アルファリポ酸って血糖値とかコレステロールに効く?のメタ分析が出たぞー
アルファリポ酸ってサプリがありまして。
これは抗酸化性能が高いことで知られる物質で、
- 糖尿病の予防に効くかも!
- コレステロールを下げてくれるかも!
- ダイエットに効くかも!
- 体内の炎症にいいかも!
みたいに言われてたんですよ。いずれもメタボリック症候群につきものなポイントですな。
ただし、ダイエット効果については2017年にメタ分析が行われていて、
- 確かにアルファリポ酸で体重は減るけど、わざわざサプリを飲むほどではない!
という切ない結論が出てたりします。そのいっぽうで、「不健康な人ならダイエット目的で飲んでもいいかも」って傾向も確認されてるんで、抗酸化性能が高いのも間違いないところかとは思いますが。
そんな状況下、「アルファリポ酸ってメタボに効くの?」って疑問をガッツリ調べた論文(1)が出まして、非常に参考になりました。
これはシーラーズ大学の研究で、過去に行われたアルファリポ酸の実験から信頼性が高い24件をまとめたメタ分析。その内12件は糖尿病の患者さんが対象で、残り12件はその他の代謝異常に悩む方々にアルファリポ酸を飲んでもらっております(妊娠糖尿病とかね)。
全体の傾向を申し上げますと、
- 1日のアルファリポ酸は200〜1800mg
- 実験期間は2〜51週間
- I2は78% 〜 96%(つまり、アルファリポ酸の効果は個人差がかなり激しい)
って感じ。かなり判断が難しそうではありますが、それなりに信用できる内容ではないかと。
さて、まずは大きな結果ですが、
- アルファリポ酸はちゃんと空腹時の血糖値を下げるよ! (SMD = -0.54)
- インスリンレベルも下げるよ!(SMD = -1.01)
- HbA1cにも効くぞ! (SMD = -1.22)
となっております。個人的には、「おっ!意外といいじゃない!」みたいな印象っすね。
続けてサブグループ分析の結果は、
- 糖代謝
- 糖尿病の場合=空腹時の血糖値やHbA1c は下がるが、インスリンには差がなかった
- 非糖尿病の場合=空腹時の血糖値には差がなかったが、HbA1c やインスリンは下がった
- 脂質代謝
- 糖尿病の場合=総コレステロール、中性脂肪、LDLは下がったが、HDLには差がなかった
- 非糖尿病の場合=総コレステロールは下がったが、中性脂肪、LDL、HDLには差がなかった
って感じ。いずれもアルファリポ酸の量は関係ないみたいで、1日600mg以下でも以上でも改善のレベルは変わらないみたいっすね。
さて、以上の話を簡単にまとめますと、
- 糖尿病の人ならアルファリポ酸を飲む意味はありそう
- それ以外の代謝異常には、ちょっと効果が低めかも
ってとこでしょうか。思ったよりは心疾患の引き金になるポイントが良くなってたんで、ライフスタイル改善のおともに使うのはアリじゃないでしょうか(もちろん食事と運動の改善を超大前提にしたうえで)。
ちなみに、この研究はあくまで代謝が壊れた人用なんで、いま特に問題がない人がアルファリポ酸を飲む意味があるのかは謎です。個人的には普通の人が飲むほどではないかなーとか思ってますが、抗酸化能力が高いのは確実なんで、ちょっと気になる方はどーぞ。