人間関係、多けりゃいいってもんじゃないので、友だちは3人でいいらしいですよ?という話
「人間の幸福に大事なのはIQでもお金でもなく、なんだかんだで人間関係だ!」って話が昔からあって、私たちの幸福度を決めるのは良い友人やパートナーの存在なんだって考え方は、もはや常識になりつつあるわけです。人間は社会的な動物ですからね。
そうなると、ここで気になるのが「他者とのつながりは、多ければ多いほど良いのか?」って問題であります。過ぎたるは及ばざるがごとしなんで、「人間関係を広げすぎると、むしろ心の安定が失われることはないのか」ってことですな。
そこで、この疑問について、新しい研究(R)は、「私たちに安心感をくれる『他者』は何人まで必要なのか?」って疑問を掘り下げてくれていて勉強になりました。この研究は、18〜65歳の大人4,600人以上を対象にしたもので、みんなに「誰を信頼しているか?」「誰に頼りたいと思うか?」といった質問を投げかけ、その答えから「人がどのくらいの人数に愛着を感じているか」を分析したものになっております。
ここで使われたのは、「WHOTO(フートゥ)」って質問法で、たとえば、
- 落ち込んだとき、誰と一緒にいたいですか?
- 楽しい時間を過ごしたいのは誰ですか?
みたいな質問を投げかけて、それぞれ1人だけ名前を挙げてもらう感じだったらしい。つまり、この研究が調べているのは「つながりの数を増やせば幸せになれるのか?」ってところでして、
- 友人の数が多いほど安心感が増し、幸福度も上がるはずだ!
- 友人の数が多いってのは、逆に満たされていない証拠だから、幸福度は下がるはずだ!
という、どちらの可能性が正しかったのかをチェックしているわけです。確かに、どっちの考え方もありそうですもんね。
で、分析の結果がどうだったかといいますと、
- 「困った時に頼りたい人」「安心感をくれる人」として、もっとも多く名前が挙がったのは「恋人・配偶者」。次に「友人」、そして「親・兄弟」はやや少なめ。「その他の人」はごくわずかだった。
- ほとんどの人は、「困った時に頼りたい人」「安心感をくれる人」を2〜3人しか挙げなかった。
- 「たくさんの人に依存している人」ほど、不安型の愛着スタイルを持っていた(=他人に捨てられる不安が強い)
- その不安が強い人たちは、全体的な幸福度が低かった
みたいな感じだったそうな。つまり、「心から信頼できる相手」ってのは誰にとっても限られた数しかおらず、逆に人間関係の“数”を求めすぎると「かえって不幸になる」という結果なわけですね。
なので、この結果からわかるのは、「他人に求める支えの数が多い人ほど、心の不安が強い」ってポイントでしょう。簡単に言うと、「誰かにそばにいてほしい!」という思いが強すぎる人は、それが満たされない瞬間に一気に不安になるため、その結果としてさらに多くの人間関係を求めてしまう……という負のスパイラルにハマっているのではないか、と。こういう傾向って、SNSの普及により強まってる感じがしなくもないですな。
それでは、親密な人間関係は「何人」がベストなのか?ってのが気になりますが、この研究では、
- 親密な人は2〜3人程度がもっとも幸福度が高かった!
って感じだったんだそうな。「この人たちがいれば大丈夫」と思える存在は、ほんの数人いるだけでも十分だってことでして、「私は友人が少なくて……」とお悩みの人には良いニュースかもですな。
ざっくりまとめてしまうと、この研究からわかるのは、
- 人間関係は数より質!
- 「どれだけ信頼できる関係を築けているか」が鍵!
ってことでして、自分の中の「不安」や「欠乏感」を満たすために多くの人に頼るのではなく、「この人がいれば安心」という確かなつながりをいくつか揃えておくのが大事ってことになりましょう。
研究チームいわく、
「人が他人に向ける愛情の“心理的な容量”には限界はない。ただし、時間は有限である」
とのこと。私たちはいくらでも友人を作れるかもしれないんだけど、実際にその関係を育てるには時間と労力という制約があるんで、だからこそ、いま自分が本当に心を向けられる相手に、時間を注ぐべきだって話ですな。無理に人間関係を広げるよりも、すでにある2〜3人との絆を深めるほうがいいよーってのは、かなり現実的なアドバイスですな。
というわけで今回は、「友人は多いほうがいいよ!」って考え方は、じつは逆効果になるかもしれないぞってお話でした。大事な点をあらためてまとめておくと、
- 人間関係の「量」よりも「質」
- 不安な気持ちに負けて人間関係を広げすぎると逆に不満が増す
- 親密な関係は、2〜3人いればOK
って感じになります。ということで、もし今あなたが「もっと友人を作らなきゃ!」「もっと誰かとつながりたい!」と感じることが多いなら、その感情の裏にある“不安”に目を向けてみると良いかもしれませんな。どうぞよしなに。


