マッチングサイトで効果的な口説き文句を調べたぞ!みたいな研究の話
マッチングサイトで効果的な口説き文句を調べたぞ!みたいな話(R)がおもしろかったのでメモ。
これはケネソー州立大学などの研究で、18歳から24歳までのTinderユーザー237人が対象。どんな実験かというと、参加者に「架空の異性プロフィールと4つの口説き文句」のうちひとつを見てもらい、その相手と長期または短期のパートナーとして付き合いたいかどうかを調べたんだそうな。
で、ここで使われた4パターンの口説き文句は、こんな感じです。
- シンプルなほめ言葉:「笑顔が素敵ですね」みたいなやつ。
- ユーモア+非ほめ言葉:「レーズン持ってます?あ、持ってない? じゃあデートはどう?」みたいなやつ(日本語だとなんのこっちゃ分かりませんが、男女の「デート」とナツメヤシの「デーツ」をかけたダジャレです。これがネイティブには本当におもしろいのかは不明)
- ユーモア+ほめ言葉:「君ってテネシー出身?だって、君はここにいる人の中で唯一の10点満点だからね!」みたいなやつ(これも意味不明っですが、要するに「Tennessee」と「10 I see」の音が似てることを使ったダジャレです。こちらもネイティブにはおもしろいのか不明)
- 一般的な挨拶文:「やあ、調子はどう?」みたいなやつ。
でもって、みんなにどの口説き文句が好きかを尋ねたら、
- 女性は、一般的な挨拶文よりも「ユーモアだけ」または「ほめ言葉だけ」の口説き文句を好みやすかった
- 逆に「ユーモア+ほめ言葉」を好む女性は少ない傾向があった
- 男性は、女性が使うフレーズには影響される、たんにTinderのプロフィールについてる写真の身体的な魅力度で相手を判断した
ということで、相手に好印象をあたえたい場合は、シンプルなユーモアかシンプルなほめ言葉が有効らしい。ひとつのフレーズにいろんな要素を詰め込んじゃうと、どうも女性ユーザーは不快感を覚えるらしいんですな。一方で、男性にフレーズは関係なく、女性の写真が唯一の予測要因だったそうで、これはいかにもありそうな話っすね。
ちなみに、似たような研究は80年代にも行われていて(R)、こちらではバーやレストランなどで使われる100の口説き文句の効果を分析。口説き文句を大きく3つに分類してます。
- 直接パターン:「あなたのことをもっと知りたいのですが」みたいなやつ
- 無難パターン:「このバンドどう思いますか?」みたいなやつ
- ユーモアパターン:上の「レーズン持ってる?」みたいなやつ
すると、こちらの結果は上述とは食い違ってて、シンプルなユーモアがもっとも評価が低く、女性は「下心を隠すパターン」を好み、男性は「直接パターン」を好む傾向があったんだそうな。ちょっと食い違ってますね。
ただ、「女性は割と無難な誘い文句を好む」って傾向は他のデータでもいくつか確認されていて、2009年の調査(R)なんかでは、
- 無難なフレーズを使う人は、調子が良いフレーズを使う人よりも、賢くてセクシーだと思われやすい
- 調子が良いフレーズを使う人は「社交的で自信に満ちている」と判断されるが、一方では「信頼性が低いから付き合いたくない……」と思われやすい
みたいな結果も出てたりするんですよ。まぁ長期的なパートナー選びの視点からすれば、お調子者よりは無難な方が良いと判断されるのは当然かもしれませんが。
では、なんで最新の研究では「ユーモア」が評価されたのか?ってとこですが、正直ここらへんは謎です。今回のテストではネットを舞台にしてるんで、そこらへんが違いを生み出してるのかなーって気もしますが(認知負荷の差とか)。