抗酸化力最強?と噂の「アスタキサンチン」は買う意味があるのか?問題
「アスタキサンチンってどうですか?」といったご質問をいただきまして、軽くまとめとこうと思います。アスタキサンチンはベータカロチンなどと同じカロテノイドの一種で、シャケとかエビの赤色を形作る色素ですね。
かなり抗酸化作用が高いことで知られてまして、そのパワーはビタミンCの数千倍。それゆえに「アンチエイジングに効くのではないか?」と考えられて、そこそこ人気があるサプリだったりします。
数千倍などと言われると思わず飛びつきたくなりそうですけど、果たして実際はどんなもんなのか。簡単に見ていきましょうー。
抗酸化パワーについて
アスタキサンチンの抗酸化パワーを調べたデータはいくつかあって、代表的なところを見ていくと、
- 過体重の成人に1日20mgのアスタキサンチンを毎日12週間ほど続けてもらったら、脂質の酸化が減り、血液中の総抗酸化能が上がった。同時にLDLコレステロールの低下が見られた(R)
- 健康なサッカー選手にアスタキサンチン4mgを1日4回、90日間投与したところ、ベースラインの酸化パラメータと運動による酸化には影響を与えなかったが、クレアチンキナーゼとALT(筋肉ダメージのバイオマーカー)はプラセボと比較して減少した。(R)
- 過体重または肥満の人にアスタキサンチン5mgまたは20mgを3週間飲んでもらったところ、脂質の酸化が減少し、血中の総抗酸化能がベースラインと比較して121~125%向上した(R)
みたいなのがあります。こうして見ると、肥満の人みたいに体内の酸化が進んでいる人には1日4〜20mgで効果が出るかも? でも普通体重の人には意味がないかも? ぐらいの感じはありますかね。
ただ、全体的には「どんぐらいの抗酸化パワーを享受できるの?」ってとこについては未知な側面が多すぎるんで、個人的にはもうちょい研究が進んでからにしてもいいのでは?と思いますが。
中性脂肪とかへの影響について
続いて、アスタキサンチンは中性脂肪にもいいかも?と言われるんですけど、こちらはどうかと申しますと、
- 30人の男女にアスタキサンチン6〜12mgを摂取した試験では、特に中性脂肪への影響は認められなかった(R)
- 20mgのアスタキサンチンを毎日太りすぎの成人に投与したところ、12週間ではプラセボと比較して中性脂肪を低下させることができなかった(R)
との報告が出ております。もしかしたら血中脂質に異常がある人には意味があるかもですが、基本的には期待しないほうがよさそうっすね。
美肌への影響について
アスタキサンチンは美肌にも良いなんて言われてますんで、こちらの影響も見ておきましょう。
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65人の参加者にアスタキサンチンを毎日0、6、12mgずつ摂取するように割り付けたところ、16週間後にはアスタキサンチン群はプラセボより肌の弾力がほんの少し改善したが、シワの量には差はなかった(R)
- アスタキサンチン5%のクリームを健康な女性に1回1mLを1日2回ずつ、8週間にわたって使ってもらったところ、「カラスの足跡」が減少した(R)
- また、健康な男性に3mgのアスタキサンチンを経口摂取してもらったら、8週間でしわの総面積と体積の減少が見られ、乾燥肌の人にのみ水分量の改善も見られた(R)
ということで、「あれ?もしかして意味ある?」ぐらいの結果は出てますね。個人的にはこちらも「まだ様子見がいいかなー」ぐらいに思ってますけど、ちゃんと保湿と日焼け止めを使ったうえでさらに予算があまっている限りにおいて、試してみてもいいのかもしれません。
簡単なまとめ
ということでざっと見てみましたが、私の印象としては、
- アンチエイジングに役立つ見込みはあるけど、「ビタミンCの数千倍」みたいな売り文句にしてはパッとしないな………
ぐらいの感じですね。全体にはまだまだ検証テストが少ないので「今後に期待」としか言いようがないんですけど、いまんとこあえてサプリを買うだけの材料は出てないですかねぇ。ではまたー。