なんだかんだで牛乳は健康効果も高いよなぁ、という話
一般的に、パレオダイエットでは乳製品がNGとされております。その支持者は「ふしぎ発見」にも出てたローレン・コーダイン博士で、その理由としては、
- 牛乳は新石器時代にあらわれた食品だから
- ヒトの遺伝子は牛乳に対応できておらず糖尿病などの原因になる
といったものが挙げられております。
「牛乳は体にいい」ってデータがやたら多い
ただ、個人的には、どうもコーダイン博士の乳製品嫌いには賛同できかねるところ。この件については、もちろんマーリーン・ズックの「ヒトは乳糖を処理できるよう進化してきた」という指摘も大事ですが、それ以上に「牛乳は体にいい」ってデータがやたら多いんですよね。
たとえば、
- 乳脂肪にふくまれるフィタン酸には、中性脂肪を減らし、インスリン抵抗性や血糖値を改善する働きがある(2)。
などなど。ほかにも、牛乳が水素を発生させたり、グルタチオンが脳の炎症をふせいだりと、かなり牛乳に有利なデータが多め。この効果については、観察研究でもよい成績が出てまして、
- 16件のデータを洗いなおした2013年のメタ解析(4)では、牛乳を飲む量が多いほどメタボが少なく、糖尿病や心疾患のリスクも減る傾向があった。
- 牛乳を飲む量が多い人は、血中のトランスパルミオレイン酸が多たいめ、糖尿病のリスクが6割も減っていた(5)
低脂肪や無脂肪は飲まないほうがいい
ただし、上記のデータにもありますとおり、牛乳の健康効果のおおくは脂肪分が重要な働きをしているのがポイント。なので、低脂肪や無脂肪の乳製品については、正直なところ、ほぼ飲む意義がないように思います。
実際、2007年のハーバード大の研究(6)では、1日に500mg以上の低脂肪ヨーグルトやミルクを飲む女性は、85%も不妊率が高くなる傾向があったとか。どうも、せっかくの乳脂肪を取り去っちゃった牛乳には、健康どころか体に害をなす可能性もあるみたい。
つまり、牛乳を飲んではいけないケースをざっくりまとめると、
といった感じ。とにかく加工度の高い乳製品は避けたほうが無難かと思われます。
まとめ
そんなわけで、牛乳に関しては「味が好きなら飲めばいいけど1日2杯ぐらいまでね」というのが現時点での結論。もちろん、乳製品が新石器時代に出てきた食品なのは確かですが、だからといって実際のデータを無視するのももったいないかなーというところです。
credit: Thorsten Egenolf via FindCC