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俺と瞑想#2「瞑想を10年ちょい続けて、呼吸がどう変化したか確かめてみよう!」

   

 

というわけで、前回は「瞑想を12年ぐらい続けた人間のバイタルはどう変わるのか?」という話の一環として、HRVの変化を見てみました。ざっくり言えば、瞑想中はHRVが上がる日が多くて、「おー、やっぱり身体はそれなりにリラックスモードへ入ってるっぽいなー」みたいな感じだったわけです。

 

ただし、HRVはかなり別な要素の影響を受けますんで、HRVだけ見て「瞑想で自律神経が完全に整った!」みたいに言うのは、ちょっと無理筋でありましょう。そこで今回は、もう少しシンプルに、「瞑想をやる前と後で、呼吸数はどう変わるのか?」をチェックしてみたいと思います。

 

というのも、個人的には、瞑想の短期的な変化を見るなら、「呼吸数」ってのは割と良い指標だと思ってるんですよ。心拍数やHRVはスマートウォッチがないと測りにくいけど、呼吸数なら1分間だけ自分で数えればOKですからね。しかも、呼吸瞑想ってのは、自分の呼吸をカウントするのが基本なんで、「呼吸数を見る」のと相性がいいんすよ。

 

 

 

呼吸数で瞑想をチェックしてみる

いちおう説明しておくと、呼吸数ってのは、その名のとおり「1分間に何回呼吸しているか?」を示す数字で、一般的な成人はだいたい1分あたり12〜20回ぐらいとされております。私たちの身体は、ストレスを感じると、かなりわかりやすく呼吸が変化するもんでして、たとえば、

 

  • 不安なときは呼吸が浅くなる
  • 焦っているときは呼吸が速くなる
  • 怒っているときは息を止めがちになる
  • 緊張していると胸の上のほうだけで呼吸しがちになる

 

みたいな感じっすね。なので、瞑想によって身体がどれぐらいリラックスモードに入ったかを見る指標としてわかりやすくていいんじゃないかと。

 

で、呼吸を指標にするに当たり、私は前回と同じくガーミン265Sを使っております。まぁ、呼吸は普通に数えればいいんですけど、私の場合、瞑想中はリラクゼーション反応が出まくるせいで、いろいろ面倒になって呼吸を数えるのもおっくうになっちゃうんで。

 

その点、ガーミンだと「ブレスワーク」機能で勝手に呼吸をカウントしてくれて、めっちゃラク。完璧な精度は期待できないものの、「瞑想中に呼吸がどう変わるか?」を見る個人実験には十分に使える感じっすね。

 

ちなみに、最近やってた測定条件は、HRV編と同じです。

 

  • 朝の同じ時間帯
  • カフェインを摂取する前
  • 朝にいつもと同じレベルの軽いウォーキングをした後
  • 15分間の呼吸瞑想
  • 瞑想前、瞑想中、瞑想後で呼吸数をチェック

 

瞑想の方法は、いつもの呼吸瞑想を使ってまして、

 

  • 呼吸に注意を向ける
  • 雑念に気づく
  • また呼吸に戻る
  • 呼吸が浅ければ浅いまま観察する
  • 呼吸が深ければ深いまま観察する

 

というめっちゃシンプルな内容になっております。いろいろやってみたけど、私の場合はこれが一番リラクゼーション反応が出やすいって結論になりまして。

 

でもって、当然瞑想の際は「今日は呼吸数を下げるぞ!」みたいなことはしませんで、あくまで自然に呼吸が変化するようにしております。そんなことをやると、瞑想が呼吸チャレンジになっちゃって、本末転倒になりますんで。

 

 

 

呼吸数の変化は体感的にもわかりやすいですねー

そんなわけで、ここ7日分のデータを並べてみたら、こんな感じになりました。

 

瞑想前の呼吸数瞑想中の呼吸数瞑想後の呼吸数変化
1日目14回/分8回/分10回/分-6回/分
2日目15回/分7回/分10回/分-8回/分
3日目13回/分7回/分9回/分-6回/分
4日目16回/分12回/分13回/分-4回/分
5日目14回/分7回/分9回/分-7回/分
6日目13回/分6回/分9回/分-7回/分
7日目15回/分9回/分11回/分-6回/分

 

平均してみると、こんな感じっすね。

 

