一瞬で筋トレの効率を激しくアップさせる心理テクニックとは?
ジム仲間のメリットが凄すぎる件
ちょっと前に「エクササイズを習慣にするには友達とジムに行くのが一番!」って話がありましたが、新しいデータ(1)では、運動仲間のメリットはそれだけじゃない!って結論になってておもしろいです。
これはアリゾナ州立大学の実験で、平均年齢は21才ぐらいの男女20人が対象。普段からそこそこ筋トレしてる人だけを集めて、それぞれベンチプレスをしてもらったらしい。
他人に見られながら筋トレすると効率が上がる
その際、参加者は2つのコンペティションにわけられております。
- 補助役あり:ベンチプレスのサポート役が近くに立つ(実際にサポートはしない)
- 補助役なし:ベンチプレスをサポートする人が視界にいない
ベンチプレスは1RMの60%ぐらいの負荷に設定して、1セットで限界まで筋肉を追い込む感じ。これを各自が3セット ✕ 2トライアルずつやって、状況ごとの違いを調べたらしい。チェックした項目は、バーベルを上げた回数、主観的な疲労感、自己効力感(「自分はやればできる!」という感覚)などです。
自己効力感がチェック項目に入ってるのが意外な印象ですけど、実は過去の実験で「他人に見られながら筋トレしたほうが自己効力感が高まる」ってデータが出てたりするんですよ。そこらへんもふくめて、改めてチェックしてみたわけっすね。
さて、その結果がどうだったかといえば、「補助役あり」パターンの圧勝です。ひとりでベンチプレスをするよりも、そばに人がいたほうが高重量のバーベルを持ち上げられるようになり、筋トレの回数も増え、主観的な疲労感も軽減し、自己効力感も増大したんだとか。なんだか良いことづくめですね。
ジム仲間の存在が筋トレの自信もアップさせてくれる
研究者いわく、
たんにスポッター(補助役)が近くにいるだけでも筋トレのパフォーマンスは上がり、疲労感や自己効力感まで向上することがわかった。この結果はアスリートやトレーナーにとっても重要だろう。筋トレで最大のパフォーマンスを発揮するには、誰かに見てもらえばいいのだから。
とのこと。パーソナルトレーナーでもジム仲間でも何でもいいですが、とにかく近くに人がいれば筋トレの効率は上がるみたい。なんかわかるなぁ。
実は「筋トレは観客がいたほうがはかどる!」ってデータは過去にもありまして、例えば有名なのが2003年にアリゾナ州立大学が行った実験(2)。こちらは32人の男女が対象で、それぞれに1RMのベンチプレスを、以下の3つの環境でやってもらったんだそうな。
- コアクション状況:いわゆる個人でジムに行ったときと同じような状況。それぞれが、他の参加者を気にせずに運動をする。
- コンペティション状況:誰がもっとも高重量を持ち上げられるかを、参加者のあいだで競わせる。
- オーディエンス状況:参加者が運動をしているところを、別の人が見学する。
周囲の人がどんな行動を取ると、筋トレのパフォーマンスに差が出るのかを調べたわけですな。
とりあえず「誰が見てもらう」のはアリ
で、結論はこちらも「オーディエンス状況」の勝利です。具体的には、
- コアクション状況:93 +/- 43 kg
- コンペティション状況:103 +/- 46 kg
- オーディエンス状況:105 +/- 48 kg
って数値になっていて、ひとりで黙々とベンチプレスをするよりも、他人に見られながらのほうが8kgもパワーが出るという恐ろしい結果ですね。いやー、こちらも結構な差が出てますね。
ってことで、いまいち筋トレの成果が伸び悩んでいるような方は、「誰かに見ててもらう」ってのが手軽なハックになるかも。かくいう私もだいたい孤独に筋トレしてますんで、ちょっと考えたいとこではあります。