筋トレ再開の最適な始め方|初心者・ブランク明けでも続けられる12週間プラン」
「そろそろトレーニングを再開するかぁ……」みたいな状況は誰にでも起きるもんです。ケガのせいでジムにいけなかったり、子育てや仕事が忙しくて気がついたら1年以上バーベルを握っていない、みたいな状況ですな。
かくいう私も、無理なトレーニングで肩をやったりすることが多いもんで、不定期に筋トレを休んだりすることが多かったりします。そこで今回は、実行しやすいトレーニング復帰法を見ていきましょう。
ありがちだけど危険な「やる気満タン問題」
さて、久しぶりにトレーニングに戻った際に最もよく起きる問題が、“筋肉痛”であります。久々の筋トレに張り切ったは良いものの、翌日に全身が激しい痛みに襲われて、ベッドから出られないような問題ですね。
過去の研究(R)でも「トレーニングを再開した直後に強めの運動をすると、過剰な筋肉損傷と筋肉痛が起こる」とされてまして、たった2回のエキセントリック運動(筋肉を伸ばしながら負荷をかける動作)でも、次の高強度セッションに対する「免疫効果」が見られたんだそうな。
ここからわかることは、再開後のトレーニングは「最初の一歩を極端に軽くすべし!」ってことでしょう。そのほうが、後のトレーニングが格段に楽になるわけっすな。
Week Zero戦略:ゼロ週目から始める
では具体的にどうするか? ってことで、より最近のデータ(R)などを見てますと、「Week Zero」戦略を使うのがよさげであります。
これは、「本格的なトレーニングを始める前に、1週間だけ“超軽め”のトレーニングをやっておく」という方法のこと。これによって「繰り返し効果」ってのが働いて、以後の筋肉痛を大幅に軽減してくれるはずであります。
具体的にどのようにやるかと言いますと、たとえば、ベンチプレスを使った例で見てみましょう。
週 | ベンチプレスのトレーニング内容 |
---|---|
Week 0 | 2×8 @RPE 6-7 |
Week 1 | 3×8 @RPE 7-8 |
Week 2 | 4×8 @RPE 7-8 |
Week 3 | 4×8 @RPE 8-9 |
Week 4 | 1×8 @RPE 9-10, 3×8 @90%(上記重量) |
この表の「RPE」ってのは「Rate of Perceived Exertion(自覚的運動強度)」の略で、どれくらいキツいと感じたかを主観的に評価する指標です。詳しくは「RPEで筋トレの筋力アップ効果を最大化しようぜーというメタ分析の話」をご覧いただければ幸いですが、トレーニングの現場では、以下のようなスケールで使われることが多いです。
- RPE 6:まだ4回くらい余裕がある(「ウォーミングアップ感覚」)
- RPE 7:あと3回はできそう
- RPE 8:あと2回が限界
- RPE 9:あと1回はできそう
- RPE 10:もう限界。これ以上は無理
このように、RPEを使うことで「その日の体調や疲労度に応じて適切な負荷を選べる」ようになるわけっすね。固定の重量ではなく、主観的な感覚で調整するため、ケガのリスクを減らしつつ、効果的にトレーニングを積み重ねられると言われております。
ポイントは、Week 0ではセット数も強度(RPE)もめっちゃ低めに設定すること。これにより、最初の1週間で筋肉や神経系を“慣らす”ことができ、筋肉痛や疲労感が抑えられるんですな。
3ブロック(12週間)でじっくり復帰する
「Week Zeroをやったら、次は本格的に頑張るぞ!」と思うかもしれませんが、ここでもう一段階ブレーキを踏んでみてくださいませ。大切なのは、少しずつトレーニング負荷を上げていくことであります。
トレーニングのブランクが長かった人は、以下のような3ブロックプランをお試しください。
ブロック1(基礎復帰)
- Week 0:1×8 @RPE 5
- Week 1:3×8 @RPE 5-6
- Week 2:3×8 @RPE 6-7
- Week 3:1×8 @RPE 7-8 + 2×8 @90%
ブロック2(強度アップ)
- Week 1:3×5 @RPE 6-7
- Week 2:4×5 @RPE 7-8
- Week 3:4×5 @RPE 7-8
- Week 4:1×5 @RPE 8-9 + 3×5 @90%
ブロック3(自己ベストチャレンジ)
- Week 1:x3 @7-8 + 2×5 @80%
- Week 2:x3 @8-9 + 1×5 @80%
- Week 3:テーパリング週
- Week 4:x3 @9.5〜10(ベスト更新を狙う)
このように、最初はボリューム重視でフォームを固め、徐々に強度を上げていくのが理想であります。
まずは「全身3種目×週2〜3回」でOK
トレーニングから復帰してすぐのタイミングでありがちなのが、「1回のトレーニングで10種目やろう」としてしまう問題です。これで総負荷が高くなりすぎて、翌日どころか翌週まで動けなくなる原因になっちゃうのはよくあることでしょう。
そこでおすすめしたいのは、1日あたり3種目、週2〜3回の「全身トレーニング」であります。以下のように取り組んでみてくださいませ。
- 例:週2プラン
- 1日目:スクワット/縦プレス(例:オーバーヘッドプレス)/縦プル(例:懸垂)
- 2日目:ヒンジ(例:デッドリフト)/横プレス(例:ベンチプレス)/横プル(例:ローイング)
こんな感じで組めば、ほぼすべての主要な筋肉をカバーできますんで、最初の1〜2カ月はこの構成で進めてみるのもありでしょう。慣れてきたら、徐々に種目数や頻度を増やしてってくださいませ。ちなみに、過去には「似たような種目でも繰り返し効果はある」との研究も出てますんで、種目のバリエーションをうまく使えば、筋肉痛の軽減効果はさらに広がるはずであります。
ってことで、今回はトレーニング再開後の良い復帰法を見てみました。あくまで最初は軽く少なく、無理なく習慣化を目指すのが良いだろうと思う次第です。どうぞよしなにー。