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ミスするたびに『自分はダメだ』と思う人が試したい、3つの練習の話

   

仕事でミスをして「自分はダメだ……」と落ち込むみたいな経験は、珍しいものじゃないでしょう。失敗して落ち込むのは自然なことながら、ひとつのミスで、自分の存在まで否定するようになっちゃうと、なかなか人生がしんどくなりますねんで、なるたけ避けたいわけです。

 

そこで、この問題の打開策として参考になるのが研究(R)で、ここでは「成果に左右されず、自分を受け入れる感覚は育てられるのか?」ってポイントを調べてるんですよ。

 

具体的には、ルーマニアで教師として働く100人を対象にした実験で、

 

  1. 全体の半分は、心理プログラムに参加してもらう
  2. 残りの半分は、何もせずに過ごしてもらう

 

みたいになります。ここで使われた心理プログラムは、1回90〜120分のセッションを週1回のペースで6週間ほど行うというもの。

 

もうちょい詳しく説明すると、

 

  1. 心理学の専門家が、参加者に「自分を受け入れるとはどういうことか?」ってのを教える。
  2. 「自分はダメだ!」みたいに否定的な思考をチェックする練習などをする

 

みたいな感じで、俗に「REBT」という心理療法にもとづく内容になっております。

 

その上で、研究チームは、定期的に全員に心理テストを行い、みんなの考え方がどう変わったのかを調べたとのこと。すると、その結果はと言いますと、

 

  • 心理プログラムに参加したグループは、自己受容の得点が上がり、6か月後も開始前より高かった。

  • 心理プログラムに参加しなかったグループには、自己受容の明確な変化は見られなかった。

 

って感じだったそうな。簡単に言えば、「REBT」を行ったグループは、失敗しても自分を否定せずに、受け入れられるようになったわけっすね。

 

ということで、この研究から得られる最も大事な知見は、

 

  • 自分への評価の仕方は、練習によって変えられる!(かも)

 

ってことでしょう。仕事でミスを起こすたびに自分を否定しちゃうと、どうしても長期的なメンタルは悪化するので、これをトレーニングでどうにかできるなら、ぜひやっときたいところですね。

 

残念ながら、「REBT」を簡単に実践するわけにはいかんのですが、今回の研究の考え方を参考にしてみると、おそらく以下のような練習はアリかなーと思った次第です。実験のプログラム全体を再現したものじゃないものの、自己否定を見直すきっかけにはなるのではないかと。

 

 

練習1.「私は、〇〇なら認めてもらえる」って文章を穴埋めしてみる

まずは、自分がどんな評価軸を持っているのかを知るのが大事。ってことで、最初はこの文章の空欄を埋めてみてくださいませ。たとえば、

 

  • 私は、仕事で成果を出せば認めてもらえる。
  • 私は、誰にも迷惑をかけなければ受け入れてもらえる。
  • 私は、人の役に立っているときだけ、自分を認められる。

 

みたいな感じですね。こうした「自分が持ってるルール」を理解することで、「自分はどんなときに自分を責めやすいのか?」が見えてきやすくなりますんで。

 

 

でもって、文章の穴埋めができたら、「その条件が日常のどんな場面で顔を出すのか」も考えてみてください。たとえば、「頼まれると断れない」「何もしていない休日に罪悪感がある」「少し注意されただけで、相手に嫌われた気がする」みたいな感じっすね。この作業によって、まず自分がどんな条件を課しているのかを確認するわけですな。

 

 

練習2.出来事、解釈、反応を分ける

次に、最近しんどかった場面を、3つに分けて書いてみるのも、めっちゃ有効であります。

 

  • 出来事:提出した資料に、修正を求められた。
  • 解釈:こんな修正をされる自分は、能力がない。
  • 反応:恥ずかしくなり、次の仕事に手をつけられなくなった。

 

そのうえで、「この出来事から、そこまで言えるだろうか?」を考えるのが、この手のトレーニングの基本。これをやると、「『資料に修正が必要だった』ことと、『自分には能力がない』ことは、同じじゃない!」って事実に気づけたりしますんで。

 

で、ここでできれば、自分の中の「誰かに評価されたい」という希望が、「必ず評価されなければならない」って極端な思考になっていないかも確認しとくと、なおよしであります。

 

 

練習3.自分への言葉を、次の行動につながる形にする

最後に、「こんなこともできない自分はダメだ」みたいに自分を責める言葉を、具体的な行動に変えてみればOK。たとえば、

 

  • 「自分は無能だ」→「今回は数字の確認が抜けた。次は確認項目を作ろう」

  • 「嫌われた自分には価値がない」→「この人とは意見が合わなかった。伝え方に直せる点があるか考えよう」
  • 「今日は何もできなかった。自分はダメだ」→「予定は進まなかった。疲れ具合を見て、明日の量を調整しよう」

 

みたいになります。ここで大事なのは、ただ改善すべきことを具体的にすることだけを考えることっすね。これをやっとくと、自分を否定する代わりに、次に何をすればいいかを考えやすくなりますんで。

 

まぁ、これはあくまで簡易バージョンのトレーニングですけども、なんかミスをしたときの対策としては割と効くはず。まずは最近の失敗をひとつ選んで、「起きたこと」と「自分について決めつけたこと」を書き分けてみると、始めやすいかと思う次第です。お試しあれー。

 

 

 


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1976年生まれ。サイエンスジャーナリストをたしなんでおります。主な著作は「最高の体調」「科学的な適職」「不老長寿メソッド」「無(最高の状態)」など。「パレオチャンネル」(https://ch.nicovideo.jp/paleo)「パレオな商品開発室」(http://cores-ec.site/paleo/)もやってます。さらに詳しいプロフィールは、以下のリンクからどうぞ。

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