【質問】「HIIT vs. 軽い有酸素運動」優秀なのはどっち?
こんなご質問をいただきました。
鈴木さんは、よくHIITをオススメしていますが、他の記事を見ていると、もっと軽い運動でも十分だと書いてあるのもよく見ます。
そこでうかがいたいのですが、HIITと軽い有酸素運動では、どちらがオススメでしょうか?軽い運動のほうが好きなので、そっちでも良いと言われればありがたいのですが……。
ということで、おっしゃるとおり当ブログではHIITのように高負荷で短時間な運動を激しくオススメする一方で、軽い有酸素運動のメリットも定期的にお伝えしているわけです。このどちらが良いかってのは、確かに悩むところかもしれません。
この問題については、私の立場はだいたいこんな感じです。
- できればどっちもやったほうがいいと思いますよー。
- でも、どっちも一長一短あるので、あとは好みですよー。
基本的には、どちらが絶対的に優秀ってことはまったくないので、メリットとデメリットを確かめた上で、お好きなほうを選んでいただければと。
「HIIT vs. 軽い有酸素運動」勝つのはどっちだ!
では、両者の一長一短がどうなっているのかを、簡単に見てみましょう。ちなみに、ここでは「軽い有酸素運動」の定義を、だいたい心拍数を最大心拍数の60~85%ぐらいで長め(20~30分以上)に行う運動ぐらいにしておきます。一般的なジョギングとかサイクリング、速めのウォーキングみたいな感じですね。
このタイプの運動と、HIIT(10分間までぐらいの短時間で最大心拍数の90%以上)の長所と短所をくらべると、だいたい以下のようになります。
- 時短効果はHIITが優秀:20分間のHIITは、それよりはるかに長い有酸素運動と同じぐらいカロリーを消費するらしいので、時短効果については間違いなくHIITの勝ちでしょう(R)。
- カロリー消費量は引き分け:上述のとおり、1分間あたりの消費カロリーはHIITが優秀で、同じ時間の軽い有酸素運動よりも20~30%ほど多いとされております。ただし、HIITはそんなに長時間できないので、トータルの消費量で比べれば、軽い有酸素運動と別に変わらなかったりします。
- 見た目の良い身体を作りたいならHIITが優秀:言わずもがな、見た目の良い身体を作るには、体脂肪を減らしつつも、筋肉を維持するか増やす必要があります。その点で、軽い有酸素運動をめっちゃ行うと筋肉が減る可能性がありまして、これはあんまよろしくないんですよ(まぁ筋肉が減るレベルとなると結構な量を走る必要があるので、そこまで極端に心配しなくてもいいですが)。
一方で、HIITはそこそこ筋収縮を使うので、筋肉が増えるところまではいかずとも、筋肉量を維持する効果は得られたりします。特に、バーピーやローイングのように全身を使ったHIITを行うと、筋肉を維持し安いっすね。
- 安全性は軽い有酸素運動のほうが優秀:HIITは高負荷で行わねばならないので、確実に心血管系への負担は大きくなります(逆に、この負担が大きいから効果があるとも言える)。なので、心血管に問題を抱えた人がHIITを行う際は、必ず医師に相談する必要が出てきます。
また、負荷が高いぶんだけ、HIITは軽い有酸素運動よりも筋肉や関節に負担がかかりやすい問題も大きめ。なかでもバーピーのように難しいエクササイズは、疲れてくるとフォームが崩れやすく、統計的にもケガのリスクは多めに出がちっすね(R)。なので、運動の初心者は軽い有酸素運動からはじめたほうがいいでしょう。
- トレーニング量と頻度は目的による:HIITは時短にはなるものの、ハードすぎて毎日はできないのが難点。健康面から言えば、少しでもいいから毎日体を動かすほうがいいので、その点では、軽い有酸素運動を日々ちょっとずつやったほうがベターではありましょう。その他にも、「毎日体を動かさないと習慣にしづらい!」って方も、HIITよりは軽い有酸素運動のほうが身につきやすいかもしれません。
- 楽しさについては軽い有酸素運動のほうがいいかも:研究では、「HIITはツラくて続きません!」という感想を持つ方はわりと多め(R)。どんな運動でも、長く続けられるものがベストなので、どうにもHIITが続かないなら、軽い有酸素運動を増やして友人と楽しみながらやったほうが良いかもしれません。実際、100歳を超える人たちってのは、たいていツラい運動をせずに日常的に軽い負荷のアクティビティをたくさんやってることが多いですからね。
まとめ
ということで、HIITと軽い有酸素運動のメリデメを並べたので、あとは自分のライフスタイルに合わせて適当なものをお選びください。私としてはHIITと軽い有酸素運動はどちらも取り入れていて、HIITを週に2〜3回のペースで散りばめて、その間の空いたところに筋トレと簡単なサイクリングやジョギングを入れ込んでる感じです。どうぞ参考になさいませー。