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今週の小ネタ:やっぱ日本食は優秀、嘘を見抜きたいなら相手の顔を見るな、同じ運動をするなら屋外の方が効率アップ


ひとつのエントリにするほどでもないけど、なんとなく興味深い論文を紹介するコーナーです。

 

やっぱ日本食は優秀だよなー

パレオ食とか地中海食とか、世の中にはいろんな健康食がありますが、日本食もその代表例のひとつ。地中海食などと比べて研究例は少ないんだけど、日本人がこれだけ長寿なんだから、そりゃあ食事も健康的なのだろうと考えられるわけです。

 

そこで、新たに早稲田大学などの先生方が、「日本食のすばらしさを調べたぞ!」ってナイスな研究(R)を発表してくださってました。健康食の研究って欧米人を対象にした者ばっかなので、これは実にありがたいですねぇ。

 

この研究は、65~72歳の高齢男性144名を対象にしたもので、みんなの食事をアンケートでチェック。そのデータを元に、「日本式の食事が多い人」と「欧米式の食事が多い人」に分類し、これを全員のDNAメチル化老化時計(ヒトの老化を示す指標で、将来の病気をうまく予測できる)と比べたんだそうな。日本人をDNAメチル化老化時計で調べたデータって少ないので、これは非常によろしいっすね。

 

ちなみに、ここでいう「日本式の食事」ってのは、野菜、果物、大豆製品および魚介類の摂取が多い、昔ながらの日本の伝統食を意味してます。逆に欧米式の食事は、肉、卵、マヨネーズなどの摂取量が多め。

 

でもって、分析の結果、何がわかったかと言いますと、

 

  • 日本式の食事をしている人ほど、DNA老化時計の数値が小さかった。
  • 欧米式の食事には、年齢加速値や年齢調整値に有意な相関は見られなかった。

 

ということで、簡単に言えば、日本式の食事が多くなるほど肉体の老化は遅いことが、DNAレベルの精度でわかったってことですね。まぁ野菜や魚介が良いってのは、このブログをお読みの方には耳タコでしょうが、和食の素晴らしさがあらためて明らかになったのは、まことにありがたいですなぁ。

 

 

 

嘘を見抜きたいなら相手の顔を見るな

嘘を見抜きたいなら相手の顔を見るな!」って研究(R)が出ておりました。嘘を見抜こうとする時に、相手の表情に注目する人は多いですが、実はそれは間違いかもしれないというんですな。それどころか、相手の顔を完全に見られる状態ってのは、嘘を見抜く助けにはならないどころか、かえって不利になるんだそうな。

 

ここでは523人の男女を対象に2つの実験を行ってまして、ざっくりどんな実験だったかと言いますと、

 

  1. 参加者の一部を嘘をつく人と真実を話す人に分ける。
  2. 一部の参加者は顔を隠すためにベールをかぶり、他の参加者は顔を出したままでインタビューを受ける。
  3. インタビュアーは、相手が顔を隠した状態と隠していない状態で、どちらが嘘を見破りやすいかを評価する。

 

みたいになります。完全に表情が見える状態と、ほぼ目しか見えない状態で、どちらが嘘を見抜けるのかを調べたわけですね。

 

その結果について、研究チームいわく、

 

(アメリカなどの裁判では、証言者が顔を隠すことを禁じているが)この2つの研究においては、ベール着用によって嘘の発見が妨げられることはなかった。

 

それどころか、ベールを着用している証人は、顔を出している証人よりも、嘘を正確に見抜かれるケースが多かった。相手が顔を出している場合は、嘘を見抜く確率は、ただの当て推量と同じだった。

 

とのことで、欧米の裁判では顔を隠しちゃいけないことになってるけど、実際には、私たちは顔を隠した相手の方が嘘を見抜きやすいのではないか、と。

 

なかなか面白い結果ですが、このような現象が起きる理由としては、

 

ベールで顔を隠すことで、観察者はよ "診断的 "な手がかり、例えば言語に含まれる嘘のサインに注意を払うようになるのかもしれない。

 

といった推測がされておりました。要するに、人間の表情ってのは情報が多すぎて、これを頼りにしてしまうと、逆に相手の真意を誤解しちゃう可能性が高くなるんだってことですね。それはそうかもなぁ。

 

ということで、相手の嘘を見抜きたい場面では、あえて表情には注意を払わずに、向こうの口調などに意識を向け続けるのが良いかもしれませんな。

 

 

 

同じ運動をするなら屋外の方が効率アップ

自然の中で運動すると楽に感じられるよなー」ってデータ(R)が出ておりました。これは確かに私も実感するところで、ジムのトレッドミルで走るよりも、山の中でトレランしたほうが、同じような負荷でも明らかに気持ちが楽ですからね。

 

そこで、この実験では、「自然の中で運動すると本当に楽なのか?」ってのをちゃんと調べてくれたんですよ。具体的には、自転車で通勤をしている20人の男女を集め、室内でのエアロバイクをこいだ時と、通勤時の主観的な運動の辛さ(RPE)を比べたんだそうな(エアロバイクの強度は、VO2や心拍数が通勤時と同じレベルになるように調整したとのこと)。

 

でもって、それぞれの運動をしているときの心拍数とVO2からRPEを予測する式を作り、通勤時の運動の辛さが、その回帰直線の上にあるか下にあるかをチェックしたところ、

 

  • 室内で全力の運動をした場合
    • 心拍数=男性が174±7bpm、女性が175±10bpm
    • 主観的な運動の辛さ(RPE)=男性が17.8±1.4、女性が18.3±1.5

 

  • 屋外で全力の運動をした場合
    • 心拍数=男性が136±13bpm、女性が137±7bpm
    • 主観的な運動の辛さ=男性が12.8±1.0、女性が12.4±2.0

 

  • 全体的、心拍数とVO2が同じ時には、屋外の運動のほうが、主観的な運動の辛さが小さいことがわかった。

 

ということでして、ざっくり言うと、屋外の運動の辛さは、屋内で同じぐらいの負荷の運動をした時と比べて19~30%ぐらい低い傾向がありまして、これは結構な違いだろうと思うわけです。主観的な辛さが30%も違ったら、運動のモチベーションは断然変わりますもんね。

 

屋内と屋外で運動の辛さが変わる理由としては、

 

  • 屋外では自然の光景に目を取られたり、通行人や車の行き交いに注意が向かったりするから、それだけ呼吸の辛さや筋肉の痛みに気を取られにくくなるのでは?

 

みたいな仮説が提案されておりました。もちろん、実験環境の違いもありそうですが(室温とか)、屋外の方が情報量が多い分だけ辛さが紛れるって可能性はあるでしょうね。

 

この結果をふまえて、研究チームは「健康のための運動は屋外で行ったほうが、よりたくさん体を動かせて有効では?」と言ってまして、私も大いに賛成ではあるんですけど、唯一日焼けの問題がねぇ……。

 


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