恋愛の相性は“仕事観”に出る?科学が示したカップルの成功パターン
「恋愛の相性ってあるの?」ってのは昔ながらのテーマですが、非常に難しい問題なので、科学の世界でもいまだに決定打はなかったりします。「性格の相性?」「共通の趣味?」「愛着スタイルの一致?」などなど、いろんな要因が提案されていますが、どれも「一部には当てはまるけど万能じゃないなぁ……」って結論になりがちなんですよね。
そんな中で、「職業パーソナリティの相性が恋愛の相性判断に使えるのでは?」っておもしろい研究(R)が出てたんで、内容をチェックしてみましょう。
この研究では、同棲中のカップル104組を対象に、「どの職業タイプ同士が似ていると、より恋愛満足度が高いか?」を調査したんですよ。ここで使われたのは、「ホランドの職業パーソナリティ理論」ってやつで、性格と仕事のタイプを6つに分析して、「どの職業に向いているか?」を判断するんですな。まあ、その妥当性についてはかなり疑問符がついていて、「ホランドの理論で適職を探すのは無理!」ってのがコンセンサスになりつつあるんですけども、これが恋愛の相性を判断する役に立つかもしれないってのは、おもしろいっすね。
ホランド理論では、職業のパーソナリティを以下の6つに分類します。
- リアリスティック(R)=体を動かす、道具を使う仕事が得意(例:大工、整備士)
- インベスティゲイティブ(I)=分析・研究好き、理論派(例:研究者、エンジニア)
- アーティスティック(A)=自由で創造的、型にはまらない(例:作家、アーティスト)
- ソーシャル(S)=人と関わるのが好き、助けたい意欲が強い(例:カウンセラー、教師)
- エンタープライズ(E)=リーダーシップ、営業力がある(例:起業家、マネージャー)
- コンベンショナル(C)=ルールに従うのが得意、事務処理に強い(例:経理、秘書)
人間の性格をこの6つに分類した場合に、どの組み合わせが最も恋愛の相性が良いのかってのを調べたわけっすね。
で、分析の結果がどうだったかと言いますと、
- アーティスティック × アーティスティック
- エンタープライズ × エンタープライズ
って2つの組み合わせで構成されているカップルが、最も「関係性がよく」「関係の安定性も高い」って傾向があったんだそうな。
では、なんでこれらのタイプ同士がうまくいくのかと申しますと、以下のようになります。
- アーティスティックタイプ同士の相性がよい理由:アーティスティック系の人は、自由な発想を否定されにくい、感性や直感に共感しやすい、お互いに“型破り”を認め合える安心感があるってところが大きいので、お互いに「なんか変なやつだけど、そこが良いよね」と言ってもらえる関係を築きやすい。
- エンタープライズタイプ同士の相性がよい理由:エンタープライズ系の人は、野心や成長志向が一致しており、会話がゴール志向で建設的なので、一緒に「夢」を追えるパートナーシップ的な関係を築きやすい。一緒にビジネスやプロジェクトを立ち上げるカップルなんかは、ここに属することが多いんでしょうな。
似た者同士は相性が良いなどと昔から言いますが、この分析でも似たような結論が出た感じっすね。これは納得ですな。
ただし、一方では「違い」が強みになるパターンもあるようでして、以下のような傾向も確認されております。
- インベスティゲイティブ(分析好き)× ソーシャル(人好き)→ お互いの欠けた部分を補完し合える
- コンベンショナル(秩序好き)× アーティスティック(自由好き)→ 衝突は起きやすいが、バランスを取れる作用がある
ここで大事なのは、「違い」がある場合でも、そのギャップに対してお互いの理解や工夫があれば、その差を上手く活かすことができるってことですな。パーソナリティにギャップがあることよりも、それをどう扱うかのほうが結果を左右するわけです。
というわけで、今回は「仕事のタイプは恋愛の相性を見抜くのにも使えるかも?」って話でした。本論を読む前は、「仕事と恋愛の相性?なにそれ?」とか思ったもんですが、たしかに言われてみれば、私たちは人生の1/3以上を「働くこと」に費やしてますし、仕事には性格や価値観、行動パターンが自ずとにじみ出るもんですし、「何のために働くのか」という人生観もあぶり出ますからね。つまり、その人の仕事スタイルってのは「人間性の縮図」みたいなところがあるんで、恋愛にも大いに関わるところでしょう。
となれば、この研究から引き出せる教訓はシンプルで、
- 相手との相性が知りたければ“仕事ぶり”を見よ:仕事では自然体でのふるまいが見える(猫かぶりが少ない)し、頼りになるかどうかが可視化される(タスク管理、時間厳守、コミュ力など)しで、その人の本当の人間性が見えやすいはず。そこで相手がどのタイプなのかを見極めておき、自分のタイプと似た相手を探すとよいでしょう。
- 出会いの場でも“仕事の話”を振ってみるべし:新しい出会いの場で恋愛の可能性を探るなら、「仕事の話」をしてみるとかなりよさげ。たとえば、「今、どんな仕事してるの?」「仕事の何が面白いと感じる?」「理想の働き方ってどんな感じ?」みたいな質問を投げてみると、その人の人生観、価値観、行動原理が見えてきやすいはずであります。
もちろん、これで恋愛の相性が完璧に把握できるわけじゃないでしょうが、相性の問題が「感性の一致」「志向性の一致」に支えられている側面はあるでしょうから、出会いでは“仕事の話”を戦略的に使ってみるのもアリでしょうなぁ。