いつも文句とか愚痴ばかり言ってる人はどんな心理なのか?そして、その傾向はどうすれば治るのか?みたいな話
文句ばっか言ってると嫌われる!ってのは世の真理で、すぐグチをこぼす人や常に不満を漏らす人からは、いつの間にか誰もいなくなっちゃうのは当たり前でしょう。俗に「嫌悪強化」と言われる現象っすね。
なので、嫌われ者にならずに心穏やかに過ごしたいなら、文句ばっかり言う性質は修正したほうが良いわけですが、新しい研究(R)は「そもそも文句ばっか言っちゃう傾向はどうして生まれるの?」というポイントを深掘りしてくれてて勉強になりました。
これはアラバマ大学などの調査で、まずどんな実験だったかをざっくりまとめると、
- 110人の大学生(平均年齢20歳、90%が女性)を集めて、毎日朝8時と夜8時にアンケートを実施
- 参加者がどれぐらいストレスを感じているか? その日に体験しそうなストレスのレベルはどれぐらいだと思うか? などを1週間にわたって調べる
みたいになっております。要するに、朝目が覚めて「今日はこんなトラブルがあるだろうなぁ……」と思う気持ちが、その日の気分や実際のストレス度を左右するんじゃないか?と研究チームは考えたわけっすね。
で、まずは実験の結果から申し上げますと、
- 「今日はこんな1日になりそうだな……」という朝の予測が、その日の夜の幸福度と大きく関係していた。朝の予測が外れて、日中のストレスが予想よりも大きかった人は、1日の終わりに気分や体調がグダグダになった
- 朝に予測したストレスと幸福度の関係には、レジリエンス(ストレスからの回復能力)も影響していた。レジリエンスが高い人は、その日に待ち受けているストレスを過大評価する傾向があったが、同時に「自分はそのストレスをばっちり対処できる!」と判断しており、その結果として思ったよりストレスの影響を受けなかった
- 朝のストレス予想が外れ、レジリエンスがない人ほど不平不満を言いまくりやすい
みたいになっております。少しわかりにくいかもしれないですけど、話をまとめるとこういうことです。
- その日のストレスを過小評価する人ほど、日中のメンタルがヤバい事になる!
ってことです。朝に「今日のストレスはたいしたことないでしょう!」と思ってるせいで、実際のトラブルに混乱しやすくなり、どんどんメンタルが悪化していくわけっすね。つまり、いつも不満ばっか言ってる人ってのは、その奥で「予測不可能な世界にどう対処すればいいのかわからない!」って気持ちを抱え続けてるってことです。
研究チームいわく、
私たちの多くは自分の将来を予測するのが苦手で、不正確な未来を予想することが多い。しかし、自分のストレスのレベルを正確に予測できれば、幸福感や健康に多くのメリットをもたらすだろう。
とのこと。そりゃあ予想よりも大きなトラブルばっかり起こったら、不平不満も言いたくなりますもんね。
また、レジリエンスが高い人ほどストレスを過大評価するって傾向については、こうも言っておられます。
未来のネガティブな体験を過大評価すると、実際のストレスにさらされたときにメンタルを保護してくれるのだろう。ただし、この傾向は、ネガティブな予測が実際のパフォーマンスを邪魔する可能性もあり得る。
とはいえ、朝の過小評価がその夜のネガティブな感情を予測するのは間違いなく、ストレスの過大評価よりも過小評価の方が危険なことに変わりはない。
ストレスの過小評価のほうがダメージは大きいものの、過大評価にもそれなりの問題があるかも?みたいな話っすね。結局のところ、1日を万全に過ごすためには「朝目が覚めたときにいかにストレスを正確に見積もるか?」が大事になるんでしょうな。
これはなかなか難しいポイントですけど、「自分はこういう場面でストレスを感じやすい」とか「今日はこんな状況でストレスを感じた」みたいな情報を普段から記録しておくと手助けになるでしょうね。やっぱ日記は大事。