グレープフルーツを食べると日焼けに弱くなる!って本当?
果物を食べるタイミングについてご質問をいただきました。
果物はいつ食べても問題ないとの記事を拝見しましたが、かんきつ 類などに代表され るソラレンを含む果実を摂取して日に当たると日焼けしやすくなり 、しみ・そばかすの原因になるとよく言われていますが、そういった意味で食べるタイミングを心配する必要はあるのでしょうか?
とのこと。確かに、当ブログでは以前に「フルーツを食べるタイミングで健康効果が違うって本当なの?みたいな話」を書いてますねー。
その結論を簡単にまとめれば、「”栄養の摂取"って観点ではフルーツはいつ食べてもOK!」って感じ。口にするタイミングで栄養吸収に差はないかと存じます。
が、ご質問にもあるとおり「ソラレン」を考慮に入れると、話はやや複雑になってくるわけです。ソラレンってのはシトラス系のフルーツに入っている成分で、「大量にとると紫外線に弱くなる!」と言われてるんですよ。
なんだか怪しげな話に聞こえるかもしれませんが、実はそれなりに根拠がある話だったりします。たとえば有名なのはハーバード大学の2015年論文(1)で、2つの巨大な調査データを使って「シトラスで光に弱くなるの?」って問題を調べたんですな。
対象になったのは、アメリカの健康産業に従事する約10万人の人たちで、だいたいこんな研究になってます。
- 2年ごとに参加者の健康状態を調べ、日常的にオレンジまたはグレープフルーツをどれぐらい摂取しているかを尋ねる
- 上の作業を25年にわたって続け、メラノーマ(皮膚ガンの一種)の発症率とくらべる
すると、シトラス系フルーツとメラノーマのあいだにはハッキリした相関が出まして、
- 週に3個以上のグレープフルーツを食べる人は、まったく食べない人にくらべてメラノーマのリスクが41%アップする!
- ただし、オレンジやグレープフルーツジュースの摂取は、メラノーマリスクと関係がなかった
って感じだったんですな。うーん、ちょっと怖いですねぇ。グレープフルーツジュースだと相関が出ないのは謎ですが、成分の濃度が違うのかもですな。
ただし、これは「シトラス系は危険だ!」って話じゃありませんで、研究チームはこう言っております。
この研究は、シトラスの消費が危険だという意味ではない。事実、シトラス系のフルーツはビタミンCが豊富で、さまざまな健康メリットがある。しかし、光に対して活性が高い成分をふくむフルーツや野菜を食べるときは、少し注意したほうがいいだろう。
おそらく、シトラス系のフルーツを食べてから数時間、または1日か2日は、気をつけておく
必要はあるかもしれない。
ソラレンの半減期は体内に入ってから48〜72時間ほどありまして、その間は、普段よりも肌が日焼けしやすくなってると考えたほうが無難かも。
もちろん観察研究だけでは明確なリスクはわからんのですが、とりあえず「オレンジやグレープフルーツを食べたあとは、いつもより念入りに日焼け止めを使う!」ぐらいに考えておくとよさげです。個人的にもグレープフルーツ好きなので気をつけたいところです。