからのか?はたまた別の要因があるのか?みたいな話ですね。

 

 

これがどんな研究だったのかと言いますと、恋愛関係にあるカップルについて調べた過去のデータセットから43件をピックアップし、11,196組のカップルを分析したものです。このデータには、それぞれの収入、生活の満足度、年齢、共感度、パートナーとの満足度、愛情レベル、パワーバランスなどの属性が含まれ他とのこと。それぞれをまとめて、「長続きする関係には何が必要なのか?」を調べたわけっすね。

 

 

で、どんなことがわかったかと言うと、

 

  • カップルの満足度の違いをもたらす要因は、"2人の関係性の特性”が約45%を占める

 

ってのが、もっとも大きな結論になります。要するに、自分の性格や収入みたいな個人的な要素よりも、相手とどんな関係性を作り出せているかのうほうが大事だよーってことです。

 

 

データを見てみますと、自分の性格特性などはカップル満足度の19%ぐらいしか関わっておらず、さらに相手側の性格は5%しか占めてないとのこと研究者いわく、

 

実際のところ、私たちがどのような相手を選ぶかは、私たちがどのような関係を構築するかにくらべれば重要ではない。

 

とのことで、もしいまパートナーとの関係が悪かったとしても、それを相手の性格のせいにするのは間違いだってことですな(もちろん相手が極度なダークトライアドだったりすれば話は別ですが)。

 

 

では、どのような変数が「長続きする関係」に関わってたかと言いますと、

 

  1. パートナーへのコミットメント認識(要するに、自分が「相手は2人の関係がずっと続くことを望んでいるに違いない」みたいに思ってるかどうか)
  2. 感謝の気持ち(「パートナーがいてよかったなぁ」と思ってるかどうか)
  3. 性的満足度
  4. 知覚的パートナー満足度(「2人の関係のおかげで相手は幸せを感じている」と自分が感じているかどうか)
  5. コンフリクト(なんらかのいさかいを解決できているかどうか)

 

みたいになります。いずれも個人の資質というよりは人間関係のダイナミズムを問題にしてますね。

 

 

研究者いわく、

 

 

あなたが相手と構築する関係のあり方は、個人のパーソナリティよりも重要だ。すなわち、ルールの共有、内輪受けの笑い、共有の経験などである。

 

 

 

素晴らしい人間関係は、完璧なパートナーを探したり、現在のパートナーを変えたところで築けない。重要なのは、関係そのものを構築するために、お互いの関係を繁栄させるための条件を設定できるかどうかだ。

 

とのこと。もちろん、性格が良い人の方が相手と良い関係を築きやすいって側面はありましょうが、それ以上に大事なのは「こういう関係性を構築するぞ!」っていうコミットメントの方が大事なんだなーって感じっすね。とりあえず「ルールの共有、内輪受けの笑い、共有の経験」って基準はわかりやすいので、パートナーとの関係にお悩みの方は、ガイドラインとして使ってみるといいかもしれません。

 

 

ちなみに、そんなに個人の特性は重要じゃないとはいっても、やはりパートナーとの関係性に影響する要素もいくつかありまして、

 

  • 自分が人生にどれぐらい満足してるか
  • ネガティブな感情をどれぐらい抱いているか
  • うつ病や絶望感が強くないか
  • 愛着不安(人間関係でどれぐらい悩んでいるか)
  • 愛着回避(人間関係をどれぐらい避けているか)

 

といったあたりの影響度が強いみたい。いずれも納得のポイントではありますね。

 


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1976年生まれ。サイエンスジャーナリストをたしなんでおります。主な著作は「最高の体調」「科学的な適職」「不老長寿メソッド」「無(最高の状態)」など。「パレオチャンネル」(https://ch.nicovideo.jp/paleo)「パレオな商品開発室」(http://cores-ec.site/paleo/)もやってます。さらに詳しいプロフィールは、以下のリンクからどうぞ。

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