裸足で歩くだけで睡眠が改善する!説
「裸足で歩き回るといろんなメリットがあるのでは?」って話は昔からあるんですよ。このブログで取り上げた例で言うと、
といった感じです。まだ詳しいメカニズムはわかってないですけど、とにかく裸足で歩くことで、いろんなメリットがあるのかも?ってデータは意外と多いんですよ。
でもって、新しい研究(R)も裸足のメリットに関するもので、まずは結論から言うと、
- 裸足で歩くと睡眠の質が高くなる!
のようになります。あくまでパイロットスタディなので、話半分で受け止めていただければと思いますが、睡眠の問題を抱えている方には参考になるんじゃないかと。
これは台湾で行われた研究で、軽度のアルツハイマー病を持つ成人が対象。みんなに対して、「1日に30分のグラウンディングをしてくださいねー」と頼んだんだそうな。
ここで言うグラウンディングは、地面に横たわったり裸足で土や砂の上を歩いくことで、これを1回30分ずつ週に5回ほどやってもらったらしい。
その結果、グラウンディングを行ったグループは睡眠の質が有意に改善し、ぐっすり眠れる人が多くなったらしい。んー、不思議なもんですねぇ。
ちなみに、グラウンディングはあまり研究例が少ないテーマでして、「なんで裸足で自然を歩くと良いの?」ってところはまったくわかっておりません(というか、まだグラウンディングが本当に効くのかも断言できないレベル)。
ただし、現時点では、以下のような仮説が提案されてたりします。
- ストレスホルモンの低下説:グラウンディングによってストレスが減り、コルチゾールレベルが低下するから?という説(R)。コルチゾールは、俗に言う「ストレスルモン」で、夜間の分泌量が多い人は、不眠症や睡眠不足の原因となることがわかっております。これがグラウンディングによって低下するのではないか、と。
- 現代人の足が衰えている説:バイオメカニストのケイティ・ボウマン先生の仮説(R)によれば、人間の足は手と同じように器用に動かせるようになっている。しかし、いつも靴を履いていると、この複雑なシステムが衰えていき、足の痛みだけでなく、膝、腰、背中の問題につながり、引いては精神の落ち込みをもたらす可能性もあるとのこと。
- マインドフルの訓練になっている説:グラウンディングは、ヨガや瞑想と同じように人体に意識を向けさせるため、マインドフル瞑想と似たような仕組みでメンタルを改善するのでは?という考え方。おそらく、一番ありそうな説だと思う。
というわけで、個人的には「裸足歩きはマインドフル瞑想の一種なのでは?」って仮説が一番もっともらしいと思ってたりします。
私の経験で言うと、かつてグラウンディングをしつつアップルウォッチとOuraリングで心拍変動を計測したことがありまして、グラウンディングを実践した日は、心拍変動が大きな改善していたんですよね。
あくまで個人の経験なので、眉唾で見ていただければと思いますが、グラウンディングがマインドフルの訓練になっていて、そのおかげでストレスホルモンが下がった可能性はあるのかもなー、とか思っております。
もっとも、くり返しになりますけど、グラウンディングに関するまともな調査はないし、数少ない研究もほとんどが小規模なものだし、感情や気分の変化を自己申告でしか見ていないので、どれも非常にデータの質は低いとお考えください。その点で、いまの段階で「グラウンディングで睡眠を改善だ!」とはとても言えないレベルではあります。
以上の点さえふまえておけば、少なくともグラウンディングで副作用が出るとは思いにくいし、もし裸足でちょっと歩くぐらいでも睡眠が改善するかもしれないなら、やってみるのも良いんじゃないでしょうか。
現在のところ、グラウンディングに正しいやり方は存在していなくて、
- どれくらいの時間、裸足で歩く必要があるのか? 走ったほうが効果的なのか?
- 地面の種類にもこだわったほうがいいのか?
ってあたりはまったく分かっておりません。なので、とりあえずは今回の実験をなぞって、芝生、土、砂、その他の自然の上を、1回30分ずつ5日ほど歩いてみてはいかがかと思う次第です。
地面が私たちを眠らせる可能性について、私たちはまだ多くのことを学ばなければならない。しかし、少なくともグラウンディングは、外に出るためのもうひとつの理由である。