カルシウムのサプリは心臓病の危険を激しく上げる
以前に「買ったら損するサプリ」としてカルシウムをワーストワンにしたところ、「もっとくわしく!」とのメールをいただきましたんで、もうちょい書いてみようかと思います。
カルシウムサプリの問題点・1 なにせ効果がない
カルシウムのサプリがよろしくない理由の1つは、宣伝どおりの効果が見られないとこ。一般的には「骨が強くなる!」とか「骨粗しょう症を予防する!」などと言われますが、近ごろは、この主張がガンガン崩れ始めてるんですね。
例えば2012年の全国健康栄養調査 (1)では、1日の必要摂取量より多くカルシウムをとっても、骨密度にはまったく影響が出なかったとか。どころか、2007年の論文(2)では、カルシウムのサプリを飲むと足の骨折が増えるなんてデータも出ております。
カルシウムサプリの問題点・2 心臓に悪い
もう1つ、さらに大きな問題点は、カルシウムが心臓病に悪いってデータが多いとこ。有名なところでは2012年の大規模な研究(3)がありまして、24,000人の男女を11年にわたって追いかけたところ、カルシウムのサプリは心臓発作のリスクを140%も悪化させることがわかったそうな。ほかにも、脳卒中の確率が20%、全体の死亡率が9%ほど上がるなんてデータも(4)。
こういった現象が起きるのは、サプリメントでカルシウムを飲むと、体が大量の成分を処理できずに血管にこびりついて石灰化しちゃうから。一方、食品からカルシウムをとった場合は、吸収がゆるやかなので血管には害をおよぼさないんですね。
まとめ
そんなわけで、カルシウムのサプリは効果がないどころか心臓に悪い可能性が大。具体的なデータ(5)を見ると、1日に500mgのカルシウムをとると死亡率が上がりはじめるっぽい。日本で売ってるカルシウムサプリは、平均で1日500mgのカルシウムが入ってますんで、かなりギリギリのラインですね。
カルシウムのサプリを飲んでない方でも、たとえばマルチビタミン剤や健康食品なんかにも、過剰な量のカルシウムが入ってる場合があるんでご注意ください。わたしも、いまはカルシウム量がかなり少ないマルチビタミンを使っております。
credit: @Doug88888 via FindCC