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「週一のチョコで頭が良くなる!」って話はあんま真に受けないほうがよさげ

Choco

 

 チョコレートと脳の働きについてご質問をいただきました。

 

チョコで脳の働きが良くなるという論文が出たみたいです。鈴木さんも、チョコレートのフラボノイドが体にいいということを言っていたと思いますが、脳についてはいかがでしょうか?

 

とのこと。

 

 

週一のチョコで脳機能が高まる?

これは「アペタイト」って学術誌に出た論文で、968名の健康データ35年分を 分析したところ、

 

  • チョコレートを週一以上のペースで食べる人は脳の機能が高かった(ワーキングメモリは除く)
  • カカオフラボノイドとカフェインが脳に効いてるのかも?
  • 最適なチョコレートの種類や量はよくわからない

 

って結果が出たんですね。思わず「チョコがガツガツ食べるぞ!」って気分になりますが、この研究は解釈が難しくて、

 

  • データをよく見ると…
    • チョコをよく食べる人ほど野菜やフルーツもたくさん食べている
    • アルコールをあんまり飲まない
    • 糖尿病の割合が少ない

 

といった傾向も出てるんですよ。つまり、

 

  • 頭が良くなったのはチョコじゃなくて野菜のおかげかも?
  • アルコールの摂取が脳を鈍らせてるのかも?
  • 糖尿病が脳機能を損なっているのかも?

 

みたいな疑問がいろいろ出てきちゃうんですよね。悩ましいですねぇ。

 



とりあえずココアのほうが無難

といったところで参考になるのが、2013年に出た系統的レビュー(2)であります。過去に行われたチョコの脳機能の実験をまとめたもので、いまのところ信頼度は一番高い感じ。これを見てると、

 

  • 1日37gのダークチョコと237mlのココアを6週間ほど飲む実験では、特に頭が良くなる効果は出なかった
  • 1日16gのココアを飲んだ実験では、脳機能にほんの少しの改善がみられた

 

みたいな感じで結果はバラバラなんですが、全体的には「効果があったとしても大したほどじゃない」って印象ですかねぇ。

 

 

まぁカカオフラボノイドが体に良いのはほぼ確定なので、脳力アップが期待できなくてもチョコを食べる価値はありましょう。ただしチョコは高脂肪食でもあるんで、節制が効かない方はココアで代用したほうが無難かも。

 


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1976年生まれ。サイエンスジャーナリストをたしなんでおります。主な著作は「最高の体調」「科学的な適職」「不老長寿メソッド」「無(最高の状態)」など。「パレオチャンネル」(https://ch.nicovideo.jp/paleo)「パレオな商品開発室」(http://cores-ec.site/paleo/)もやってます。さらに詳しいプロフィールは、以下のリンクからどうぞ。

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