めちゃくちゃ金持ちはどんな時間の使い方をしてるのか?という観察研究のお話
その昔、大企業の社長はどんな時間の使い方をしているのか?みたいな調査がありましたが、新しい研究(R)は「激しい金持ちは時間をどのように使っているのか?」ってポイントを調べてくれてておもしろかったです。著者のひとりであるアシュレー・ウィランズさんは、以前に「すぐに幸福になりたければ金より時間を大事にしよう」を手がけた人で、ずっと「時間とお金」の問題を調べ続けているおもしろい先生ですね。
これはオランダで行われた研究で、まずひとつめの調査では、
- 資産が億を超えている人863人と、資産が平均的な人1,232人を集める
- それぞれの生活満足度と前日の自由時間に何をしたかを調べる
- さらに、料理、通勤、仕事、ボランティア、趣味などの活動にどれだけの時間を費やしたかも調べる
みたいになってます。シンプルに億万長者と一般層の満足度を調べて、時間の使い方と暮らしの満足度を比べたわけっすね。
で、こちらの結果がどうだったかと言いますと、
- 基本的に、億万長者と一般層の時間の使い方は、そこまで違うわけではない(というか、かなり似ている)
- ただし、億万長者ほどアクティブ・レジャーに時間を多く使う傾向があった(アクティブ・レジャーは、社交とか親友と遊んだりとか運動したりとか趣味、ボランティア活動に参加すること意味しております)
- 逆に億万長者ほどパッシブ・レジャーに時間を使わない傾向があった(パッシブ・レジャーは、テレビを見る、昼寝をする、休む、リラックスする、何もしないなど、肉体的&精神的エネルギーをほとんど使わない行動を意味しております)
って感じだったんだそうな。もちろん、この研究だと「アクティブな趣味をすれば億万長者になれる!」って結論にはならないわけですが、金持ちほど積極的なレジャーをしてる傾向はあるみたいっすね。
さらに、ふたつめの研究は以下のようになってます。
- 資産が億を超えている人690人と、資産が平均的な人306人を集める
- 仕事での時間の使い方に決定権がどれぐらいあるかを調べる(仕事の進め方に自由があるかってことですな)
- 上のデータをみんなの人生の満足度と比べる
みたいになってます。「科学的な適職」でも「仕事の幸福には裁量権が大事!」みたいなポイントを強調してますけど、こちらでは仕事の自由度と人生の満足度を比較したわけっすね。
で、こちらの結果がどうだったかと言いますと、
- 基本的に、億万長者のほうが一般層よりも仕事をしている時間が長かった。これは本職を引退した後でも同じだった
- 億万長者ほど仕事の自由度が高く、「自由に時間を決められる」と報告するケースが多かった。また、やっぱり仕事の自由度と生活の満足度には大きな関係があった
だったそうな。これまでの調査と結論は同じで、やはり仕事の自由度は幸福に大きな関係があったみたいっすね。こちらも観察研究なので因果関係はわからないわけですが、こうして見るとアクティブレジャーが多い人にほど幸福になれるのもわかる気がします。アクティブレジャーの方が自由度は高いですもんね。
くり返しになりますが、この研究は「富裕層ほど仕事が自由で余暇もアクティブですよー」と言ってるだけなんで、そこらへんはご注意ください。まぁ過去の研究を見てると、自己コントロール感が幸福につながる傾向は一貫してますんで、そこを重視するのが良いのは間違いなさそうですが。