腸内細菌はあなたの「コミュ障」レベルも左右している!(かもだ)という研究
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「腸とメンタルがつながってる!」ってのは有名な話で、お腹を壊すと鬱や不安の症状が起きやすくなっちゃうんですよね。おそろしいもんでございます。
が、新しくハーバードから出た論文(R)は、さらに一歩進んで「腸内細菌がコミュ障になるかどうかを決めるかもだ!」って結論になってて驚きました。
これは309人の新生児を対象にした研究で、生後3〜6カ月の赤ちゃんから大量のウンチを採集して、全員の腸内細菌がどのようになってるかを調べたんですな。そこから、さらに赤ちゃんが3歳になった時点でASQ-3っていう検査を行いまして、
- 運動能力がどれぐらい発達したか?
- 社交スキルはどれぐらいのレベルか?
- 問題を解決する能力はどれぐらいか?
といったポイントをチェックしております。この作業によって、腸内細菌の種類と赤ちゃんの成長がどう関係してるかがある程度までわかるわけですね。非常におもしろい研究ですねー。
さて、そこでなにがわかったかというと、
- 平均よりクロストリジウムの細菌が多い子供は、社交スキルの発達が1.96倍も遅れやすい (95%CI = 1.22-3.15)。さらにコミュニケーションに積極的にならない確率も1.69倍高い(95%CI = 1.06 - 2.68)
- 平均よりバクテロイデスの細菌が多い子供は、運動能力(ものを握ったりとかボタンを留めたりとか)の発達が1.5倍ほど遅れやすい (95%CI = 1.07 - 2.16)
だったそうで、個人的には「そこまでの違いが出ますか!」って印象を受けましたね。1.96倍って差はちょっとすごいんじゃないでしょうか。
もちろん、腸内細菌は複雑すぎる分野なので、こいつをどこまで信じていいのかは微妙なところではあります。事実、過去の類例(R)で言うと腸内細菌と自閉症には目立った関係はない!なんて結果も出てますしね。「腸内細菌がコミュニケーション能力を左右する!」と言い切るにはまだ心もとないところでしょう。
ちなみにこの類似研究では、自閉症と関係がある要素は以下のようになっております。
- 親の喫煙:33%リスク上昇
- 早産:30%リスク上昇
- 父親が40歳以上:23%リスク上昇
- 母親が35歳以上:10%リスク上昇
いろんなファクターがありつつも、とりあえずタバコが激烈に悪いのは確実なんで、ここは留意しておきたいっすね。
そんなわけで、まだまだ断言はできないものの、「腸内細菌と子供の社交スキルに強い相関が!」って傾向が出たってポイントは、大人としても気になるところでしょう。とりあえず、よりよいコミュニケーション能力を維持するためにも、腸内細菌には気を配っといたほうがよさげであります。