睡眠時無呼吸症候群は、DNAレベルで老化を激しく加速させるぞ!というハーバード実験の話
https://yuchrszk.blogspot.com/2019/07/dna.html
近ごろ、周囲の同世代に増えてきたのが「無呼吸症候群」であります。眠ってる間に呼吸が止まっちゃうアレですな。
かく言う私も肥満体だったころは無呼吸症候群の気がありまして、目が覚めてもまったく寝た気がしなくて困ったもんです。ダイエットとアレルギー改善を徹底したらいつの間にか治ってましたが、ありゃあ嫌なもんです(私の場合は舌が太ってたのが原因みたい)。
無呼吸症候群のデメリットは数多くて、不眠症はもちろん心疾患リスクを高めるのは有名な話。睡眠の質が悪くなればあらゆる不調が出てくるのは当たり前ですからね。
で、新しくハーバードから出た論文(R)では、さらに「無呼吸症候群で体がDNAレベルで老けまくる!」って結論になっててビビりました。まずは研究チームの問題意識から言うと、
睡眠時の無呼吸症候群は、酸化ストレスと全身の炎症を起こし、あらゆる病気の原因になる。しかし、これまで無呼吸症候群がエピジェネティックな老化を引き起こすかどうかは、まだよくわかっていない。
みたいになってます。要するに、無呼吸症候群は後天的にDNAにダメージを与えるんじゃないか? ってことですね。
これは622人の男女を対象にした研究で、まずは以下のポイントをチェック。
- 睡眠時の呼吸パターン
- 血中の酸素レベル
- 心拍数
- 脳波
- DNAのメチル化
最後の「DNAのメチル化」ってのは、すごーくざっくり言えば「遺伝子のスイッチをオンオフにする人体のしくみ」みたいなもんです。こいつによって遺伝子の発現が変わってくるんで、非常に大事なポイントなんですな。
それで何がわかったかと言いますと、
無呼吸症候群のレベルがヒドくなるほど、DNAの老化も加速していた。この現象は、他の交絡因子を調整しても確認された。
これらの人々は、生物学的な年齢が実際の年齢とは同じでないのだと考えられる。実年齢よりも生物学的な老化が進んでいる人は、見た目もより早く老けていくだろう。
だそうです。無呼吸症候群を放っておくとDNAレベルで老化が進み、ぱっと見でわかるレベルで老けていくのではないか、と。これは恐ろしい………。
ちなみに、具体的にどれぐらい老化が進むかと言うと、
- 無呼吸症候群インデックスの数値が偏差1つズレるごとに、生物学的な老化が215日早く進む
- 睡眠の質を表すインデックスの数値が偏差1つズレるごとに、生物学的な老化が321日早く進む
みたいになってます。無呼吸症候群と睡眠の質については専門機関で調べるしかないので、セルフチェックはちょっと難しいんですけど、とりあえず不眠症や眠りが浅いような人は老化がガンガン進むと考えたほうが良さげ。
ただ、この研究でちょっと希望があるのは、
- 無呼吸症候群でDNAが受けたダメージは、あとから復旧が効く!
って結果も出てることですね。もし心当たりがある方がいれば、お医者さんでCPAPやMRDといったデバイスを至急手に入れることをオススメします。