測定タイミング平均呼吸数
瞑想前14.3回/分
瞑想中8.0回/分
瞑想後10.1回/分

 

ってことで、瞑想中は瞑想前に比べて、平均で約6.3回/分ほど呼吸数が減った計算っすね。割合で見ると、だいたい44%ぐらい呼吸数が下がった感じでして、思ったよりも大きい印象。瞑想が終わった後も、10回ぐらいでしばらく落ち着いているのもナイスですな。個人的には、HRVよりも呼吸数のほうが「身体が静まってる感」が直感的にわかりやすくていい気もしますね。

 

これは体感としてもわかりやすい変化がありまして、呼吸数が下がった日は、かなりはっきりと身体の反応が変わる感じがあるのがいいっすね。具体的には、瞑想する前は、胸の上のほうで呼吸している感覚が強くて、「吸ってるけど、あんまり入ってないなー」みたいな感じなんだけど、瞑想に入って5分ぐらい経つと、呼吸が少し下に落ちてくる感じが出てきまして、

 

  • 吸う息より、吐く息に余裕が出る!
  • 肩の力が抜ける!
  • 頭の中の雑音が減る!

 

みたいな感じになるんですよね(毎回そんな上手くはいきませんが)。

 

一方で、上の表でいう4日目なんかは、瞑想中でも12回/分までしか下がっておりません。これをメモで振り返ってみると、前日の睡眠の質が低く、この日は瞑想していても「今日やること多いなー」みたいな思考がうずまきまくってたんですよ。このあたりは、数字と体感がやっぱ一致しますね。

 

 

 

「呼吸の変化」に気づく能力は、地味ながらわりと使える

では、長期的な瞑想において、呼吸数にどんな変化が出たかと言いますと、これについては、正直かなり微妙であります。安静時の呼吸数は、その日の体調でけっこう変わるし、デバイスによる推定のブレもあるしで、「瞑想だけのおかげで呼吸数が変わった」と言うのは無理なんすよね。

 

ただ、あくまで個人の体感になりますが、「呼吸が乱れていることに気づくスピード」は速くなったなーとは思っております。10年前の自分を振り返ってみますと、あの頃は、焦っているときに自分が焦っていることに気づくのが遅かったんすよ。仕事で焦りまくっていて、実は肩に力が入り、呼吸が浅くなり、なんとなく不機嫌になってるのに、その事態に上手く気づくことができず、夜になってから「なんか今日ずっと疲れてたな」と気づく……みたいなイメージっすね。

 

ところが、こんだけ長く瞑想を続けていると、えらいもんで、わりと早い段階で、「あ、呼吸が浅いな」「あ、吐く息が短いな」と気づけることが増えまして、それによって自分の現状を読む力が上がったような感じなんですよ。まぁ、人によっては「なんだよ!その地味なメリット!」みたいに思うでしょうけど、私としてはこれぐらいでも「なかなかいいんじゃない?」って気がしてますね。

 

瞑想というと、どうしても「心を無に!」とか「雑念を消す!」といったイメージを持たれがちですけども、いまんとこの実感としては、雑念は普通に出続けるし、不安も普通に出るし、しょうもないことも普通に考えるしで、何年やろうが脳の雑音は減らないもんです。賢者の道は遠い。

 

ただ、繰り返しになりますけども、心を無にするのは無理だとしても、自分の身体の変化に気づけるようになっただけでも私としては問題なし。「呼吸が浅いなー」とか「肩が上がっているなー」ってとこに気づければ、思考が荒れ狂い出す前に距離をとることができますからね。地味ながらだいぶ実用的な変化なんじゃないかと。

 

そんなわけで、瞑想の効果をチェックするために呼吸数を使うのは割とアリでしょう。HRVや心拍数でもいいんだけど、ちょっと計測が煩雑になりますからね。これから瞑想をやってみようという方は、ここを指標にしてやってみるのもよさげであります。


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1976年生まれ。サイエンスジャーナリストをたしなんでおります。主な著作は「最高の体調」「科学的な適職」「不老長寿メソッド」「無(最高の状態)」など。「パレオチャンネル」(https://ch.nicovideo.jp/paleo)「パレオな商品開発室」(http://cores-ec.site/paleo/)もやってます。さらに詳しいプロフィールは、以下のリンクからどうぞ。

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