筋トレでアンチエイジングするための最低ラインがわかったかもしれない件
運動がアンチエイジングに必須なのは常識。これは、おもに血のめぐりが良くなるおかげで血管が若返るのが原因でして(もちろん他にも理由はありますが)、とりあえず長生きしたかったら有酸素運動をしとくのが吉。
「どれぐらいの運動が最適か?」ってのはまだ議論がわかれるとこですけど、
- 週に150分ぐらいは軽い運動をしとこうね!早歩きぐらいでいいから!
ってのがざっくりしたコンセンサスになってたりします。とりあえず、これぐらいは基本としてこなしておきたいところです。
が、ここでひとつ難しいのが、「筋トレはどうなの?」って問題。有酸素運動が心疾患リスクを下げるってデータは山ほどあるんですけど、筋トレの血管アンチエイジング効果については調査が進んでなかったんですな。
といったところで新しく出たデータ(1)は、「筋トレが心疾患に効くかをちゃんと調べたよ!」って内容になってて使える感じでした。
これはアイオワ州立大学などの研究で、ACLS (エアロビックスセンター長期研究)っていう有名なデータセットを使っております。平均年齢47歳の男女12,591人を対象にした調査でして、1987〜2006年にかけて全員のライフスタイルと運動量をチェックし続けたんですな。
でもって、すべてを引っくるめて何がわかったかと言いますと、
- 筋トレは心臓病の発症リスクを40〜70%も下げる!
- 血管を若返らせるためには週に一時間の筋トレでOK!
だったそうな。観察研究なのでまだ決定的な話じゃないものの、想像より激しく良い結果になっててビビりましたねー。
研究者いわく、
たいていの人は、筋トレで若返るには大量の時間が必要だと思うかもしれない。しかし10幸は、ほんの2セットのベンチプレスだけでも効果はある。これなら5分とかからないだろう。
とのこと。ベンチプレス2セットでも効果的ってのはナイスすぎますな。これが事実であれば、もし有酸素運動のガイドラインを守れてなくても、筋トレで十分にリカバーできそうであります。
ただし、さらに研究者いわく、
この研究はエクササイズのはげみになるだろうが、実際のところ、筋トレを生活の一部にしている人がどれだけいるだろうか? 多くの人は筋トレを続けることができていないのではないだろうか?
とも言っております。ACLSのデータを見てますと、どうも多くの人は有酸素運動のほうが続く傾向があり、筋トレを毎日のルーチンに組み込むのが苦手な人が少なくないみたいなんですよ。
有酸素運動を増やすためには、散歩の量を増やしたり自転車で通勤したり、エレベーターの代わりに階段を使うこともできる。ところが筋トレに関しては、日常的に代わりになるような活動が少ない。自宅にステッパーがある人はいても、ウェイトマシンがある人は少ないだろう。
有酸素運動はNEATを増やせばどうにかなるけど、筋トレは日常に組み込むのが難しいんだ、と。確かにそうっすね。
ただし、ウェイトマシンやダンベルがなくても、なにか筋肉に負荷をかけるだけでもことは足りる。私たちの筋肉は、ショッピングで重い荷物を運ぶ作業とダンベルのトレーニングを区別できないからだ。
ってことで、できるだけ普段の暮らしで筋肉に負荷をかけよう!ってポイントが強調されておりました。もちろん、自重の筋トレが好きな人はそれでもOKですが。
筋肉は大量のカロリーを燃やすパワープラントだ。筋肉をつければ関節と骨の働きが上がるだけでなく、代謝にも大きなメリットがある。このポイントは、驚くほど浸透していない。
そんなわけで、アンチエイジングにブーストをかけるためにも、「週1でもいいから筋トレしようぜ!」というお話でした。モチベーションが上がる研究っすね。