今週半ばの小ネタ: 痛み止めで恐怖心が減る、痛みのドミノ効果、男を落とすしぐさ
ひとつのエントリにするほどでもないけど、なんとなく興味深い論文を紹介するコーナーです。
痛み止めで恐怖感を下げられる?
「アセトアミノフェンで恐怖感が低下する?」というおもしろい話(R)が出ておりました。アセトアミノフェンは有名な鎮痛剤のひとつで、ノーシンとかセデスに入ってる有名な成分っすね。
ここではいくつかの実験が行われてるんですが、例えばひとつめは、
- 142人の男女を半分に分けて、一方にだけアセトアミノフェンを1,000 mg飲んでもらう
- みんなに風船を限界までふくらませるように指示し、風船が大きくなるほど賞金をわたす
といったタスクで、参加者のリスクを取る気持ちにどれだけ変化があったかを調べたんだそうな。バラエティ番組の罰ゲームみたいっすね。
すると、両グループにはハッキリした違いが確認されまして、
- アセトアミノフェンを飲んだグループほど、風船を破裂させる可能性が高かった
だったんですよ。もともと過去の研究でも「アセトアミノフェンはポジティブとネガティブな感情の両方を減少させて共感する能力も下げる」みたいな話はあったんですけど、今度はリスクを取るかどうかの性向も変える可能性が出てきたわけっすね。
研究チームいわく、
アセトアミノフェンを飲んだ人は、危険な活動に対して否定的な感情を抱きにくくなるようだ。米国では、全人口の25%近くが毎週アセトアミノフェンを服用しているため、リスク認識の低下は社会に重要な影響を与えるかもしれない。
とのこと。もちろん、この結果を持って「リスクが取れなきゃアセトアミノフェンだ!」とは言えないわけですが、鎮痛剤がメンタルを左右するってのはおもしろいもんですな。
痛みへの絶望がさらに痛みを引き起こす「痛みのドミノ効果」問題
「痛みのカタストロフィー化がさらに痛みを悪化させるのだ!」って論文(R)がおもしろいのでメモ。
痛みのカタストロフィー化ってのは、腰痛や膝の痛みについて「この辛さには耐えられない!」とか「これ以上良くなることはない!」と感じることです。いかにもメンタルに悪そうですけど、痛みが辛いときってどうしてもこういう考え方になっちゃうんですよね(自分も腰痛に苦しんでたのでよくわかる)。
さて、これはペンシルバニア州立大学などの研究で、変形性膝関節症に悩む143人に22日にわたって痛みの日記をつけつつ、フィットネストラッカーを身につけながら暮らしてもらったんだそうな。
すると、痛みが悪化した人たちには一定のパターンがありまして、
- 痛みをカタストロフィー化する人ほど、一日を通してあまり活動的に行動をしていない
- 行動が減ったせいでさらに痛みがまし、続く翌日のカタストロフィー化がさらに深刻化していた
だったそうです。痛みに対して無力さを感じると普通より動かなくなり、これがさらなる健康の悪化につながっていくんじゃなかろうかってことですね。
基本的に、じっと安静にしてるよりも動いたが方が痛みはコントロールしやすいことがわかってるんで(物理的な損傷が大きい場合は別として)、いったん活動が少なくなると、どんどんと痛みが悪化していっちゃうわけっすね。これはメンタルの問題なので、認知行動療法を使っていくのがベストなんでしょうなぁ。
男を落とすためにもっとも効果的なしぐさとは?
「男ウケする女性のしぐさはこれだ!」みたいな研究(R)が出ておりました。女性がこのしぐさを使うと、男は「おっ!これは確実にこちらに気があるな!」と正しく認識するんだそうな。
ここでは6つの実験が行われていて、「表情コーディングシステム (FACS) 」ってのを使って、「男ウケする女性の表情や行動」をチェックしてます。FACSはいろんな感情に対応する顔の動きを23のパターンに分類したもので、研究チームによると、
自分の気持ちを伝えるための表情について体系的に研究した論文は非常に少ない。今回の研究のように、相手に気がある時に特有の表情を特定し、その効果を検証したものはなかった。
ということで、「男を落とすためにもっとも効果的な方法を調べてみたよ!」といった内容になっております。
でもって、全体的な実験のデザインはこんな感じ。
- プロの女優さんに協力してもらい、FACSをベースに男性の参加者へいろんな表情をぶつける
- 男たちに「相手の表情をどう思いました?」と尋ねて、それぞれの効果を確認する
その結果、「もっとも効果があった表情」がなんだったかと言いますと、
- 頭を片側にちょっと向けつつ‥…
- あごを少し下に傾けながら……
- 軽い微笑みを浮かべた上で……
- 相手を見つめる!
っていう4つのしぐさを組み合わせた場合に、男たちは「この人はこちらに気がある!」と思いやすく、具体的に相手と深い付き合いをする妄想まで抱いたんだそうな。うーん、なんかわかる。
というわけで、意中の殿方がおられる女性は上記のしぐさを使ってみちゃどうかと思った次第です。よろしくどうぞ。