AIってのは悩みを相談する相手として、どこまで頼れるのか?問題
AIに悩みを相談する人が増えた昨今。仕事の悩みを相談したりとか恋愛のグチを聞いてもらったりみたいに、AIとカウンセリングっぽい会話をしてる人もいるでしょう。AIの反応ってのは基本的に優しいんで、つい相談したくなっちゃうのは、よくわかるところです。
ってことで、研究(R)では、「AIって、悩み相談の相手としてどこまで頼れるの?」って問題を調べてくれてて面白かったです。
こいつは、メンタルがヘコんでいる学生65人を対象にした実験で、どんな内容だったかと言いますと、
- 参加者にAIと会話してもらい、自分が抱えている不安や心配ごと、完璧主義などについて語り合う。セッションは約30分。
- AIとの会話が終わった後は、訓練を受けた大学院生がすべての会話記録を読み、AIの対応を「認知療法尺度」という基準で採点。
みたいな感じっすね。
ここで使われたAIは、認知行動療法を学んだ研究用のチャットボットでして、相談しやすい関係を作り、問題を整理し、その人に合った働きかけを行えるように設定されていたとのこと。また、会話の記録については、以下の2種類を評価したんだそうな。
- 相手を理解し、共感を示しながら協力的に話せているか
- 問題の核心を捉え、その人に合った認知行動療法の技法を使えているか
要するに、この実験では「AIは共感するだけでなく、個人に合った支援までできるのか?」ってとこを調べたんですね。AIってのは、ユーザーによりそった優しい言葉を返すのが上手いんだけど、その話を聞きながら問題を整理して、ちゃんと必要なアドバイスができるのか、みたいなところを検討したわけです。
その結果、どんなことがわかったかと言いますと、
- AIが認知行動療法を行う能力の評価は、人間側の全体的な水準をやや下回ったが、研究方法の質が高い6研究に限ると、統計的に有意な差は見られなかった。
- ただし、評価の内容を細かく見てみると、AIの得意なことと不得意なことには偏りがあり、
- 得意だったこと:理解や共感を示す、相手の気持ちを受け止める、協力的に会話を進めるなど
- 不得意だったこと:問題に関わる重要な信念を捉える、本人の気づきを促す、その人に合わせて技法を使う
といった傾向が見られたんですね。ということで、どうやらAIってのは、相手の気持ちを受け止めるのは上手いんだけど、相手に合わせて支援の方法を変えるのは苦手っぽいんですよ。
これがどういうことかと言いますと、たとえば、あなたが「仕事でミスをして、自分はダメな人間だと思った」と相談されたとしましょう。この時に、「それは落ち込みますよね!」と返せば、とりあえず気持ちを受け止めることはできまして、ここらへんの作業についてはAIはめっちゃ得意らしいんですよ。
ただし、「その先に何を話すべきか?」ってことになると、答えは相手によって違うはずでして、
- 一度のミスで自分全体を否定しているだけなのか?
- そもそも仕事量が多すぎるのか?
- 失敗への不安が強すぎるのか?
って感じで、人によって異なる原因を探り当てないと、ちゃんとしたアドバイスはできないじゃないですか。このような、「この人の、この問題に、いま何が必要か」を考えるのは、AIはちょっと苦手みたいなんですね。まぁ、こういうアドバイスをするためには、相手の言葉の背景を読み、複数の可能性を検討するような能力が必要なんで、AIは個人に合わせた判断がまだ不安定ってことなんですかね。
とはいえ、もちろん今回の結果は「AIのアドバイスには意味がない」って話じゃないのでご注意あれ。困った人の中には、自分の話を受け止めてもらうことだけでも安心するケースはあるでしょうからね。
ってことで、この文献をもとに、現実に使えそうな教訓を引き出すのであれば、これからAIに相談するときは、「自分の悩みを受け止めてくれた?」ってとこだけじゃなくて、以下をチェックしてみるといいかもですな。
- 自分の状況について、必要な質問をしてくれたか
- 自分が伝えた事実と、AIの推測が分けられているか
- 提案された行動は、自分の生活で実行できそうか
- 悩みの原因を一つに決めつけていないか
- 別の可能性や反対の見方も検討しているか
- 深刻な問題なら、専門家への相談を勧めているか
まぁ、これは別に今回の研究で効果が確かめられたチェックリストじゃないんだけど、とりあえずAIの返答の心地よさだけで評価しないためのガイドラインにはなるでしょう。お試しあれー。



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