メンタルの改善に最適なコーヒーの量と飲み方が判明したかもな件
「コーヒーは脳に良い!」って話はかなり多くて、アルツハイマー病やパーキンソン病といった疾患から守ってるのでは?って指摘が決行あるんですよ。
たとえば、29,000人以上を対象とした11の観察研究のレビュー(R)でも、コーヒーを多く摂取するほど、アルツハイマー病のリスクが低下したと報告されてたりします。さらに、いくつかの研究(R,R)でも、適度なコーヒーを飲む人は、認知症や認知機能の低下が起きにくかったと言われてるんですよ。
まー、まだ結果はまちまちなので、コーヒーがはっきりと脳に良いとも言い切れない段階なんですが、コーヒーにふくまれるポリフェノールが体に良いのは間違いなく、これまでの研究では、適度な量のコーヒーを飲む人は、2型糖尿病、慢性肝疾患、脳卒中、がん、一般的な死亡リスクが低下するってのは、わりと精度の高い結論として出てたりします。アメリカの研究などでも、毎日1杯のコーヒーを飲むと、心血管疾患のリスクが9%低下するという話なので、やはり積極的に飲みたい飲料のひとつと言えるでしょう。
こうなると、「コーヒーはどれぐらい飲むべきか?」ってのが気になるところですが、新しいデータ(R)を見てみると、
- コーヒーを毎日2〜3杯飲む人は、うつ病や不安症のリスクが最も低い!
って結論になっておりました。メンタルの改善に最適なコーヒーの量は1日2〜3杯なのだ、と(1杯は150mlぐらい)。
この研究は、コーヒーの摂取とうつ病や不安症との関連を調べたもので、UKバイオバンクから50万人以上の男女のデータを分析。このデータセットの一部として、メンタルヘルスについても調べた152,821人の参加者に焦点を当てて、うつ病、不安、コーヒーの消費に関するデータを深掘りしたんですよ。
で、分析の結果なにがわかったかと言いますと、
- コーヒーの消費量と、うつ病や不安症のリスクとの間にはJ字型の関係があった。つまり、コーヒーを飲む量が増えるとメンタルが改善するが、一定の量を超えると、そのメリットはどんどんなくなっていくか、逆にメンタルが悪化する。
- なかでもメンタルが改善しやすいのは、コーヒーを毎日2〜3杯飲む人だった。しかし、飲む量がこれより少ない、または多い人は、逆にメンタルか悪化のリスクが増加した。
- コーヒーを毎日6杯以上飲む人は、メンタル悪化のリスクが高かった。
- 挽いたコーヒーを毎日2-3杯飲むことは、コーヒーを飲まない人に比べて、うつ病や不安症のリスク軽減につながった。
- インスタントコーヒーを毎日2-3杯飲むことは、うつ病のリスク低下と相関したが、不安のリスクは低下しなかった。
- 無糖のコーヒーや、ミルクを入れたコーヒーを毎日1~3杯飲むと、うつ病や不安症のリスクも低下した。しかし、砂糖や人工甘味料で甘くしたコーヒーの摂取は、これらの障害のリスクと有意な関係を示さなかった。甘みをつけたコーヒーだとメンタル改善メリットが消えちゃう理由はよくわからんですが、甘いコーヒーを飲む人は、ジャンクフードの消費量も多い傾向があるからじゃないかと予測。
みたいになります。コーヒーは豆からひいたものを、1日2〜3杯まで飲むがベストじゃないの?ってことですね。
まぁ、今回の調査で使われたデータは、あくまで自己申告によるものだし、研究が始まった時に行った1回の調査だけで判断しているので、精度はいまいち高くないものとお考えください。とはいえ、コーヒーが脳に良いって報告はどんどん増えてますし、なんせ不安障害とかうつ病ってのは、世界的にもメンタルの問題の上位にランクされてますから、こいつがコーヒーでやわらぐかもしれないならすばらしいことじゃないでしょうか。
ちなみに、今回のデータでも確認されたように、適度なコーヒーの摂取は健康に良いが、飲み過ぎは全体的な効果を低下させる可能性があるのでご注意ください。今のところ、コーヒーの適量については個人差が多くて判断が難しいものの、
- カフェインの過剰摂取は、人によって感受性は異なるが、様々な副作用を引き起こす可能性がある(R)。
- 一般的には、体重1kgあたり2.5mgのカフェインを超えないぐらいが推奨されている(R)。平均的なコーヒー1杯のカフェイン含有量が約95mgなので、体重80kgの人が1日に飲むコーヒーの量は約2杯(300mlぐらい)に相当する(R)。
- とはいえ1日あたり400~600mg(約4~6杯分)のカフェインを摂取しても、ほとんどの人に副作用は見られないので、そこまで心配sる必要はない(R)。ただし、こんなに飲んじゃうと、メンタルの改善メリットは薄れちゃうかも。
といったあたりが大まかなガイドラインになるでしょう。コーヒーはリスクとベネフィットのバランスが大切なんで、あくまで自分の体の反応をチェックしつつ、無理のない範囲で摂取していただければと。