2分でジャンクフードへの欲望を抑える方法が見つかったよ!という話
「"香り”で不健康な食事が減らせるぞ!」ってデータ(R)がおもしろかったんでメモ。
これはサウスフロリダ大学の研究で、いくつかの実験で「香りで人間の食欲はどう変わるか?」を調べた内容になっております。具体的にどんな実験だったかと言うと……
実験1.カフェテリアにて
舞台は学校のカフェテリア。研究チームは噴霧器を使い、2パターンの香りを室内にふりまいたんだそうな。
- リンゴの香り
- ピザの香り
それから学生たちの行動がどう変わるかをみたところ、
- リンゴの香りを嗅いだ場合=不健康なメニュー(フライドチキンとかホットドッグとか)を選んだ者の割合は40%
- ピザの香りを嗅いだ場合=不健康なメニューを選んだ者の割合は21%
だったんだそうな。普通は「ピザの匂いを嗅いだらジャンクフードが食べたくなるでしょ!」と思っちゃうわけですが、実際は不健康な食事を選ぶ割合が少なかったらしい。ちょっと意外ですなぁ。
実験2.スーパーマーケットにて
お次の舞台は平凡なスーパーマーケット。今度は、店内にこんな香りを噴霧しております。
- イチゴの香り
- チョコクッキーの香り
その上でお客さんが何を買ったかをチェックしたら、
- イチゴの香りを嗅いだお客さんのほうが不健康な食品に金を出してた!
だったとのこと。やはり体に良くないものの匂いのほうが、逆に健康的な食事を選ぶようになるんだ、と。
実験3.ラボにて
最後は実験室で行われた研究で、250人の被験者に「イチゴ」か「チョコクッキー」の香りを嗅いでもらったんだそうな。こちらでは、上の2つの実験とはやや違った結果が出まして、
- チョコクッキーの香りを30秒だけ嗅いだ場合は、健康な食品より不健康な食品を選ぶようになる
- チョコクッキーの香りを120秒以上嗅いだ場合は、不健康な食品より健康な食品を選ぶようになる
だったんですな(45% vs. 22%)。どうやら、不健康な食品の香りを短時間だけかぐとネガティブな食欲が増すのに、2分を超えると逆にピザやクッキーには欲望が動かなくなるみたい。おもしろいっすねぇ。
では、なぜこういう現象が起きるのかと言いますと、以前に「インスタグラムを使って自然にお菓子の欲求を減らす方法」で書いたことと同じです。このエントリから再び引用しますと、
これは、「感覚退屈」と呼ばれる現象だ。お菓子の写真を大量に見ることで、実際にその食べ物を口にする前に、予想される味に感覚が飽きてしまう。
のようになります。どんなに美味そうなジャンクフードでも、ひたすら同じ刺激を与え続けると、そのうち嫌になっちゃうわけですな。
ってことで、今回の研究を現実に応用するならば、
- ジャンクフードの香りが漂ってきたら、とりあえず2分だけガマンして逆に積極的に匂いをかぎ続けよ!
ってことになりましょう。この「2分ルール」さえ守れば、ジャンクフードの欲望にも耐えられるかもしれません。どうぞよしなに。