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恋人の好みは「職業」でわかるのか?を世界7カ国で調べたら何がわかったか?

   


「相手の職業を見れば、その人の恋愛の好みが予測できるのでは?」って研究(R)が出ておりました。

 

たとえば、看護師や教師のような、人と接する仕事をしている人は、恋人にも優しさや思いやりを求めそうだし、エンジニアやプログラマーのようにシステムを扱う仕事をしている人は、知性や合理性を重視しそうなイメージがあるじゃないですか。「職業によって、理想の恋人像にも違いがあるんじゃないか?」みたいな話ですな。

 

もちろん、こうしたイメージがいつでも正しいはずはないでしょうけど、心理学の世界では、昔から「職業への興味はその人の性格を反映する!」と考えられてますんで、仕事の好みが恋愛の好みにも影響していても不思議じゃないわけです。

 

ってことで、この研究では、世界7か国(日本は含まれておらず)から成人1,974人を集め、まずはみんなの仕事を、

 

  • 対人中心の仕事:教師、看護、接客など、人との交流が中心になる仕事

  • 物・システム中心の仕事:エンジニアリング、物流など、物や仕組みを扱う仕事

  • 抽象的な仕事:データ、アイデア、概念などを中心に扱う仕事

 

の3グループに分類。そのうえで、全員に「理想の恋人に求める条件」を選んでもらったんですね。

 

ここで研究チームが用意したのは、次の5つの資質であります。

 

  1. 外見:顔立ちの魅力や身体的な魅力
  2. 優しさ:思いやりや温かさ
  3. 能力:知性や物事をこなす力
  4. 相性:価値観や生活スタイルが合うこと
  5. 人柄:正直さや道徳観の高さ

 

参加者には、これらの条件を2つずつ提示して、「どちらを重視しますか?」と質問。さらに、

 

  • 短期的な恋愛や、一時的な関係を想定した場合
  • 長く付き合うパートナーを探している場合

 

の2パターンで回答してもらったんだそうな。

 

で、その結果、2つほど面白い傾向が確認されております。

 

 

傾向① 職業と恋人の好みには、ほとんど関係がなかった

まず、最大のポイントは、「どんな業界で働いているか」と「恋人に求める条件」の関連は、全体として非常に小さかったとこです。人と接する仕事をしているからといって、必ずしも優しい恋人を求めるわけではないし、システムを扱う仕事をしているからといって、知性や能力を重視するわけでもなかった……ってことですね。

 

しかも、ちょっとマニアックな話になりますが、この研究では「同等性検定」って手法も使い、職業グループ間の違いが実質的に無視できるほど小さいことまで確認しております。つまり、たんに統計的に「差を発見できなかった」というだけでなく、「少なくとも一部の恋愛条件については、仕事による違いがかなり小さい」と言えるとこまで詰めたわけです。

 

まぁ、実際には、すべての条件で完全に差がなかったわけじゃないんですが、全体としては、職業から恋愛の好みを予測するのは、あまり意味がなさそうだと言えましょう。

 

 

傾向② 恋人に求める条件は「短期か長期か」で大きく変わる

一方、職業よりもはるかに大きな関連が見られたのが、「どんな恋愛関係を想定しているか?」というポイントであります。

 

とりわけ大きな変化が出たのは「外見の重要度」でして、外見をほかの条件より優先した平均回数は、

 

  • 短期的な恋愛:2.33回
  • 長期的な恋愛:0.85回

 

となっておりました。これは外見が選択肢に登場する4回のうち、何回優先されたかを数えたものであります。ご覧のとおり、「短期的な恋愛」のほうが、外見を優先する回数が「長期的な恋愛」の約2.7倍になったんですな。逆に、長期的な恋愛を想定すると、相性、優しさ、人柄といった条件の優先順位が高くなったそうな(この傾向は、男女に明確な違いがなかった)。

 

つまり、同じ人でも、短期的な付き合いを考えているときと、長く一緒に暮らす相手を考えているときでは、理想の恋人像がかなり変わってしまうってことですね。まぁ、長く付き合うとなれば、見た目よりも価値観の違いや日々の人間関係のほうが問題になってきますからねぇ。

 

 

そんなわけで、研究の結果をざっと見てみましたけども、話を簡単にまとめちゃうと「相手の職業から恋愛の好みを推測しても、あまり当てにならないかもしれない」ってことですね。

 

なので、たとえばマッチングアプリで相手のプロフィールを見たときに、「この人は看護師だから、優しさを重視するかも」「この人はエンジニアだから、知的な会話が好きそう」とか考えることはあるかもですが、今回の結果を見る限り、そのような推測には根拠がなさそうであります。実際には、相手の仕事から推測するよりも、相手が、

 

  • 気軽な付き合いを求めているのか?
  • 長期的なパートナーを探しているのか?
  • 一緒に生活する相手に何を求めているのか?

 

といった点を探ったほうが、恋愛の好みを理解するうえでは役に立つでしょうな。

 

まぁ、そもそも人間の好みがひとつの属性だけで決まるはずがないし、同じ人間ですら、どんな関係を求めているかによって優先順位が変わるわけですからね。ということで、今回の研究を見る限り、「どんな仕事をしているかよりも、どんな関係を望んでいるかのほうが、恋人に求める条件を予測できそうだよなー」と考えたほうがいいでしょうなぁ。


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1976年生まれ。サイエンスジャーナリストをたしなんでおります。主な著作は「最高の体調」「科学的な適職」「不老長寿メソッド」「無(最高の状態)」など。「パレオチャンネル」(https://ch.nicovideo.jp/paleo)「パレオな商品開発室」(http://cores-ec.site/paleo/)もやってます。さらに詳しいプロフィールは、以下のリンクからどうぞ。

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