このブログを検索

今週半ばの小ネタ:ASMRが役に立つ人はどのような人なのか?魅力的な人は免疫システムも健康なのか?良い睡眠をとったらどれだけ痩せるのか?


ひとつのエントリにするほどでもないけど、なんとなく興味深い論文を紹介するコーナーです。

    

ASMRが役に立つ人はどのような人なのか?

ASMRは現時点でどこまで役に立つのか?」ってのはパレオチャンネルに書いたことがありますが、新しいデータ(R)は、「ASMRでメリットを得やすい人はどんな人?」ってのを調べてくれてて参考になりました。

 

 

ASMRってのはご存じのとおり首や頭皮に沿って感じられるムズムズするようなリラックス感のことで、これを体験するための動画がYouTubeに死ぬほどアップされてますんで、お試しいただくといいでしょう。ASMRを睡眠やストレス解消に役立てている人も結構いまして、メリットを得やすい人と得にくい人の違いは気になるとこなんですよね。

 

 

この研究では、ASMR経験者とそうでない人を含む60人超の人を集め、「ASMR | 5 Minutes Quick Triggers Ep. 1」って動画を見てもらったんだそうな。その結果、どんなことがわかったかと言いますと、

 

  • 不安や神経症が高い性格の人ほどASMRを体験しやすい

 

  • 不安や神経症ぎみな人がASMR動画を見た後は、気分が落ち着く傾向が見られた

 

だったそうです。私は不安傾向があるわりにはいまいちASMRの感度が低い人間なのですが、これはなぜなんだろう……。

 

 

研究チームいわく、

 

我々の研究では、ASMRビデオによってASMRに特有の感覚を経験した人は、以前はその感覚になじみがなかったとしても、不安が軽減されることがわかった。

 

不安感の強さと関連するパーソナリティ特性もこれらの効果と関連していたことから、ASMRは不安感が強い人に対する心理的介入として適している可能性がある。

 

とのことなんで、ビッグファイブ診断などで神経症傾向が強めに出た人は、ASMRをお試しいただくのも良いかもしれません。自分でももう少しちゃんとASMRを聞いてみるか……。

 

 

 

魅力的な人は免疫システムも健康説

美女とイケメンはなにかとお得ですよー」って話は昔からあるわけですけど、新たに「見た目が魅力的な人は免疫システムが優れているかもよ?」なんて研究(R)が出ておりました。

 

 

これはテキサスクリスチャン大学などの調査で、79人の女性と80人の男性を対象にしたもの。まずは全員の写真撮影行い、ニュートラルな表情で首から上の画像を採取。さらに全員の血液を85ミリリットルほど採って、免疫システムの働きも調べたんだそうな。

 

 

その後、さらに492人のボランティアたちに顔写真を見せて、それぞれの顔の魅力を評価するように依頼。それらの評価を血液検査の結果と突き合わたら、結果はこんな感じになりました。

 

  • 魅力的な人はファゴサイトーシスの割合が高かった(特定の白血球が異物を取り込むプロセス)。つまり、顔が良い人は免疫システムが優れている可能性も高い

 

ということで、どうやら美女とイケメンはやっぱり免疫レベルが高いらしい。そう考えると、世の中はいよいよ不利な気がしてくるわけですが、研究チームはこんなことを言っておられます。

 

魅力の認識は、免疫システムの機能が高いパートナーの選択を導く上で、より重要な役割を果たしているのではないか。人間はより健康な相手を求めるように生物学的にプログラムされているからだ。

 

そもそも人類は、自分の遺伝子を残すために、より健康な相手を求めるように生物学的にプログラムされてきたはず。それならば、人の魅力と免疫のレベルには何らかの相関関係があってもおかしくはないのではないか、と。というか、そもそも免疫システムが健康な人のことを、人類は魅力的に感じるように進化してきたのではないか、と。それはありそうな話ですなぁ。

 

 

 

良い睡眠をとったらどれだけ痩せるのか?

寝不足は太る。18日で1kg太る!」なんて話がありましたが、「逆に良質な睡眠をとったらどれだけ痩せるのか?」ってのを調べた話(R)が出ておりました。

 

 

これは80人の成人を対象にした試験で、研究スタート時から太っていて、普段の睡眠時間が6時間半ぐらいの人だけを選んだんだそうな。実験では、全員に睡眠計を装着してもらい、定期的にカウンセリングを行った上で、睡眠時間を平均で2時間増やしてて8時間半にさせたんだそうな。

 

 

研究期間は4週間にわたって行われ、そのあいだ、被験者には自分のベッドで寝てもらい、いつもどおりの食事を続けるように指示したんだそうな。でもって、そのあいだの違いを尿検査などで計測したところ、

 

  • 質の良い睡眠をとっている人は、1日平均270キロカロリーの摂取カロリーを減らすことができ、中には1日500キロカロリーをカットできた人もいた

 

  • この睡眠習慣を維持すれば、3年間で約11キログラムの減量につながるかもしれない

 

って感じの結果だったらしい。最大で1日に500キロカロリーの食欲を抑えることができるかもしれないってのは、なかなかの違いじゃないでしょうか。逆に言えば、睡眠不足のせいでそれぐらい摂取カロリーが増えちゃう可能性もあるわけですね。

 

 

研究チームいわく、

 

多くの人が、体重を減らすために摂取カロリーを減らす方法を懸命に探しているが、より多く眠るだけで、大幅に体重を減らすことができるかもしれない。

 

健康的な睡眠習慣が長期間にわたって維持されれば、臨床的に重要な体重減少につながるでしょう」と述べています。

 

とのことで、体型をどうにかしたい人は、とりあえず睡眠習慣の改善からですな。

 

 


スポンサーリンク

スポンサーリンク

ホーム item

search

ABOUT

自分の写真
1976年生まれ。サイエンスジャーナリストをたしなんでおります。主な著作は「最高の体調」「科学的な適職」「不老長寿メソッド」「無(最高の状態)」など。「パレオチャンネル」(https://ch.nicovideo.jp/paleo)「パレオな商品開発室」(http://cores-ec.site/paleo/)もやってます。さらに詳しいプロフィールは、以下のリンクからどうぞ。